新・巡礼2日目〜長い1日〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月19日

Negreira → Olveiroa

昨夜は満腹で、お酒のおかげもあって気持ちよく眠れた。
二日酔いにはなってないな、ヨシ!

私はお酒に強くないので、ちょっとでも飲みすぎるとアウト。
ビールもワインも安くて美味しいこの国で、思いっきりその恩恵にさずかれないのは本当に残念。


ベッドルームを出て朝食を済ませ、気付いたこと。
私、このアルベルゲの宿泊代払ってなくない?
イーさんに聞いたら、昨日の夕方オスピタレロが回収にきたよ、って。
それはイカン!
料金を聞いて、枕の下に名前を書いたメモと一緒にお金も置いていった。
気付いてくれたかな?


6時半、曇り空の中出発。
今にもひと雨きそうだ。


アルベルゲを出て少し歩くと、いきなり道を間違えた。
地図では国道の脇の小道をクネクネ歩くようになっているが、私は明らかに違う場所にいるようで矢印はひとつもない。

あれ?
こっち?
ん?

他の巡礼もおなず、車も人も通らない薄暗い早朝の道。
ヤバイ・・・。
あ、雨も降り出した・・・。


不安な気持ちで、地図の地名だけを頼りに歩き、1時間(笑)
1時間って・・・。

なんとか巡礼路に合流。
他の巡礼を目にしたときの安心感といったらなかったです。

※ちなみに、後にT川さん達にきくと「どこで迷うところがあったの?」とのこと。
どんだけぼんやり歩いてたかってことです。



静かなカミーノ。


天気が落ち着いたところで、T川さんとイーさんが後ろから追いついてきた。
この時、巡礼路を歩いていたと思ったらいつの間にか獣道のような場所に突っ込んでしまっており、私が進んでいる方に2人も来てしまったため3人で慌ててしまった。1人だったら歩いてきた道を引き返すところだったけど、2人がそれを拒んで道を開拓?したおかげで私も余計に歩かずにすんだ。
ふー。



森を抜けたところ。

ぱっと視界が開ける瞬間はいい。


それにしても、巡礼路を歩いていると風力発電の風車をよく見る。
景色にあってていいなぁ。
カミーノ・フランセスの道3日目のペルドン峠の風車たちは圧巻だったし、カステーリャ・レオンで見たのもすごかった。


のんびり歩き、10時半頃Villaserio(ビラセリオ)の村でバール休憩。
巡礼中なのでコーヒーではなくコラカオ(スペインのココア)で。
あったまる~。

そういえば、もう6月も後半だというのに未だに肌寒いとはどういうこと?
このままだと巡礼中に半袖Tシャツの出番は来そうにない。


何の花かな、可愛い~!!


モホン。青地に黄色のマークが定番だけど、元々あったらしいホタテマークの方も味があっていいなぁ。



雨がちな中、牧場の中をゆく緑の道。
やっぱり思い出すのは巡礼序盤のバスク地方。

あのときも雨続きで、牧場の中を歩いていたんだった。
雨を怖がってちゃ巡礼はできませんってか。


この道では滅多に見ない自転車巡礼。

自転車巡礼は追い抜くだいぶ手前で「オラ~ブエン・カミーノ!」って叫んでくれる。
挨拶と乗り物が通るよ~ってアピールを同時にしてくれるから、狭い道では特に助かります。





牧場の中を流れる小川。
癒される~。


雨の中巡礼路を歩いていると、進路と少しだけ離れた場所にバールの案内看板。やったね♪

お店の中では雨具を外した巡礼たちがぐったりと休憩中。
私もザッグをおいてひと息。
お昼をとっくにまわってるけど、残りまだ12.3キロはありそうだ。
大丈夫かなぁ。


思い腰を上げて出発。


アスファルトの道に戻ってきたー。


霧とも雨ともいえない中進む。

相棒のいない旅路は、ペースもゆっくり。
休憩も食事のタイミングも気遣いがいらないからラクだけど、それゆえ、ちょっとでも疲れてくると気の緩みがそのまま足取りにも直結してしまう。
まわりに人も少なく、励ましあうような相手も滅多に現れないから余計だ。

これは、案外ひとりでこの道に来て正解だったのかもしれない。
今までしんどい場面では心身ともに相棒や顔見知りの仲間たちに支えられてきたけれど、全ての関係が一度リセットされてまっさらな状態で始めまったこの道はせめて「自分の力で歩ききれ」ということかもしれない。


今だってカメのようなスピードで進んでいるのに後ろからは誰も追いついてこないし、もちろん誰にも追いつかない。

巡礼路を示すマークも見なくなって、また朝のように巡礼路を外れたか!?と思ったところで、
黄色の矢印発見!!

が、、


コレ!

これ、信用していいんよな?

地図を見ると、確かにアスファルトの道からそれるのはこの辺りのようだ。
思い切って進む・・・


えびフライ!!笑


そして15分後。




うーーーーん、、、この道大丈夫!?
モホンはないしだれも歩いてないし、ゴロゴロ道は霧で視界が悪すぎて不安になってくる。

一瞬戻ろうかと思ったけど、あの時の矢印を信じてもう少し進むことに。

寂しい山道をどんどん進んでいくと草原のような場所に出て歩いている道が別の道にぶつかり、T字路になっている場所にでた。

するとそのぶつかった道に、ホタテマーク!!
よかったー!!

