ひと休み〜ペリグリーノ最後の日〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月22日


朝起きると、雨。
フィステーラの道を歩いてて快晴は結局昨日の午後だけだった。
夕日を見られたのは本当にツイてたんだなぁ。

もう少しこの街にいたかったけど雨降りじゃ仕方ない。
早々にサンティアゴに帰ることに。
イーさんやT川さんもその予定のようで、一緒のバスに乗ることに。

バスの時間までバスターミナルの前のバールで朝ごはん。
今度は乗り物酔いしないよう、しっかり酔い止めを飲んでスタンバイ。

時間になると、バスは歩き終えた巡礼たちで満員となりスタート。
隣の席のおじちゃんと会話しつつバスの旅。
おじさんが大量に買っていたサクランボをつまみながらスペインのおすすめ観光スポットのレクチャーを受けたり、
彼の故郷メキシコについて熱く語ってくれるのを聞いたり。

途中までは楽しく会話できていたんだけど、1時間くらいで、なんだか気分が悪くなってきた。
ヤバイ・・・


すると良いタイミングでバスが休憩タイムに突入。
どこかの街のバス停のようだ。
まわりに売店なんかもあったから、巡礼たちはそれぞれに時間を過ごす。
私も外の空気に触れて、ひと安心。

すると、同じバスに乗っていたらしいリョネラとドミニカが!!
オルベロア以降は全然違うルートを歩いていたのに、またここで会えるなんて嬉しい限り!
ドミニカと話していると、彼女が「これをあげるね!」ってモスクのようなものが描かれたコインのようなもの(なんせ見たことないものだった)をくれた。
とってもキレイだったから、いいの?って聞いたら、いいよって。メルシーボク!
大切にするね。


またバスに乗り、揺られていると今後こそ本格的に気分が悪くなってきた。
バスは2時間半くらいと聞いていたから、「もう少し、もう少し」って自分に言い聞かせながら耐える。


バスはようやくサンティアゴのバスターミナルに到着。
たった3時間。歩いて4日の行程が、たった3時間。それなのに、私にはこの3時間の方がよっぽど長く感じられた。
日本だったら99パーセント大丈夫な酔い止めがここスペインではカタ無しとはどういうことか。
やっぱり40日以上も乗り物に乗っていないと身体が文明のスピードについていけないんだろうか(涙)


巡礼仲間に心配されたり、「つわりかー?笑」とか冗談言われつつ、お別れ。
しばらくバスターミナルのバス停でぐったり休憩して、ここからまた、旅のスタート。



大勢の人が行き交うバスターミナル。


外観はちよっとうら寂しいけど、中にはきれいなカフェテリアや売店があって充実している。


もうお昼前。
4日前に荷物を預けて予約しておいたアルベルゲへ移動だ。


今回のアルベルゲ、料金を聞かずに予約していたら・・・なんと、
一泊20ユーロ!! チーン。。。

マジか!!笑
今までで一番高かったアルベルゲ、一泊12ユーロの記録が最後に爆アゲ。
ただその分、立地は最高。清潔で何もかもが快適だったけれども。


落ち着いた後はサンティアゴの大聖堂にただいまのご挨拶。



今日もにぎやか!


まず向ったのは、明日から着る服の調達。いつまでもアウトドア仕様じゃいくまい。
とりあえず旧市街を抜けてすぐの場所にある『ZARA』へ。
最近は日本にも進出しているらしいこのブランド、なんと本拠地はここスペインのガリシア州なのだ。

スペインでは日本のユニクロくらい定番で、しかも安くてオシャレ、なんて聞いてたからわくわくして行くと、バッチリ期待通り!
デニムとかシャツとかが10~20ユーロくらいで可愛いのがいっぱい。しかも夏セールで安くなっとる~っっ
すっごく悩んで、トップス2枚とデニムを1本お買い上げ★

あ~、久々に女子らしい買い物したわ。



この服ならこういうデートも!?笑


ZARAを出た後、ふと思いついて一週間前にお土産を買っていた雑貨屋さんへ足を運んでみた。
この雑貨屋さんは少し高めだけど素敵なものがいっばいあって、アンドレアへのプレゼントもここで買っていた。
その時に自分用の分も選んでいたんだけど、一番欲しかったものが品切れしていて買えず、悩んで別の分を買っていたのだ。
(ボタフメイロとか大聖堂とか、巡礼グッズとか、いろんな巡礼アイテムが透明なガラスの中に白い砂みたいなので立体的に作られて埋まってる。観光地にたまにあるお土産だけど、アレはなんていう名前なんだろう・・・。ここのは白い砂の部分がすごく繊細な 感じで空期感まであり、素敵すぎた。そして高かった。)
それが!
あの時一番欲しかった分が入荷してるー!!


