嶋田久作 出演映画 ベスト10
ぶっきらぼうに冷めた口調で曲者キャラクターを演じると
この上ない存在感を発揮する俳優さんです。
出演作の多くは脇役、それも1シーン、2シーンだけということも
珍しいことではありません。
しかしその分、出演作の数はかなりのもの。
その中から10本を選びました。
①恋は五・七・五！
嫌々始めた俳句に次第に楽しさを感じ出しまぐれ優勝してしまう過程が、力を抜いて緩く描かれているのですが、その適当さが良いです。松尾高校に古池高校と馬鹿にしたような高校名、俳句の為にスパルタ訓練をするライバル高と、描き方もベタなのですが、実際にあり得ないだろうというところが笑えます。そして突然挟み込まれる無意味な「やさしい悪魔」が絶妙。嶋田氏の役名は三浦。もちろんチョイ役。
②夜のピクニック
等とある高校の、夜通し歩き続けるイベントを描いた作品で、等身大の高校生の姿が自然に映し出され、好感の持てる作品になっていました。主要の4人はごく普通の高校生としてリアルに映し出し、脇に何人か多少極端なキャラクターを配置して時々からませることでメリハリをつけていたのが、うまく作用していたのでしないでしょうか。嶋田久作は教師役。
③サッド ヴァケイション
自分を捨てた母親を偶然見つけた浅野忠信演じる主人公は、その母親になんとか復讐をしようと考えるわけなのですが、そこから連鎖する血の繋がりが、隠されていた秘密が明らかにされるラストへと、ドミノ倒しのように重なっていくのです。血が繋がっているからこそ生まれる憎しみ、嫌悪、それを見事に体現しているように思いました。運送会社の従業員役で嶋田久作さんは登場。
④百万円と苦虫女
面倒になると姿を消して次のところに移り住むという放浪の生活。でも縛られる物があるということは、実は素晴らしいことでもあるわけで、それが生きる糧になったりもするわけなのですよね。最後の方でヒロインもそのことに気づきかけたままこの映画は終わっていくのですが、観ている側も、色んなことを考えさせられる作品だったと思います。嶋田久作氏は刑務官役。
⑤0093 女王陛下の草刈正雄
珍しい草刈正雄の主演コメディ。邦画でここまでとことんギャグを連発し続けるというものもそんなにはないのでは?、草刈のとぼけた味わいがうまくはまって面白い映画になっています。IT企業の社長を嶋田久作さんが演じます。
⑥犯人に告ぐ
ボリューム感ある原作を2時間にまとめるには、かなりそぎ落とさなければならなかったのは残念ですが、硬派なミステリー・サスペンス劇として、ぐいぐいと観る者を引っ張って行ってくれる力強さがありました。さまざまな条件を考えると、まずまず健闘したとはいえるでしょう。嶋田久作は刑事役。
⑦K-20 怪人二十面相・伝
架空の街を舞台にしていて、時代も古いのか新しいのか、観る者の想像に任せるような設定、華族を中心とした明治時代から戦前のような雰囲気を持たせながら、SF映画に出てくるような装置が出てきたり、そのあたりの感覚は興味深かったです。飛んだり走ったりと金城武もアクションに頑張っていまし、その一方で全体的にコミカルな味付けでところどころに笑いも散りばめられており、娯楽作として充分に楽しめるものにはなっていました。嶋田氏はデザイナー役で出ています。
⑧大誘拐 Rainbow Kids
おばあちゃんが若者たちを逆に手玉にとって偽装誘拐に力を貸すという痛快犯罪コメディ。北林谷栄の怪演がとにかく印象的。元気なおばあちゃんです。ここでも刑事を演じる嶋田氏。
⑨Sweet Rain 死神の精度
金城武演じる死神が、死を目前に控えた人と数日間接し、死を実行するか見送るかという最終判断を下すというお話です。3つのエピソードは、それぞれ1985年、2007年、2028年の出来事であり、一見別々の物語のように思えるのですが、その年代の差にからくりがあるのですね。もっともそのあたりの繋がりは、かなり早い段階で、わかりやすいヒントを与えてくれるので、構成の妙のようなものはさほどではないのです。ただ、全体として各エピソードがあったかい雰囲気をかもし出していて、なかなかいい感じにはまとまっています。嶋田久作氏はチョイ役。
⑩嫌われ松子の一生
中谷美紀の熱演が光る中島哲也の力作。楽しいし、色使いも綺麗ですし、キャストも豪華、娯楽作として充分楽しめる作品には仕上がっています。悪い男に引っかかっては別れ、ひっかかっては別れ、その繰り返しの間に出てくるいい加減な男たち…。牧師役で登場の嶋田久作。