新・巡礼4日目②〜夕日が沈む街で〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月21日(フイステーラ到着後)


フィステーラ公営アルベルゲ⇔灯台 (往復 7km)


案内されたベッドルームに荷物を下ろしてひと息。

ここでも同室の巡礼仲間から「やったね!」って声がかかって、また嬉しい気持ちが込み上げてくる。
アルベルゲ全体の雰囲気が明るく、開放感に溢れている。


お兄さんがアルベルゲの説明をしながら、夜9時からみんなで海岸に行って夕日を見にいくよ、来るでしょ?って。
キャンプファイヤーっぽいのをするらしい。
なんか楽しそー♪


窓際のベッドを選び、貴重品だけ身につける。


そう、今日はアルベルゲの向こうにもうひとつ目指す場所があるのだ。

『Faro de Finisterre』 (地の果ての灯台)

ここまで来て、この灯台に行かないわけにはいかないのです。


この灯台の元から大西洋を臨んでこの巡礼の旅の仕上げといきましょう。


なにか飲むものを買おうとアルベルゲの近くのスーパーに立ち寄ると、あの韓国の男の子!
とっくに灯台まで行って帰ってきてこれから夕食らしく、一緒に作るー?って。さすが早いな!
と、言ってももう夕方の6時前。私が断然に遅い方なのだ。
これからまだ灯台まで行くんよ~、って話して、カス・オレンジ片手に出発。


路地の入り組む味のある街中を通り抜けると、左手に真っ青な海が。


うわ~っっ


青い。
圧倒的に青い。

ア・コルーニャで見たときよりも、昨日のムシアよりも、今まで見たどんな海より、輝く青さ。



こんな景色を見ながら歩けることが嬉しくてたまらない。


途中、マドリードから来た巡礼の男性と一緒になり、おしゃべりしながら進む。
お互いテンションが高めだったので、「カミーノは最高だね!」みたいな内容だったんだけど、その中で
「Erikoは巡礼中に恋人や友達はできた?」って。
それがものすごく面白い友達ができたんだよってアンドレアの写真を見せると、なんと、
「あ、彼女を昨日サンティアゴで見たよ!すっごい細くて、すっごい短髪だったから覚えてる」って。
なぬー!!

たしかアンドレアは昨日の飛行機でサンティアゴを出発して帰国の予定だったはず。
彼女のことだから、このフィステーラの道も、その後の旅も満喫したに違いない。


そのすぐ後、前からT川さんとイーさんが。
どうやらT川さんとイーさんもムシアを出てすぐ道に迷ったらしく、到着がこんな時間になってしまった様子。
すっかりクタクタの様子だけど、2人も無事ここまで来れて本当に良かった。
灯台は遠いよー!っておどされつつ(笑)私も先を目指す。
また後でねー。



巡礼像。
強風に立ち向かっているのか、それとも痛めた足を引きずっているのか。。

灯台までは登り坂だけど、やはりザック(9キロ!)を下ろした身体は軽い。


アルベルゲから歩くこと40分。



ついたー!


残り0.00km。カミーノ・デ・フィニステラ、終了。感慨深い。


と、いうことはこれが灯台!?
なんか思ってたのと違う!笑


建物(灯台?)の向こう側に周ってみる。



階段を下りると・・・



おおっ



すっごー!
なんじゃこりゃ。

昔々「地の果て」なんていう呼び名がついた理由がわかるな。




サンティアゴの大聖堂の前に立ったときみたいに、目の前の景色に圧倒されてぼんやり。


まわりにはたくさんの巡礼、そして観光客。みんなそれぞれ記念写真を撮ったり、おしゃべりしたり。


岬のまわりには、巡礼が置いていったであろう靴や、燃やした後の衣類などが。
(かつては歩き終えた巡礼が、履いていた靴を海へ投げたり、着ていた服を燃やしたりしたのがはじまりとか)


なかにはこんなものも。


私に捨られるものはないから、せめてここまで頑張ってくれた靴の写真を。


まさかこんな場所まで来ることになるとは!笑


すっかりぬるくなったカス・オレンジを飲みながらいつまでも岬でダラダラしてたけど、あんまり遅くなったら帰りが危ない。


灯台の中に入ると、中はちょっとした博物館みたいな感じになってた。
その博物館の中ではこの地を訪れた著名人たちがパネルで紹介されているブースがあったんだけど、その中になんと日本人のパネルが。


その日本人は、『LEO ESAKI』 と 『EI-ICHI NEGISI』 私の中では、誰だっけ!?って感じだったんですが、帰国して調べてみたところ江崎玲於奈さん、根岸栄一さんともにノーベル賞を受賞してるすごい方だったのです。

なんとも誇らしい気持ちになり、灯台を出発。



帰りますかー。


のんびり歩いて帰ると、アルベルゲに戻ったのは夜8時前。
28km歩いたあとの、往復7km。
最終日にして、1日最高距離を記録。


やや疲れ気味のところに、既にアルベルゲに到着していたT川さんから、「スイカ一緒に食べよ~!」っていうなんとも嬉しいお誘い。
スイカは日本のと違ってラグビーボールみたいな形だったけど、味は一緒!
美味しかった~っっ

リビングでスイカを広げていると、どんどん人が集まってきて盛り上がる。
日本語と韓国語と英語がごちゃまぜに飛び交う。
唯一、全部理解できるイーさん(←ありがたすぎ。)を通訳に、楽しいひととき♪
みんなムシア~フィステーラ間のルートには興味深々みたいだった。


9時くらいになって、夕日ツアーに参加する巡礼たちが集まりだした。
私も参加しようと思ってたけど、すでに超・ハイテンションの参加メンバー達に気後れしてしまい断念。
こういう時一緒にハメを外せたらいいんだろうな~。


うん、夕日はひとりで静かに見るモン!ってことで。

アルベルゲがある側の海岸は東側なので、夕日を見るには西側に行かなくてはならないらしい。


私はアルベルゲの裏手の高台から見れると勝手に予想。


出発!


こんな誰もいない道で夕日みれるんかな・・・思いながら、
静かな、なかなか良いスポットを発見。

私の他に3人くらい人がいたものの、落ち着いて夕日を眺めることができそう。



買ってきたトニックをお供に、夕日が沈むのも眺める。




中世では、この最果ての地は「生と死の境い目となる場所」と考えられていたそう。
巡礼を終えた人たちは、海で身を清め、着ていた服を燃やし、西の果てに沈む太陽を眺めて古い自分に別れを告げたということだ。

私は何も変わっていないかもしれない。
けど、未練たらしく(笑)また巡礼路に帰ってきて良かった。もうホント、ここまで歩いてこれたことに、感謝。感謝。ありがとう!!
送り出してくれた家族に。巡礼仲間たちに。日本から応援してくれていた友人に。そして危険な目にあわずここまで旅できたことに。
ありがとうございました!!







夕日が沈んだ後は、真っ暗になる前に街へ戻る。


急げ~っ




身体はクタクタだけど、なんかベッドに入る気になれず、港町をぶらぶら。


フィステーラは、ア・コルーニャみたいなリゾート感はなく、もっと生活感がある感じ。


お洒落なんだけど、ちょっとくたびれた感じがイイ。


漁船がたくさん。


散歩中に見つけた、入りやすそうなレストラン兼バールでのんびり。
魚と貝の絶品スープに舌鼓を打ちつつ、夜は更けてゆくのでした。




歩き巡礼、これにて終了★





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