ダッシュで宿に戻って服を置き、今度はあの時買った物とレシートを持ってまたさっきの雑貨屋へ。
お店のおばちゃんは一週間前にガラスケースの前で悩みまくってた私を覚えていてくれたのか、私が持っていた品物をみるとレシートもみずに希望の品物と交換してくれた。「もちろんOKよ!よく戻ってきたわね」って。超笑ってくれて、すごくキレイに包んでくれた。あぁ、戻ってきて良かった。。。


もう大満足で店を出た後は、歩いてみたかった大聖堂の博物館の回廊へ。



こんな場所から。


おおっ
この日のオブラドイロ広場でも何やらデモが行われており、ガヤガヤしてた。



屋根の上を歩くツアーは逃したけど、この景色もなかなかでは♪


人もほとんどおらず、ゆっくり見た後は大聖堂の中に入ってヤコブ様にここまでの旅の無事を感謝。
困ったときにはいつも助けてくれる誰かが現れたし、天気の悪い日が多かった巡礼中も大切な最終日(大聖堂についた日とフィステーラについた日)には最高の青空をくれた。人見知りの私にも素敵な巡礼仲間と思い出がたくさんできた。もう神様の力か何かとしか思えん。ありがとうございました!!



ボタフメイロも見納め。


大聖堂を出てオブラドイロ広場に戻ると・・・

I上さん!!!


数少ない日本人巡礼仲間っっっ
フランス人の道中盤(16日目)にお会いして一緒に歩いて以来!!

もうここまでイレギュラーの日程だと顔見知りに会うこともないだろうと思ってたのに、まさか。

『巡礼事務所かオブダロイド広場にいけば仲間に会える』

もう絶対に間違いない・笑

私のア・コルーニャへの旅を挟んでのフィステーラへの巡礼は、いろんなタイミングを合わせてくれたのかも。仲間との再会に、フィステーラでの奇跡的な晴天と日没。
なるようになってるんだなぁ。

I上さん夫妻とワイワイ話しながら、記念写真を撮ってお別れ。



私の再会シリーズのラストでした。


そしてもうひとつ、気になっていたスポットを目指す。
『Mosteiro de San Paio de Antealtares』


日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が出発している『聖地・サンティアゴ巡礼』という公式ガイドブック(カミーノ初心者にはとてもありがたい存在だと思う)があるのだが、その中に「サンティアゴの名物『タルタ・デ・サンティアゴ』というケーキは街中どこにでも売られているが、修道女手作りのものは全くモノが違う」というようなことが書かれていた。
甘いものには目がない私としては、どうしても手に入れたい。
一週間前に訪れたときには修道院が閉まってて断念していたんだけど、今度は本気です。笑


修道院の入口から入るとシスターが迎えてくれて、まず教会。


自分以外誰もおらず、シンとしてる。

この静けさは本当に大好き。
いつまでも座ってられるわ。。。。


その他に博物館的な展示スペースも少しあったが、見学もそこそこに(コラっ)、ケーキ♪ケーキ♪と奥に進むと売店が。もしやここで買えるのかしら、、とお姉さんに尋ねると、「あ、それは反対側のドアね。ベルを鳴らしてね」って。・・・ 了解!


