いざバルセロナ | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月23日


まだ誰も起きてない朝5時半、そーーーっとベッドを抜けて出発の準備。
巡礼中なら既に出発の準備をしている人もいる時間だけど、ここサンティアゴでそんな人は皆無だった。

そして結局最初から最後まで使いとおした壊れた寝袋ともここでお別れすることに。
もうしばらく寝袋を使うような旅はしないだろう。
アルベルゲで捨てていこうと思ってたけど、もう愛着があり過ぎ。とても自分でゴミ箱に捨てるなんてできなかった。
忘れものではないということがわかるようにメモをつけて、横の壁に立てかけておいた。


ありがと!


6時過ぎ、アルベルゲを出発。
ここは玄関がカードで開閉する仕組みだったから、朝早い人はカードを受付に置いて出て行くようになっていた。


快適で楽しい時間を過ごすことができました。


大聖堂に、最後の最後のお別れ。


散々お世話になったツーリスト・オフィスも。


空港行きのバス停は旧市街を抜けてすぐの場所にある。
既に何人もの人が並んでいたおり、巡礼もいればそうでない人も。
全く顔見知りでもなんでもない巡礼でも、格好を見ればそうとわかるからそれだけで親近感を感じてしまう。


まだ暗い中、30分くらいでバスは空港に到着。

空港に着くと迷いながらも搭乗ゲートと時間を確かめて、空港内のカフェで朝ごはん。デニッシュもオレンジもやっぱり美味しかった。

時間になり、チェックインの列に並ぶ。これが相当な列。
一体何十メートルあるんだ・・・と思いながら待っていると、スタッフの人がひとりひとりのチケットをチェックしはじめた。
私が昨日アルベルゲのプリンタで打ち出したEチケットを見せると、あんたこっちの列じゃないよ、とばかりにその長~い列から連れ出し、その横の数人しかいないスペースに移動させられた。
これは?

どうやら、私はすでに搭乗手続きまでできてるようだった。そういえば昨日ラインエアーから来てたメールにそんなこと書いてあったような?よく理解してなかったけど、並ばなくていいならラッキー♪


そして早々に機内へ。サンティアゴ発バルセロナ行き、FR6333便 8時35分発。


これかー!初・LCC


どんなモンかとドキドキしてたけど座席も普通だったし、ちゃんと定刻通りに飛んだ。


いくぞバルセロナ!


巡礼の街を離れるのは寂しいけど、気の済むまで歩き通したから後悔はない。
今度は大好きなガウディの世界にどっぷり浸ろうではないか♪



大西洋から地中海へ。


予定通り、10時20分にバルセロナの空港に到着。

機内に預けていた荷物を受け取ったあとは、空港内のツーリスト・オフィスへ。
街中の地図と観光案内(なんと日本語!)を受け取った。

とりあえず予約しているオスタルに向おうと思い、市内行きのリムジンバスに乗り込む。

そこで隣の席に座ったのがすごく気さくな女の子で、おしゃべりしつつ出発。
バルセロナで夏休みを過ごすために家族みんなでやってきたらしいのだけど、私が1ヶ月以上かけて巡礼路を歩いてきたことを話すと興味深々でいろいろ聞いてくれた。どこの国からやって来たのか、もう忘れてしまったけどお母さんもその子も頭にスカーフを巻いていたからきっとムスリムなんだろう。ちょっと見たことないような、とっても上品な感じの一家で印象的だった。イスラームの世界はディープそうだし興味深いからいずれ訪れてみたい。


リムジンバスを降りると、バスと飛行機に疲れたカラダに心地いい風があたって気持ちよかった。
どうやら降りるバス停を間違ってて私の泊まるホテルとはだいぶ離れていたようだけど、せっかくだから地図片手に歩いていくことに。
知らない街にやってきたワクワクでもうテンションは急上昇。まだ何を見たという訳でもないのに、なんというか、この街に来て正解だったと感じた。


