娘たちへの誕生日プレゼント | 心のこさず~膵臓がんになった私の闘病と日々のこと

心のこさず~膵臓がんになった私の闘病と日々のこと

2023年8月に膵臓がんの診断を受けました。50代2児の母です。
闘病や日々のことを書いていきたいと思います。

いつか私が旅立ってから3年間、娘たちの誕生日にプレゼントを贈りたいと思っていました。


まだ先のことと思いつつ、ゴールデンウィーク中の平日、娘たちが学校に行っている間にプレゼント探しに出かけることにしました。

休みで家にいた夫とプチデートも兼ねてショッピングモールへ。


数年先の流行りも、娘たちの好みも分かりません。

形見というような重いものではなく、ちょっとしたサプライズにしたかったので、あまり高価なものは考えていませんでした。

例えばハンカチとかポーチとか、身近に置いて使えるもの。

または失くしても惜しくない程度のアクセサリーなどです。


まずは数軒のアクセサリーショップを物色。

オモチャのようなものから金やプラチナまで、じっくり見させてもらいました。

実際に見てしまうとやはり…本物は素敵です。


休憩を挟み、悩みに悩みました。

夫に意見を求めましたが、案の定、「全然分からない」の答え。

でも思い立ったときに買わないと、次にいつ行動できるか分かりません。


悩んだ結果、予定よりずっと高価な18金のネックレスを買うことにしました。

これは3年目のスペシャルです。

2年目にはそれより少し安価でカジュアルに着けられるブレスレットとポーチ、1年目にはハンカチと、以前にネットで見て可愛いと思った安価なネックレスを用意することにしました。


考えがまとまったら、いざ、行動です。


先ほど見た中で最も高級なアクセサリーショップに戻り、本格的に商品を選ぶことにしました。

気になった商品を次々にビロードのトレイに並べてもらいます。

店員の方も、娘たちへの誕生日プレゼントと話すと、とても親切に対応してくださいました。

もちろん、私が旅立った後の、とは言いませんでしたが…


私自身は、ブランド品や高価な貴金属にはあまり興味がありません。

滅多に体験できないマダム買いに、ちょっと浮かれてしまいました。


最終的にいくつかの候補が残りました。

店員さんが鏡を向けて、試着を勧めてくださいます。

でも私の痩せて萎んた肌の上に乗せても、何だかイメージがわきません。

そこでショップで一番若い店員さんにモデルをお願いすることにしました。


若い店員さんの胸元でキラキラ光るネックレス。

とても美しく、すぐに心が決まりました。

私が選んだのは、18金ゴールドのアーチデザイン。そして18金ホワイトゴールドのホースシューデザインです。どちらにも小さなダイヤがあしらってあります。

ゴールドは次女に、ホワイトゴールドは長女に選びました。

またブレスレットはそれぞれ10金とシルバーの普段使いしやすいデザインのものにしました。


終活の一環なのですが、悲愴な気持ちではなく、娘たちの驚いた顔を想像してワクワクしています。

あとは夫が忘れずに毎年渡してくれることを願うばかりです。


娘たちがあのネックレスを着けた姿は、見ることができないかもしれません。

そう思うと、若い店員さんに試着してもらって本当に良かった。

数年後、あのネックレスが、より女性らしくなった娘たちの胸元を飾る様子を、先取りして見せてもらった気分です。

目に焼きつけておこうと思いました。