反対側、と簡単に言いましてもサンティアゴの旧市街は大聖堂を中心に道がカタツムリのようにくる~っとなってて、どこまで歩いたら「反対側」なのかがよくわからない。
少し歩いたところにまたドアがあったから、中に入って呼び鈴を鳴らしてみると、5メートルくらい上の窓から修道士のような格好をしたおじさんが顔を出して、「ケーキはあっち!」って。失礼しました・・・。


そして辿り着いたのがこの小窓。



三度目の正直で呼び鈴を鳴らすと、鉄格子の窓の向こうからおばあちゃんシスターが登場。
厳重やな!
「オラ~、ティエネス、タルタ?(ケーキありますか?)」って聞くと、Si!って大きなタルトのケーキを持ってきてくれた。カットしたのは無いみたいだったから、思い切って丸ごと一個購入。12ユーロくらいだったかな?

シスターに、「どこから来たの?」って聞かれて、日本からですと答えると、うんうんとにっこり頷いてくれた。いい笑顔。。
看板も何もない、鉄格子の小さな小窓でシスターから買うケーキ。なんかドラクエっぽい。


あとはケーキ片手に、明日の朝空港に向うためのバス停の場所を下見 したり、ATMでお金を下ろしたり。



ぶらぶら。


この通りは皮のバッグの露天が続いてた。
結構かわいいのもあったけど、なぜか買わず。今思えば明日からの観光用に買っておけば良かった・・・。


歩き疲れてアルベルゲに戻り、コーヒーをスタンバイしてケーキを開封!


じゃーんっっ


いそいそ切り分け。


中もぎっしり。

ずっしりと重いこのケーキ。
アーモンドのいい香りとしっかりした甘みがいい感じ。
甘いけど、クドクないから結構バクバクいける。


でもさすがに全部はひとりで食べられないから、同じリビングでくつろいでたもうひと組のマダム達に声をかけてお裾分け。
残った分もキッチンのテーブルに「ご自由にどうぞ」的なカンジで置いておいた。

後でリビングに戻ったら、美味しかった!どこで買ったの!?っていろんな人に声をかけてもらえた。きっと世界共通の美味しさだったに違いない★こんなに好評ならもう1ホールくらい買っとけば良かったな~。
このアルベルゲ ではコーヒーも紅茶もちょっとお洒落で良さそうなやつ(ティーメーカーで一杯ずつ入れる)が1杯何セントかで飲めるようになってて充実のティータイムが過ごせるのだ。


ちなみにベッドルームはこんな感じ。


マットが超ふかふかだった~っっ

一段分の高さがあるから、座っても腰が痛くない。
大人数の部屋だったけど、ゆったりベッドが置かれてたせいか、狭苦しい感じはなかった。


共有スペースもだれもいない早朝に撮影↓


みんなが寛いでたリビング。


広々キッチン。でも誰も自炊してなかった・笑


シャワー室とか水周りもきれいで、wifiも使えました♪

オブラドイロ広場から歩いて3分!
『Munndo albergue』
ひとり旅なら旧市街の雰囲気を味わいつつも、静かな裏通りにある綺麗なこのアルベルゲはオススメ。
オスピタレロも親切なイケメンのお兄さんでした。
アルベルゲとしては高いけど、フィステーラへ旅立つ前に快適な宿を予約しておくというのもアリだと思います。


1週間前にサンティアゴにいたときはオスタルで過ごしてたけど、最後またアルベルゲに泊まったのは正解だった。
何よりペリグリーノ(巡礼)としての寿命が延びた気がする。さらにここサンティアゴのアルベルゲでは、当然ながらフランス人の道以外を歩いた巡礼とも話す機会がちらほら。

私のベッドのまわりの巡礼たちは、巡礼の間での定番の質問「なんでカミーノを歩くことにしたの?」に対して「気がついたら歩いてたんだ」とか「自転車で走らずにはいられなかったんだよ」とか、若者ばかりだったのもあるのか?とにかく衝動的にこの道に来た人ばかりで面白かった。後先考えずに飛び出す感じに親近感を覚えずにはいられない。

中でもポルトガルの道を歩いた巡礼、レミが語るその表情がすごく良くて、話す内容はほとんど理解できなかったものの、とても充実したいい巡礼だったんだなと感じた。
私に次の巡礼があるなら、次はポルトガルの道(カミーノ・デ・ポルトガル)かな。


何年か、何十年か先の2回目の巡礼に思いを馳せつつ、就寝。



また戻ってくるけんねー!