私が予約したオスタルはバルセロナの旧市街、カタルーニャ広場から海岸に向けて延びるランブラス通りにあった。



それはそれは、にぎやかで華やかな通り。


その華やかな通り沿いの、古いビルのワンフロアがオスタルになってた。
シャワー・トイレ共用の部屋もあったけど、巡礼仲間から「友達がバルセロナでちょっと目を離した隙に荷物を全部取られたんだよ、気をつけて!」なんて聞かされてたから、用心して普通のシングルルームを選んだ。


こじんまりしてるけど、清潔感があって居心地ヨシ◎


荷物を置いて身軽になったら早速地図とカメラを持って観光へ♪


宿から少し歩いたところに、ガウディの傑作『グエル邸』があるのだ。
ガウディ♪ガウデイ♪


あっという間に到着。


入口はこんな感じ。曲線ヤバっっっ


チケットを買って中に入ると、まず地下へ。



なにここ!?天井カッコ良すぎ・・・。


他にも心揺さぶられるポイントがたくさん。



窓の格子に遊び心があったり、


出窓がなんか変だったり。


吹き吹けの天井に驚愕したり。


広い屋敷をぐるっと見てまわったあとの屋上はまたすごかった。



なにココ・・・


ひとつひとつのモザイクがたまらなく可愛い。


私が引っ越し先の部屋を選ぶ条件といえば、キレイで~そこそこ収納があって~、とかだけど、金銭面が許すなら一生に一度くらいこんなワクワクする家に住んでみるのもいいかもしれない。


グエル邸の屋上から見える風景は、こんなどこにでもありそうなビル郡。


グエル邸がいかに奇抜かよくわかる。


1時間くらいかけてじっくりグエル邸を堪能した後は、バルセロナの旧市街の中でも最も古い地域、「ゴシック地区」と呼ばれるあたりを心向くままに散歩。とにかく、どこを歩いても絵になる場所ばかり。


ランブラス通り~サン・ジャウマ広場への道。


ため息橋っぽい!

っと思って帰国後、ため息橋(ヴェネチア)の写真をネットで探したら全然違ってました。


小さな路地が多い。


街角で演奏するおじさん。

ヨーロッパでは路上ミュージシャンが市民権を得ている気がする。


しばらくウロウロした後は水路沿いの細い路地にあったショコラ・カフェでひと休み。

名前は忘れたが、このチョコレート専門のカフェというのが、日本でいう明治とかロッテみたいな位置づけ(と、私が勝手に思ってる)お菓子メーカーがやってるカフェで、ここの板チョコには巡礼中もたまにお世話になってたから、このお店を見つけたときは迷うことなくドアを開けましたよ。


このチョコドリンク、激ウマだった。

他のメニューも片っ端から試したい気分だったけど、なんとか気持ちを落ち着けてお店を出ました。



この目立つ建物は一体!?

と思って地図を見ると、カテドラル(大聖堂)だった。

ガイドにも必見だと書いてあったので早速中へ。





大聖堂の内部は、いかにも大聖堂といった感じで(なんだそりゃ!)見ごたえたっぷり。
教会といえども完全に観光スポット化している上に人も多いので写真も撮り放題。

ただやはりというか、聖堂内にずらっと並ぶ長いすのひとつに腰掛けてひと息つくと
巡礼路にいるような心持ちになるから不思議です。


中庭。南国風やな。


このカテドラルにはなんと屋根の上に展望台でまでありました。もちろん登りますとも!


