思わぬアクシデントを味方に付ける教育法 | 恵翠(けいすい)書道教室

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三週間前のレッスンで、小4のA君がふざけて小5のB君の手をドアに挟めて怪我をさせてしまった。小6の女の子数名と小6の男の子がA君をあおったことにも原因があったと思う。

左手の親指だった。利き手でなかったことが幸いだった。ただ出血が酷く、すぐに消毒をしたのだが傷が深くて血がなかなか止まらなかった。

30分ほどして、小4のA君のおばあさんがお迎えにやって来た。私は、事の一部始終を話し、小5のB君怪我の様子を見てもらった。

おばあさんはショックで青ざめた表情になり、小5のB君のお母さんが迎えに来るまでここで待たせて欲しいと言われたのでそうしてもらった。

それから20分ほどして、小5のB君のお母さんが迎えに来た。小4のA君のおばあさんは、何度も深々と頭を下げ謝罪し、掛かった医療費を請求してくださいと話していた。A君は、自分が大変なことをしたと思ったらしく、こわばった表情でその様子をじっと見ていた。そして、何度もB君とB君のお母さんに謝っていた。

このB君、全く落ち着きが無く、上手くなりたいという向上心に乏しく、なかなかお手本を見て書いてくれない。そのためヘタ字から脱出できないでいた。なかなか級が上がらず、昇級の成績表には、一番ビリが彼の定位置になっていた。

私がどんなに指導法を駆使しても、なかなか効果が出ずに悩まされていた。以前に、この子と大変似たケースの男の子がいたが、母親が教師でプライドが高く、そのことで医者と激しく喧嘩したと聞かされたこともあって、良いことしか報告できなかった。硬筆はなかなか上がらなかったが、毛筆は、何度も写真版に載るなどの活躍はしたのだが、学習塾に入れるとのことで、お習字を突然やめてしまった。私は彼のために何もできず、後悔だけが残った。

その子もそうだったが、A君とも、教師(私)との信頼関係はしっかり築けていて、どちらの子も、塾に来るのが楽しくてしょうがないようだった。二人共、インフルエンザ以外では休んだことがないのである。ただ、道徳的な言葉によるアプローチはほとんど役に立たず、非言語によるアプローチは無いものかと研究しては何度もアプローチを繰り返した。しかし、あまり有効な方法が見いだせないでいた。


さて、翌週のことである。A君は別人と思えるほどに変わったのである。人間として大きく進化したと思えるほどであった。周りがどんなに騒いでも、彼は口をぐっと閉じて、ひたすら書道に打ち込んだのだ。するとどうだろう、彼の書いた字は、それまでの2倍どころか、10倍も良くなったのではと思えるほどに変貌したのである。その翌週も、彼は真面目にお習字に取り組んだ。

私は、彼が怪我をさせた時、激しく怒らなくてよかったと思った。静かな口調で、どうして怪我をさせたのか状況の説明だけさせるに留めた。そして、B君の傷の手当てに集中したのである。

滝沢教室では、子供たちにせがまれて、休み時間に塾のあるアパートと隣接する空き地で遊ばせることもある。その際に、すり傷等の怪我をする子が多いので傷の治療のための一式を切らさないようにしている。ただ、道路には出ないように厳しく指導と監視をするようにしている。

こうなるとアクシデントは素晴らしいチャンスになるように思えてきた。こういう子の場合、個人レッスンでやるより、大勢の中でいろいろやった方が良くなるためのチャンスが訪れるのかもしれないと感じられた。

この子が良くなることで、こういった落ち着かない子への指導について、かなり自信が持ててきた。前もって計画を立てて行えるような指導法ではないが、マニュアル通りとかシナリオ通りというものではなく、自然の成り行き(チャンス)を味方に付けるやり方が、とても有効な教育法なのかもしれない。




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北光 鳴雪支部(盛岡市みたけ)