●2015年鑑賞映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。



2015
年 鑑賞映画 ベスト10



本年鑑賞した映画からの恒例の年間ベスト10です。

映画祭や映画雑誌などのラインアップとはちょっと違った

独特の選択にはなっているのではないでしょうか。

本年は邦画の青春映画に佳作が多く、もともと好きなジャンルだけに

ベスト10の中の半分を占めるという偏った結果になりました。



1 幕が上がる

正々堂々と直球勝負でアイドル映画を作りあげようとしたことで、それを大きく超えるキラキラして素敵な青春映画に仕上がったという感じです。きちんと準備をして、そして手を抜かずに撮り上げたということが十分に伝わってきます。映像面でもいろいろ工夫が観られ、最初から最後まで惹きつけられっぱなし。ももくろたちを支える黒木華も素晴らしかったです。


幕が上がる


2 先輩と彼女

主人公のりかちゃんのキャラクターが可愛くて、喜怒哀楽を素直に表せ、時に思い切った発言をしてしまう。そして好きな気持ちを隠しているつもりでも周りにはばればれで、その健気な思いが痛いほど伝わってくる、胸キュンキュンのキュートな青春恋愛映画でした。その中で男の子も女の子も成長して思いやりを身に着けていき、思いやるばかりに自ら身を引こうとしてしまう。切なくて切なくて仕方なかったです。


先輩と彼女


3 くちびるに歌を

観ている者の心を揺さぶる力が合唱にはあるのですね。派手ではないですが、大人も子供もみんな悩みながらも、周りの人々と助け合ったり触れ合ったりする中で、人間としてひとつまた成長していく様子を丁寧に描いた好感度の高い作品になっていました。離島に住む中学生たちの素直で純粋な思い、そして問題を抱えながらも前向きに生きている姿には、心を動かされっぱなしでした。


くちびるに歌を


4 はじまりのうた

音楽のセンスが抜群で、しかも後味の爽やかな素晴らしい音楽映画に仕上がっています。音楽も耳触りが良くじわりと染みてきますし、しかも使うところも抜群のタイミング。レコーディングに集められたミュージシャンたちがまたみんな本当に楽しそうに楽器を弾いたり歌ったりしているのがいいのですよね。ニューヨークの街、そこに住む人たちの営み、そして奏でる音楽 それらがすべて調和した心地よい作品でした。


はじまりのうた


5 ガールズ・ステップ

それぞれに悩みを抱えた女子高生5人が、好きなものを見つけ、いろいろ紆余曲折ありながらも、一つになって楽しそうにダンスをする姿には熱くなるものがありました。知名度のない5人ですが、それだけにそれぞれが映画の中のキャラクターに入り込み、等身大の女子高生の素直に演じていたように思えます。


ガールズステップ


6 海街diary

華のある4人の女優と、四季折々の季節感あふれる風景とが調和して、心地よい作品になっていました。タイトルが「diary」であるように、起承転結のある物語が展開されるというよりは、4姉妹と周りの人々の日常に起きる出来事を切り取ってスケッチをしているような、映像の詩を観ているような感覚でした。


海街diary


7 アメリカン・スナイパー

戦地と家庭の行き来の中でその都度少しずつ心を病んでいく様子と、家族との関係性の推移を繊細に描いていて、きめ細かいイーストウッドの演出が光ります。戦地から帰って心や体に傷を負ってその後を生きていく兵士たちの姿を通して、つまりは何人死んだ何人負傷したという数字の影に隠れて見えない部分をクローズアップすることで、戦争というものの非情さをまた違う角度から伝えようとする思いが充分に伝わる作品でした。


アメリカンスナイパー


8 ソロモンの偽証 前篇・事件

登場人物がかなり多いのですが、それらが無理なく整理されていて、それぞれの性格や相関関係がすんなりと入ってきます。きっちりとした組立てで、原作力に加えて映画としての編集力・演出力にも優れ、後半に観客を引っ張るという意味では成功の内容といえるのではないでしょうか。

ソロモンの偽証


9 女神は二度微笑む

謎が次第に解けていき真相にたどり着いたかと思いきや、最後に待ち受けていたどんでん返し。いわれてみると、そもそも彼女の話が作り話だということで説明がつくこともあり、すっかり騙されたと感心。ぐいぐいと惹きこんでいく展開力は素晴らしく、最初から最後まで目を離せません。結末を知ってもう一度確認しながら観てみたいです。


女神は二度微笑む


10 トイレのピエタ

絵の才能を持ちながらも挫折し、目的なくアルバイト生活を送る中での突然の余命宣告。どこか現実感のないまま、出会った孤独な女子高生と、時々会ってはあてどない日々。しかし病院で出会った人々との交流の中で人間らしい温かみに触れ、そして最後に女子高生と会った後に流す涙が本当に切なくしみてきました。ここで初めて現実感を持ったのかもしれません。やめていた絵を最後に残そうと仕上げた絵が涙を誘います。


トイレのピエタ