こういう通路が設けられていました。


下から見上げているだけではわからない部分も見れて楽しい。


街を眺めるのも気持ちいい。


カミーノを歩いていたときは茶色や赤色の屋根の民家が並ぶ風景が続いていたけど、全然違う。
むしろ同じ国なのか怪しくなるほど違う。空気感とか、何もかも。


展望台から下りた後はまた街歩き開始。


いつ何時もイベントが行われていた広場。


市庁舎。ツーリスト・オフィスもありました。


ふと目について入った教会、サンタ・マリア・ダル・マル教会。
カテドラルほどは観光客もおらず、落ち着いて見学できた。女性的で優しい雰囲気の教会。


路地に路地が重なり合うような旧市街に迷い込むように歩く。
地図も時計も大して見ずに。
あぁ、時間に余裕のある旅って素晴らしい。。


味のある雑貨屋がひしめく、少し薄暗い通りから1本向こうの通りに、すごい行列の人が見えた。
なんだなんだと行列の先頭までいくと、その正体は『MUSEO PICASSO』(ピカソ美術館)だった。

ピカソってあのピカソ!?ゲルニカの!?すっごー!
そのピカソの美術館、普段は大人11ユーロ(1400円!)くらいするところが、この日は無料だというのだ。これは入らなくてなるまい。

行列に並ぶ前に、少し離れた場所にあったお店でアイスを買ってから並ぶ。
このチョコレートアイスがまた美味しく、二段重ねにしてもらわなかったことを後悔するレベル・・・!!
うっまーいっっっ

私がアイスを食べていると目の前に並んでいた家族連れのチビっこが私の方を見て、チョコラ~っっとかなんとか言いながらお母さんにおねだりしだした。ま、まずい・・・
お母さんはアレコレ言いながら子どもをなだめて、グミのようなものを渡していた。
言葉はわからないけど言っていることは分かる。スミマセン。


美術館は入場人数を制限しているようで、アイスを食べ終わっても行列はなかなか進まない。
明日はどこを回ろうかな~と観光ガイドを見ながら考えたり、人間ウォッチをしたりしつつ、美術館に入れたのは1時間以上並んだ後だった。

ピカソ美術館は・・・思っていた以上に良かった。というか、ものすごく良かった。
全く失礼なことけど、私はピカソといえばなんだかよく分からない抽象的な絵を描く人というだけの印象だった。
うまく言葉にはできないけれど、ピカソのあの感じもすごい技術の上に成り立っているものだったのかもしれない。
こんなんタダで見せてもらっていいの!?って何回も思いながら、じっくり鑑賞。
結構広い美術館だったけどひと周りでは飽き足らず、2周目に突入したくらい。

美術館を出たあとは、若き日のピカソもこの道を歩いたりしたのかな~なんて考えながら、ますますこの街の散策が楽しくなった。
(ピカソはスペイン南部の生まれで、10~20代をここバルセロナで過ごしたらしい。それもこの日初めて知った。)


ピカソに時間を費やしまくったおかげで、気がついたらもう夜8時前。


雨も降っているというのに、まだまだ夜はこれからだといわんばかりのバルセロナ。


旧市街に不似合いな色のミニたち。


このセンスはなかなか。


すごい人の広場。
だれも傘なんかさしてない。


ピカソ効果かいつまでも元気な私だったけど、さすがに夜10時が近づき宿に戻った。

オスタルのカウンターでドライヤーを貸して欲しいとお願いすると、「なんで?」と。

あ、貸し出しはしてないのかな?

「ドライヤーを持ってきてなくて。借りれますか?」

「君は今から何をするの?」

「シャワーして寝ます。」

「なんで!?」


・・・この兄ちゃんは何を言っているのか?ドライヤー貸して、って言ってどうして why が返ってくるの?(涙)


「バルセロナの夜はこれからだ!バルセロナっ子は今から街に繰り出して、家に帰るのは何時間も後だ。君は寝てしまうの?信じられない!」

そういうことか(笑)


その兄ちゃんの言うとおり、私が寝ようとしても外の喧騒は増すばかり。
ワイワイガヤガヤどころかついには爆竹みたいな音までし始めた。
しかも花火まであがってる!?
一体外はどうなっているのか、私の部屋の小窓からでは確認しようもない。

恐るべしバルセロナ。





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