新・巡礼4日目〜やっぱり夏が好き〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月21日

Muxia → Finisterre 28km(+7km)


静かな静かな朝。
これからフィステーラを目指す!という人は少なく、『ここで旅は終了、これからバスでサンティアゴに戻るよ~』という巡礼ばかりだった。
落ち着いて旅の終わりを迎えたい、という人にここムシアはぴったりかもしれない。


私は乾いたといえるかどうか微妙な洗濯物を取り込み出発準備。
昨日豆ができてしまった場所にしっかりパッチを貼る。
思えば私の足も長旅の間本当によく頑張ってくれている。あと1日、今日だけだから頼む!

お世話になったT川さん、イーさんにひと声かけて、朝7時、出発。


アルベルゲの玄関が施錠されたままだったので、窓を開けて脱出。


アルベルゲは坂の上にあった。


アルベルゲを出たすぐの場所から、「F→」「M→」みたいな感じでフィステーラ、ムシアそれぞれを示す矢印がある。


ムシアの街を見下ろしながら進む。


気をつけにゃよ。


少し歩いて海岸沿いの道へ。



今日もうら寂しい景色だこと・・・。
頼むから今日は晴れてください。


海岸線を進んでいると、とある場所で矢印が山道の方向を示した。
この矢印が、赤。

一瞬、ん?となったものの、赤のこともあるのかなーと思い、進む。


すると20分後。



えらい山の上に。

ここから山道は獣道に突入し、さすがにこの道はアリエナイのでは?と立ち止まる。

ちょっと悩んだものの、結局来た道を引き返すことに。
すごすごと元の海岸沿いの道へ戻り、先に進んでいると、分岐点にはしっかり貝殻マークと黄色い矢印があった。


これからムシア→フィステーラルートを歩く人に全力で伝えたい。
「巡礼路では黄色い矢印と貝殻マークだけを追いかけて!!地図持参は必須です!!」

私はここで40分もロス・笑
私以外の巡礼も、同じくこの赤い矢印に惑わされて獣道に突入した人が何人か。



ぐったりしながら眺めた海岸。


気を取り直して!


どっちやねーん。。。


こんな山道を30分。。だれとも会わず、音も聞こえず。


ムシア~フィステーラルート間はこんな風に両方に矢印が。



林の中を抜ける。


カミーノ!



遅れを取り戻すためにはペースを上げないといけないんだろうけど、こんな風景の中にいるとどーでも良くなる。
最終日。
だれに迷惑をかけるわけでもない。のんぴりいこう。



十字架の横を通り過ぎ・・・


また林の中へ。

この林の中で、今日はじめての巡礼、韓国人の男の子に会った。
彼も、「今日はじめて自分以外の巡礼に会いました」って。
ムシアからフィステーラを目指す数少ない巡礼のひとりだった。

彼は韓国でカミーノの写真集をみてこの道を歩くことに決めたらしい。
テレビ番組でカミーノの風景に心奪われた私と通じるものがあり、しかも私と同じくらいの英語力だったため、逆に話しやすく一緒にテクテク。
韓国の人の「カタコト英語」は日本人と似ていて、カタカナ発音。
(あ、英語堪能な人は別です・笑)


彼を見送り、ひとりで歩き続けていると少しずつ前からやってくる巡礼が増え始めた。
どうやらフィステーラからムシアを目指している巡礼たち。

軽く挨拶してすれ違う。
ムシアスタート組よりは断然多いけど、それでも数は少ない。
フランス人の道を歩き、ラストのガリシア州のにぎやかさを知っている巡礼からしたらびっくりするくらい静かな道だと思う。


そしてお昼をまわるころ・・・


なんと立派な橋。


前からきた巡礼が川の中を覗き込んで盛り上がっていた。
何かな?と思うと・・・


ん?!

そういえば、フィステーラ~ムシア間は川の中を歩いて超えなければならない箇所があると本で読んだ気がする。
それがここだったんだろう。
今くらいの水位なら余裕でジャブジャブいけそうだけど、冬はキツイだろうな~。


この橋を越えて、少し歩いたところにリレスの立て札!
ようやく中間地点だ。
ここでスタンプをもらうぺく、バールに立ち寄り。ついでにランチも済ませてしまうことに。


お腹すいた~っっ

さっそくチーズ&オムレツのボカデージョを注文。
カミーノに来て、最初は少しで満足だったフランスパンも今ではグラス一杯のドリンクで30センチくらいのも一度で食べきれるように。
クセのあるチーズや水にも慣れてきたし、案外どこでもやっていけるもんだという気になってくる。
ちなみにパスタも200g(日本だと2人前)くらいは余裕。


さくっと休憩して、出発!


カミーノはまた林に入る。


そしてそしてそして・・・



青空!!

きたー!!この空を待ってた!!
カラダはクタクタだけど、なんだかすごく爽やかな気分。

いくぞ~っ


って、ドンドン歩いていると、また道に迷った・・・?!