と思って進もうとすると、道の右にも左にもホタテマークがある。

ん?どういうこっちゃ。
一体どっちに進んだら・・・

私の簡単地図では、そんな細かいところまではわからない。
カミーノ・フランセスでは黄色い矢印がたくさんあって、地図は距離や方向、アルベルゲの目安くらいにしか使ってなかったからこれで十分だったが、
このカミーノ・フィステーラではもうちょっと詳細な地図が必要だったかもしれない。


ここで間違うと痛いなぁと立ち止まっていると、後ろから女の子が歩いてきた。
さっきのバールにいた女の子だ!

心細くなってたところだったから、彼女が現れたときは(冗談抜きで)後光が射してみえたわ(笑)
「右か左かどっちに進んだらいいかわからなくて・・・」と話すと、この子も道の両側にあるモホンを見ると えー!?って顔で立ち止まってしまった。

私の簡単地図ではやはりわからず、彼女が自分の地図を取り出してみてくれた。
私のようなペラペラのやつではなく、厚さ3センチはあろうかというガイドブッグ。

彼女はしばらくそのガイドブックを読み込み、右だと思うんだけど・・・と不安げに提案してくれた。
we try!

少し進むと、進路の左手に大きな湖が!!


すごーい!!
きれーい!!

ちょっと落ち着いたところで、
あ、この湖私の地図にもあった気がする、って確認すると、この湖は進路の右側にあるように描かれている。
ありゃ?

しかし彼女、ビリアのガイドブックを再度確認すると、やっぱりこのままの道で良さそう。
うん、このままいこう。
さっき1人で歩ききろうとか思ったところだったが、やはり誰かと一緒だと心強いのは間違いない。


ビリアはスイスに住んでて、普段はドイツ語を話すらしい。
カミーノはドイツ人がたくさんいるから会話に困らないね!っていうと、

「うーん、スイスのドイツ語はSwitzerlandGermanyだから」って。
方言で同じドイツ語もだいぶ変わってくるらしい。

ドイツ、スイス、オーストリアはドイツ語圏だけど、やっぱり少しずつ違うらしい。
そういやアンドレアもそんなこと言ってたような?




いつの間にか道は下り坂になった。
そしてグネグネ道を歩いているうちに湖が進路の右側になってた。
なんかもーよくわからんっ(笑)


そして、かなり下ったところで巡礼路のマーク発見!!
当たりー!!
やったねー!!
ピリアも本当に嬉しそうで、顔を見合わせたときは私も心の底から安心した。
もう大丈夫。


その後もしばらく一緒に歩き、休憩。
お菓子の交換とか、懐かしいわ~。女の子同士っぽい(笑)

途中の落ち着けそうな場所で、彼女がちょっと長めに休憩するね~!ってことだったので、
私は先に進むことに。また後で!
ほんわか優しい雰囲気のビリア、若いのに気遣い上手さんだったな。

よし、あと少し頑張ろう!!
残り5キロくらいのはず。
ひとりになって気合いを入れ直す。


しかし、ここからが長かった。
緑の道も終わり、アスファルトの退屈な道をひたすら歩く。

途中寂しげな集落などもあるものの、お店などはなくひたすら歩き続けるしかない。


時間は午後5時を過ぎ、もう限界!ってところで村に入ったようだった。
それでもアルベルゲらしきものは現れず、延々歩く。

いつまでこの道続くん・・・


ため息橋の上から。


この村のアルベルゲはまだまだ先だとわかったとき、
私の落胆した心を見透かした(笑)ように別のアルベルゲ登場!!

マジか!!
この村にアルベルゲは1つだと思ってたのに、ラッキーすぎるっっ
もう、ここにきーめた!

明らかにプライベート・アルベルゲ(公営より値段お高め)だけど、この際休めれば問題ない。
併設のレストランで受付を済ませ、ベッドルームへ。

案内された部屋は薄暗く、巡礼たちの雨具で空気も湿っていた。
ただ広々としているのが救いだ。

しかも衣類の洗濯・乾燥はオスピタレロがやってくれるというのでまとめてお願いした。
高かった(1泊12ユーロ+洗濯乾燥で6ユーロ)けど、何にもしたくない今日のような日は本当に助かる。


シャワーを浴びてさっぱりしたら、完全にダラダラモードに突入して併設のレストラン兼バールの椅子からほとんど動かなかった。
明日のことをぼんやり考えながら、日記をつけたりするくらい。

昨日の日記には、アルベルゲで巡礼が疲れきってて暗いなどとエラソーに書いたけど、今はこの場で自分が一番ぐったりしている自信がある。
失礼しました・・・!


その後公営アルベルゲから食事をしに来ていた昨日のT川さん・イーさんと会えて、ようやくちょっと元気に。
明るい2人には随分元気をもらった。
今日1日でここまで歩けたんならムシアも行ける!一緒に行こう!と言ってもらい、できれば行きたいと思っていたムシアを本気で目指す覚悟を決める。


※ムシア・・・フィステーラから34キロ北上した海沿いにある町。カミーノの神・ヤコブ様の伝説が残る場所だが、その距離ゆえムシア・フィステーラ両方歩きで訪れる巡礼はそこまで多くはない。

こうなると、明日フィステーラとムシアどっちに先に行くかが次の迷いどころ。
どちらもスペインの果てのような場所で、どちらを先に目指しても歩く距離に大差はなく好みの問題のようだ。

私もどっちでもいいなぁと思っていたが、フィステーラの方がサンティアゴに戻るときのバスの便が多くて便利そう、っていうのを2人から聞いてムシアから先に行くことに。



明日からの巡礼の順路図。

※青丸のところが、今いるオルベイロア。

私の持っている地図にはオルベイロア(今いる場所)~ムシア間と、フィステーラ~ムシア間の掲載はない。
要するにムシアの情報が皆無。
不安はあるけど、もうここまで来たらどうにかなるやろ!

明日もまたどっかで会いましょー!って2人と別れ、就寝。





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