●滝田洋二郎 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

滝田洋二郎 監督映画 ベスト10



アカデミー賞の外国映画賞を獲得したことで

一躍重鎮監督となった滝田洋二郎監督。

他にも同じパターンはありますが、

もともとはポルノ映画から入った監督さんですね。

とにかくコメディもシリアスも、時代劇も現代劇も、

少年映画もアイドル映画も大人の映画も

幅広いジャンルに対応できるのが凄いところ。



1 おくりびと

いうまでもなく、滝田監督の名前を一躍世に知らしめた作品です。本木雅弘の表現した品性といい、山崎努の飄々とした存在感といい、納棺師の仕事の意義を見出して行く様子が自然に伝わり、評判どおりの素敵な作品であったと思います。変にドラマティックに感情を煽ったりしないほどよい演出がまたよかったです。


おくりびと


2 バッテリー

お子様からお年寄りまで幅広い世代で見られるような、きれいにまとまった佳作に仕上がっています。のどかな田舎の町をバックに、野球大好き少年たちの素朴さがマッチして好感の持てる青春スポーツドラマなのですが、特に遊びといえば野球であった我々のような世代の男性には、どこか懐かしい感じさえしてきます。ゆったりとした時間が流れているように感じるのですが、上映時間中一度も退屈さを感じることもなく、一気に観られてしまいました。


バッテリー


3 シャ乱Qの演歌の花道

タイトルどおりシャ乱Qのつんくを主人公に、ロックではなく覆面を被った演歌歌手として人気を博していく様子を描いたコメディです。タイトルを聞いてなめていると、これがなかなかの面白い出来。こういうど直球のギャグ映画も作れてしまえるところが滝田監督の引き出し多さを物語っています。森高千里が出ていたり、まこと夫人になる冨永美樹が出ていたりと、キャストがまた個性的!


シャ乱Qの演歌の花道


4 コミック雑誌なんかいらない!

当時の話題の事件や芸能ゴシップを次から次へと取り扱い、本人までも続々と登場。人をおちょくったような意表をつく作品の体をとりながらも、レポートする側とされる側が実は紙一重であることも強烈に風刺し、行き過ぎた取材に警鐘を鳴らしているというところでしょうか。目の付け所も面白いし、キャストも意外性十分ですが、あまりにストレートすぎるところは好き嫌いが分かれそう。


コミック雑誌なんかいらない


5 陰陽師

エンターテイメントとして楽しめる作品で、野村萬斎がとにかくはまり役。また大袈裟な演技で奮闘する真田広之に対して、へたくそなボケ演技の伊藤英明が対照的で面白い。CGも鳥やら蝶やら天に現れた霊やらいろいろ使っているのですが、平安の時代と明かにCGと分かるそれらがなんとも不思議な関係を見せている。


陰陽師


6 天地明察

江戸時代にも暦を作るための細かい観測がなされていたということ、それに多くの人々がいろんな思いを抱きながら携わっていたこと、そして安井算哲という人物の功績、それらを「勉強した」だけでも、この映画を観た意義はあったかと思います。ただ題材が題材だけに、作品の作り方としてはいたってまじめ、しかもキャストには歌舞伎界のスターが揃い、あまり無茶なことはできないというのはあるでしょう。面白味という部分がやや欠けてしまうのは仕方ないところかも。


天地明察


7 壬生義士伝

日本人が好みそうな感情に訴える名誉と愛と友情の物語が展開されます。ど「時代劇」ではありますが、全体的にスマートな印象。いかにも日本的な自害のシーンなど強く揺さぶられるシーンもありますが、トータルとしてはノーマルな作り。中心がぼやけ気味ではありますが、エンターテイメント性も兼ね備え、新撰組の終わりを叙情的に映し出し、まずまず楽しめるものにはなっていました。


壬生義士伝


8 愛しのハーフ・ムーン

バブル末期の浮かれた世相を表したかのようで、恋愛もセックスも結婚も軽く進行していきます。三角関係どころか四角五角と織りなす若者たちの打算だらけの恋愛模様を、どこか皮肉的な視点で滝田洋二郎が描いているのが、どこか楽しげでもあります。当時アイドルの伊藤麻衣子が可愛い!


愛しのハーフムーン


9 秘密

当時人気絶頂の広末涼子を配したアイドル映画ではありますが、東野圭吾の原作をうまく映像化したラブファンタジーとしてよくまとまった作品になっています。最後の別れの場面はとてもせつなく、滝田洋二郎監督の職業監督としての能力を改めて認識させられる作品でした。


秘密


10阿修羅城の瞳

日本映画の中に昔から絶えず作られている和製妖怪映画。目立つのは宮沢りえ。何も知らない小娘、恋に燃える女、怪しい阿修羅とそれぞれのシーンごとにイメージを変遷させていきますが、一方市川染五郎(当時)さらりとしすぎて、鬼殺しの凄みがいまひとつ出ていないのが惜しい。物語はそれほどおどろおどろしいものではなく、すっきりしていた入りやすい感じではありました。

阿修羅城の瞳