いつの間にか黄色い矢印もなくなり、ものすごいアップダウンの農道に突入。
ん??

だれかに聞きたくても、人っこひとりいない。

持っているのは昨日アルベルゲでもらった通過する街の名前が書いているだけのざっくりしたマップ(コピーのコピーのコピー、、、といった感じで超見づらい)しかなく、どうやら今いる場所の地名は載っていない様子。


とりあえず農道を登っていると、前から一台の車が!!
天の助けっっっ

手を上げて車に止まってもらい、ここがカミーノなのか聞いてみると、どうやら全然違う場所にいるらしい。マジか。
落ち込みつつも「フィステーラはあっちよ」っていうおねえさんの言葉の通りの方向に歩いてみる。

薄暗いアスファルトの道を進んでいると、リレスの次に通過する予定だった街の名前の標識が。

今日2度目の迷子で、心折れそうになりながらも必死で歩き、薄暗い山道を抜けると・・・



海が見えた。

そしてフィステーラの方向を示す黄色い矢印も。やったー!!

もう自分が今どこにいるのかすらわからないけど、とりあえずルートには戻ってきたからヨシとしよう。
ここで昨夜ムシアに泊っていた巡礼とも合流して、ますます安心できた。


そこから少し歩いたところで、なんと朝一緒に歩いていた韓国の男の子が後ろからひょいっと現れた。
かなーーり、疲れた表情。
彼もどこかで道を間違えていたらしく、今度は言葉少なに追い越していった。


朝あんなに冴えなかった天気もすっかり良くなり、本当に気持ちいい。


ようやくやって来た、初夏の空気。


アスファルトの道へ。

いつの間にか登り坂になり、遅いペースがますます遅くなる。



登ってきた道を振り返る。


さーまた山の中だ。


これはまた昨日と同じく海とつかず離れずの距離で歩くことになるのかな。
いつの間にか、またまわりにだれもいなくなり、静かに進む。
今日は何時頃ゴールできるんだろう。



日陰でももう、寒くない。


パッと視界が開けると、、


お花畑★


あ、馬っ
こんな毛がふさふさの馬もおるんやな~。



犬も。


犬も野良犬や、放し飼いのだと怖いけど、こいつは繋がれてるから大丈夫。
フランス人の道で犬にやたらとまとわりつかれた日があって、それ以来ちょっと怖いのだ。



どんどん、


どんどん歩いて、


分かれ道!

うーん、、ここで間違うと痛い。
すでにお昼の3時をまわってるのに、あと10キロくらい残っている計算なのだ。


左!

あー!また海っっっ 


そしてこの空。

テンションは上がりっぱなし。


30分くらい下って、小さい集落に出た。


日差しはどんどん強くなる一方だけど、じっとり感がないせいか、爽やか。


アジサイが似合わない空になってきた。


きれいな馬。。。

足をとめて見ていると、、、、


なに?


次に、大きめの住宅街にきた。
でもお店もバールもないから、バス停で休憩。



お借りしまーす。


来た道をみて、ひと息。ふー。。

昨日買っておいたオレンジを切ってパクパク。

日本では携帯ナイフ使う機会なんて皆無だったけど、巡礼中はこれのおかげでどこでも快適にオレンジが食べれた。
スペインのオレンジは本当にハズレってもんがない。あとチョコも。


お腹が満たされるともう動きたくなくなってくるけど、どっこらせっと立ち上がって出発だ。なんたってもう4時・・・。


いくぞー!

と決意したもののやはりカラダは重く。



ちょろちょろちょろ。。。水音に癒されるわ。。


ひとり、最後の力を振り絞って進む。



きれーい。。。。畑の間の道より。


海が見えてきて、ゴールのフィステーラがもうちょっとっていうのは分かる。
ただあと何キロとか、そういうのが全然わからん。
畑仕事中のおっちゃんに励まされ、亀以下のスピードで進む。。。進む。。。


海が遠くに見下ろせる道を小さくアップダウンを繰り返しながら進む。


またひと休み。


は~、なかなか近づかない街。




いつの間にか街に入り、アルベルゲの看板もちらほら見え出す。
フィステーラに着いたんだ。
とりあえず公営アルベルゲを目指さなくては。

宿の客引きにつかまったり、思った以上ににぎわってる街の雰囲気に浸ったりしているうちにアルベルゲに到着!!


アルベルゲの受付では、今までのどんなアルベルゲより、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼事務所よりしっかりとクレデンシャル(巡礼手帳)のスタンプと日付をチェックされた。
なんだかドキドキしていると、、、、


OK!!
Eriko!Congratulations!!


オスピタレロのお兄さんが満面の笑顔で、おめでとう!って。
そしたら、まわりでそれぞれ寛いでた巡礼たちから、拍手拍手。

ちょっとウルウル。。
ここをゴールにして本当に良かった。



到着、フィステーラ。





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