セントルシア流クリスマス | つなさん夫婦ニカラグア・セントルシア

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全盲の鍼灸マッサージ師の夫とそれを支える妻のブログ。

盲学校を退職後、シニアボランティアとしてニカラグアとセントルシアの医療活動を支援しています。
現地での異文化体験を、夫婦で発信していきます!

62. セントルシア流クリスマス

 

クリスマスの時期になると真っ赤なフランボイヤの花があちこちで咲きだし、

島全体がクリスマスの雰囲気に包まれているかのように見えます。

 

     

      フランボイヤの花

 

今年のクリスマスは二つの家族と共に過ごす機会が持てて、

セントルシア流クリスマスを楽しみました。

 

クリスマスイヴの前日、大家さんのカリスタさんから家でささやかな

クリスマスパーティーをするからと私たちを呼んでくれました。

夜8時から始まったクリスマス会はカリスタさんの家族3人と

私たちだけのホームパーティでした。

ダイニングルームには赤と緑のテーブルクロスが敷かれ、ポインセチアの

鉢植えが中央に置かれてあります。

たくさんのカットグラスがライトに反射し、キラキラ光り、

その周りにはいろいろな飲み物やおつまみが用意されていました。

 

ご主人のセシルさんと娘のクレアニーさんが笑顔でようこそと言って、

飲み物を勧めてくれます。

 

クリスマスの飲み物はソレルというのが定番だそうです。

ルビー色をしたその飲み物がグラスに注がれ、

皆で乾杯しました。

ほんのり甘く、少し酸味もあるエキゾチックな味です。

 

この鮮明な赤い色はソレルという植物の赤い芽を煮だして作るようです。

ラム酒やシナモンなどの香辛料を加えたソレルのパンチもクリスマスの

伝統的な飲み物だとカリスタさんが教えてくれました。

 

ソレルはセントルシアだけでなくカリブ諸国全体でクリスマスに

欠かせない飲み物だそうです。

 

白いお皿に丸いゴルフボールぐらいの大きさの揚げパンの様なものは

中に干ダラが入ったコロッケで、カリスタさん家のクリスマス料理。

塩味のきいたタラと玉ねぎがマッチしています。

 

赤と緑のパプリカにハムが入ったキッシュはクレアニーさんの自慢料理。

チーズが入っていないのであっさりとして、パイ生地がパリッとしていて

おいしいキッシュです。

 

アーモンド、カシューナッツ、ココナッツなど様々な種類のナッツ類や

ドライフルーツがガラスの器に入っていました。

 

パウンドケーキも大皿に載って目を引きます。

 

カリスタさんは「みんなでクリスマスキャロルを歌いましょうよ」と

音頭を取り、携帯電話のYouTube を介してクリスマスミュージックを流しました。

日本でも馴染みの『 We Wish You Merry Christmas』『O, Christmas Tree』

『Dick The Hall』等を皆で歌い、そして、『O Holy Night』をカリスタさんが

オペラ歌手のように歌って見せ、拍手喝采でした。

最後はみんなで『Silent Night』を英語で、スペイン語で、そして日本語で歌い、

笑いあい、とても楽しいひと時でした。

 

クリスマス当日はサニーエイカーに住んでいるセレスティンさんの家で

アフタヌーンティーをご馳走になり、暖かいおもてなしを受けました。

 

サニーエイカーのミドルリッジの道を毎日散歩している私たちを見かけると、

よく声をかけてくれるセレスティンさんです。

時には自宅の庭で実ったマンゴーやグレープフルーツ、

それにびっくりするほど大きなアボガド等を頂いたこともあります。

 

クリスマスにはお礼に何かあげたいと考え、折り紙で作ったポップアップの

クリスマスカードとレモンマーマレードをつくり、家を尋ねてみました。

 

番犬のソックスは庭でのんびり寝転がって私たちを上目遣いで見ています。

クリスマスリースがかかったドアの呼び鈴を鳴らすと奥さんのマルシアさんが

出てきて、思いがけない突然の来訪者に驚きながらもにっこり微笑んで

私たちを家の中に招き入れてくれました。

 

広いリビングには天井に届くくらいのクリスマスツリーが飾られ、

大きな窓からは青い海が広がっているのが見えます。

 

             

             ソレルとクリスマスケーキのティータイム

 

 

セレスティンさんと娘のマリアさんもリビングに来て、

「メリークリスマス」とニコニコしながら私たちに言いました。

 

マルシアさんがグラスに入った赤いソレルと

ドライフルーツケーキを出してくれました。

「ソレルジュースはクリスマスのお祝いの飲み物だよ。もう、飲んだ?」

とセレスティンさん。

 

ソレルをセレスティンさんが種から育てたもので作ったのだと聞き、

本格的なソレルを味わえて感激しました。

 

セレスティンさんは早速庭からソレルの花を摘んできて、見せてくれました。

赤紫の肉厚の花で、中央の種の部分を切り取ってから、鍋にソレルと水を入れ、

30分近く煮だすと綺麗なソレルジュースになるのだそうです。

 

        

         ソレル

 

ケーキはドライフルーツがたくさん入っていましたが、ラムレーズンはないので

安心して、一切れ全部頂きました。

 

セレスティンさんの家ではクリスマスディナーのメイン料理は

良く煮込んだビーフシチューだそうで、私たちにもそれをタッパーに入れて

今日の夕食にと持たせてくれました。

 

24日は兄弟家族が皆集まってクリスマスパーティーをし、

今朝はセレスティンさんの両親宅を訪れてクリスマスの挨拶。

明日はスフレに住むマルシアさんの両親と共にクリスマスを祝うそうです。

 

セントルシア流クリスマスは両親や兄弟姉妹家族とクリスマスパーティーを

何度もするのは日本の新年のあいさつ回りに似ているかのようです。

クリスマスの時期はパーティーが目白押しですが、家族の絆をとても

大切にしているセントルシアの人たちです。