私は道をよく聞かれます。
道路の向こう側から、渡ってきて聞かれた事もありました。
ただ、方向音痴なので、その店は知っているのに、
わかりやすく説明する能力が低すぎて、
喋ってる途中で、私の自信のなさに気づいて、
首をかしげながら、お礼を言われたりします。
情けなくて泣きそうになります。
(知ってるのに!)って。
で、反面、職務質問もしょっちゅうされます。
パトロール中の警官二人と目が合って、
職質されないことは、まずありません。
以上から自分を分析した結果は、
「私は、怪しくて、話しかけやすい人なのだ」
ということです。
年齢も何の仕事してるかもよくわからない。
腕時計もしていない。そんな大人いる?
数年前、深夜、店から自宅に帰る途中の道で、
毎週のように職質されていました。
蛍光色のTシャツ、前後にカゴのついたママチャリで、
深夜疾走する怪しい奴。そんなところでしょう。
ライトも必ずつけています。
あるとしたら飲酒運転だけど、気づくわけがない。
スピード違反か!
とにかく止められた。
笑顔で話しかけてくる、慣れた感じの30代警官と、
犯罪者を見るような目で、にらみつけてくる20代の警官。
定番でございます。
防犯登録確認だけなので5分で終わる。
元店員の女性にもらった自転車なので名義が違う。
その経緯をペラペラと喋って、
何ならその人の電話番号も伝える。
大丈夫、かけたりはしない。
私に、不審な素振りがあるかを見てるだけだから。
ところが、その日のポリスコンビは異様だった。
当たり前のように私を止めると、
自転車から降りるようにうながす。
私を逃がさないかのように、両脇に立つと、( ` -´ )(`^´)
なんだかんだ聞いてきた。
職務質問というより、不審尋問だ。
ムカついたので、「ライトついてましたよね!」
と、ちびっ子くりちゃん反撃に出るが、ほぼスルー。(꒪꒫꒪ )
ちょっといいですか、と、
なんとパトカーの中へ案内される。( ̄□ ̄;)
久しぶりにパトカーの中を見るのもよいか。
と、ちょっとだけ思う。前もあったのかよ!
で、後部座席にはさまれて座らされた。
ポケット中のものを全部出さされる。
怪しい者だが、怪しい物など出てこない。
残念ながら、白い粉末も持ってない。
最後に、ポケットの中が本当に空なのかまで確認された。
もはや普通に取調べではないか。
謝罪の言葉もほぼないまま、
無礼ポリスコンビは去っていった。
ここからは、わかる人はわかる。
怒りなれてる人なら、多分途中で切れているだろう。
ただ、私のように、人を怒らせるのは得意でも、
自分が怒ることが滅多にないタイプは・・・
切れるのに、時間がかかるのだ!
走り去るテールランプを見ているうちに、
自分の表情から、感情が消えうせていくのがわかった。
パーフェクトクレーマーに変身だ。
帰宅して、パソコンで「神奈川県警」「警察庁」のホームページを見つける。なんと、どっちにも、ご意見メール欄があった。
怒りのエネルギーが心から右脳へ、そして右脳から左脳へ、
フル回転で活動を開始した。
書き方に気をつけた。
淡々と、まるで人ごとかのように、新聞の投書欄へ投稿するかのように、落ち着いた文章で、怒りの感情を書ききった。
全く同じ文章を送信した。
私はこれで終わっていた。別に特に期待したわけでもない。
やることはやったし、すぐに忘れるだろう。そんな感じだった。
ところが、なんと警察庁から謝罪のメールが来たのだ。
県警からの返信はなかった。
ただ、それからこんにちまで、
帰宅時に、その場所で職質にあったことが一度もない。
お偉いさんから訓示があったのでしょうね。
「こうこうこういう奴が、深夜自転車で走っていても絶対に止めるな。たちの悪いクレーマーだからほっとけ。警察庁にまでチクるらしい。嫌な世の中だな」って。