年末の楽しみの一つ、今年の映画ベスト10。
これだけはやめられませんね。
①愛のむきだし
4時間の長さをまったく感じさせない圧倒的な力強さ。今年はダントツです。ひきつけて離さない脚本と強烈な演出、それに応える若手キャストの熱演。特に満島ひかりと安藤サクラという才能をクローズアップさせたという意味でも印象に強く残る映画でした。傑作。
②プライド
こちらも、両極端に触れる役柄を見事に魅力的に演じきった満島ひかりの力によるところが大きいでしょう。作品としての質はけっして高いものではないし、ステファニーの大根ぶりも評価の分かれるところではあるでしょうが、それ以上に不思議にグイッと引き込む力を持った作品でした。一度入り込んでしまうと、その面白さにどっぷり浸りきってしまいます。とにかく面白かった。
③チェンジリング
近年はずれがまずないイーストウッド監督作。個人的にはスリリングな展開とセピア風の映像で雰囲気のあるこの作品のほうが、「グラン・トリノ」よりも好きです。子供が消えたヒロインとかみ合わない刑事との会話が、焦燥感を煽って、グイグイ引き込まれました。
④ポチの告白
善良な下っ端の警官が、ふとしたきっかけで汚いことに手を染めていく過程が、見事な演出で描かれています。バイプレイヤーの菅田俊が珍しく単独主演ということで、その演技にもひきつけられました。
⑤おっぱいバレー
綾瀬はるかの魅力あふれる学園コメディ。とにかくスクリーンに映える女優さんですが、実話を基にしたストーリーも面白く、気軽に楽しめ、さわやかな気持ちに慣れる作品でした。
⑥ダイアナの選択
あっといわせる種明かしを見破ることはできませんでした。学生時代に起きたある事件、大人になった彼女の心に残したものは?構成も工夫され、独創的な心理ドラマになっています。
⑦扉をたたく人
地味なドラマですが、心にしみいる素敵な作品です。ふとした行き違いから知り合った人々の交流が優しく描かれ、しんみりした気持ちになれる作品です。
⑧チェイサー
韓国映画らしい力強い作品。女性を監禁している猟奇殺人犯と、彼を取り調べる刑事、そして人質になっている女性、その微妙なバランスにより揺れ動く展開と衝撃の結末に圧倒されました。
⑨スター・トレック
新たに生まれ変わったスター・トレック、それは期待を上回る快作に仕上がっていました。これぞSF映画、こうでなくちゃという見本のような作品。王道中の王道。
⑩グラン・トリノ
③に続いてのイーストウッド作品。最後に主人公が取った行動には、非常に考えさせられました。心が痛くなる、そんな作品です。
完全に満島ひかりにやられたというような年でした。邦画4本、韓国映画1本、イーストウッド2本含む洋画5本といった具合で、バランスはよかったように思います。スリラーあり、SFあり、ヒューマンドラマあり、コメディあり、社会派ドラマあり、ミステリーありと、ジャンル的にもバラエティがある10本になりました。