尾野真千子 出演映画 ベスト10
朝ドラのヒロイン以降名前も売って、順調に仕事もこなしている尾野さん。
でもそのずっと前から映画では個性的な監督がたに呼ばれて、
色んな作品に出ているのですよね。
そんな個性的な作品が並ぶ尾野真千子の出演作から選んだ10本です。
1 クライマーズ・ハイ
日航ジャンボ機墜落事故に携わった地元新聞記者たちの闘いを描いた硬派の社会派ドラマですが、スピード感とボリューム感で見応え十分。新聞社という特殊な中で戦っている記者たちのドラマを熱気ムンムンに描き出し、一分一秒を争う中での意地と意地とのぶつかりあいの描写は見事。男中心の職場の中でほぼ紅一点の尾野真千子がまた良く、気の強さと、経験の少なさからくる不安定な部分の両面を見事に表現していました。
2 そして父になる
子供の取り違え発覚後の対応の中で、主人公が父親として成長して様子を丹念に丁寧に描いた、落ち着いた良作です。自分自身が父親との関係をうまく築けずに育ってきた中、エリート意識が強く、自分とは全く違う世界に住む他人を見下しがちだった彼が、まったく違う環境、まったく違う価値観、まったく違う方針で子育てをする一家を知ることで、少しずつ変化していく様子が自然に伝わってきました。取り違えられた一方の夫婦の妻(福山雅治の!)を演じるのが尾野さんです。
3 のぼうの城
野村萬斎の飄々とした個性が十分に生かされた、華やかでスケール感があり、それでいてユーモアたっぷりの楽しい時代劇に仕上がりっています。特に田楽を演じるシーンは圧巻、素晴らしかったです。それにお殿様が実に魅力的でした。尾野真千子は侍にひどい目にあわされる農民の妻の役で出演。
4 魔女の宅急便
評価の高い人気のアニメ映画に対し、実写なら実写の良さを生かした別の作品として健闘。キキの印象もかなり逞しい感じにはなっていますが、主役に抜擢した小柴風花の堂々とした演技によるところも大きいかもしれません。清々しさの残るさわやかなファンタジー映画として楽しめました。キキの居候先のパン屋のおソノさんが尾野真千子。
5 旅立ち～足寄より～
モデルとなる松山千春の好感度が一気に上がるような作品だが、素直に見られる青春映画となっています。成功までの一人のサラリーマンディレクターとの絆を中心に、彼をひきたててくれた人々への感謝の気持ちが満ち溢れた映画。尾野真千子さんは主人公千春の姉役。
6 トロッコ
幼い子供二人を残して亡くなった台湾人の夫の実家に初めて訪れた日本人の妻を尾野真千子が好演しています。母親として子供愛する気持ちの裏で仕事と子育て、若くして苦労を一人で背負い込んでそれを負担に思う気持ち、夫の老いた両親に対して今まで孫を会わせてあげられなかった申し訳なさ、さらには日本人として過去の歴史の中で台湾に人々にしてきたことに対する負い目、そんな色んな思いが交差して不安に揺れる気持ちをデリケートに演じきっています。
7 山のあなた 徳市の恋
草なぎ剛が山の温泉地の盲目の按摩を演じた「カバー」映画。温泉地でのあれやこれやは、しっとりムードというよりは、コミカルな味付け。そのあたりは多少なりとも、石井克人監督らしさが現れていたようには思います。草なぎ剛の飄々とした持ち味も生かされていました。尾野真千子は山道で出会う女学生グループの一人としてちらっと出演。
8 ギプス
塩田明彦監督独特の世界観が創り上げられ、非現実的な関係に、多少の嫌悪感を抱きながらも、一方でその世界に惹きこまれて行く不思議な作品です。佐伯日菜子と尾野真千子の間にある女性同士の奇妙な関係。支配されているのか支配しているのか、くっついたまま離れられない主従関係。
9 ニシノユキヒコの恋と冒険
ニシノユキヒコの持つ力の抜けた感じを、セリフだけでなく映像全体で表現していて、リラックスして観ることができました。原作以上に脱力感を感じるものになり、疲れているときに観る映画としては、結構心地よかったです。とにかく年齢趣向問わずあらゆる女性を磁石のように惹きつけてしまう力は羨ましい! 尾野真千子はニシノの会社の上司役ですが、やはりニシノと関係を結んでしまいます。
10 殯の森
デビューも河瀬直美監督の『萌の朱雀』でしたが、それに続いての河瀬作品。カンヌで賞をとった作品ということで、いかにもカンヌが好みそうな芸術臭のぷんぷんする映画ではありますが、森の中で二人が心と体を近づけていくシーン、荒れる川へ進むのとを必死にとめようとするシーンなど、鬼気迫る様子が印象に残りました。
