●2014年 鑑賞映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

2014年 鑑賞映画 ベスト10



今年の集大成です。

地方ゆえに、観たくても観られないままの作品もありますが、

とりあえず今年観た映画の中からのベスト10

今年は絶対という作品がなくて、かなり悩んだ結果の10本になりました。



1 ゴーン・ガール

とんでもないこの上ない悪女の悪行をヒリヒリとするような緊張感の中で描き切ったデヴィッド・フィンチャーの巧みな演出と構成に、最後まで目が離せずとにかくスクリーンに釘付けでした。マスコミに囲まれた中で上げられたり下げられたりする主人公、加害者扱いそしてまた被害者になったりと、周りに翻弄つれ続けても精神バランスを崩して狂気に走ったりしない、いい意味での鈍さはベン・アフレックがぴったり。そしてすべての元凶である妻を演じるロザムンド・パイクもまたはまり役。さんざん振り回された挙句に、結局は妻の思うままに転がされ続けなければならない人生。最後はゾクッとしました。


ゴーンガール


2 アバウト・タイム 愛おしい時間について

単なるタイムトラベルものでも、ファンタジックなラブコメディでもなく、幸せな人生についてあれこれと思い巡らせてくれるような素敵な作品です。愛する女性と家族を設け幸せな人生を進んでいても、別れや困難は必ずやってきます。時間を戻してやり直してみても、また別の苦難が現れたりと思うようにはいかないもの。時には自分の強い意志で切り開いていくこともまた大事ですし、素直に試練として受け入れることもまた大事。そんな中でいい家族関係を築いていくこの一家を見ていると、本当に理想の人生はこういう暮らしなのではないかと思えてきました。レイチェル・マクアダムスがキュート。


アバウトタイム愛おしい時間について


3 大人ドロップ

高校生の男女4人の繊細かつ不安定な心情を丁寧に描き、好感度の高い作品でした。言葉にしない彼ら彼女らの秘めた思いなども如実に伝わり、心が痛くなるほど。特に主人公由の言葉として時々ナレーションを差し込むことで、彼の迷いや揺れ、嫉妬心、恋情、状態は同じ男として、若いころを思い出しながらも共感できるところが多かったです。成長過程にある等身大の高校生の姿に、懐かしくも切ない思いでした。


大人ドロップ


4 白ゆき姫殺人事件

計算された構成、適材適所の配役、巧みな映像表現、込められた現代社会への風刺、そして魅力的なストーリー展開と、冒頭から結末までぐいぐいと惹きこんでいく力もまた見事。娯楽映画として観客を楽しませながらも、一方で現代の社会的病理をテーマとして送り込んでいく強かさ。ワイドショーでの取り上げ方など、多少の誇張は気にはなりましたが、全体としては些細なことに思えるほど、よく出来た作品でした。


白ゆき姫殺人事件


5  So Young 過ぎ去りし青春に捧ぐ

同じ場所で同じ屋根の下生活をしていた仲間たちも、それぞれに別の人生を歩む姿…。社会の中でのせわしない現実を思えば思うほど、夢を追って共に過ごした青春時代が、まるで遠い幻想であったかのように感じられてくるのです。無邪気に好きな仲間と語り合ったりぶつかり合ったり助け合ったり、そんな時代がせつなくそしてノスタルジックに響いてきます。個性的なキャラクターにより、過ぎ去りし良き時代を懐かしく思わせるような青春映画をヴィッキー・チャオ監督が撮りあげました。


So Young過ぎ去りし青春に捧ぐ


6 マダム・イン・ニューヨーク

最後に心地よい気持ちになれる分かりやすくて爽やかな女性応援映画です。家庭では英語を理解できないばかりに、夫や子供たちからも尊厳を持って接してもらえないことにストレスを感じていた主人公が、家族に内緒で、それも異国の地で英会話学校に通うことからもー、英会話だけでなく自分に自信を取り戻していく様子は、素直に応援したくなります。さらには現代のインドの教育事情も垣間見られるなど、インド映画としても新鮮な印象を強く持ちました。


マダムインニューヨーク


7 サイレント・ウォー

中国共産党と国民党との息詰まるような情報合戦の中、その渦中に身を置くことになった男女の辛く厳しい運命を、終始緊張感から解き放たれないスリリングな展開の中で描ききっていました。時代背景を如実に表現したような映像や美術、そしてそんな世界には極めて不釣り合いにも見える美女、水面下で行われている作戦だけに、その「陰」の仕事という部分が彼・彼女の運命と重なって、切なくそしてやるせなく響いてき、観た後も余韻の残る作品です。


サイレントウォー


8 ぼくたちの家族

4人家族の関係性、それぞれの性格や生活背景などの描写が実にリアルで、こと長男と次男の対比は見事というしかありません。長男は長男ぽく、次男は次男らしく映し出していますし、本音で常に話しているように見えた次男が、母親の手術のあとでぽろりと本当の思いをこぼしたシーンは秀逸。繊細かつもちろん演技で応えた二人も文句なし。


ぼくたちの家族


9 インターステラー

ボリューム感、スケール感にSF映画らしい壮大な映像、そしてドラマと見所も多く、非常に見応えのある作品でした。人類滅亡を救うべく立ち上がる…というよくある展開ながらも、かなり凝った構造で見せることで、既存の作品のそれとはまた一味違ったオリジナリティが感じられ、多少あざとさが気になることはあったにせよ、大作に相応しい充実感を得ることができました。


インターステラー


10 銀の匙 Silver Spoon

高校生ながらそれぞれが背負う物を抱えている生徒たちに、ともするとどこか説教臭くなりやすいところを、硬軟緩急を使い分けて、笑えて泣ける作品に仕上げていたと思います。また、作品ごとに個性的なキャスティングを見せる吉田監督ですが、今回もところどころ絶妙な配役を見せています。好感度の高い爽やかな青春コメディでした。

銀の匙SilverSpoon