ひと休み②〜思いがけない寄り道〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月16日

朝5時半、ごそごそとアンドレア始動。
私に気を遣ってか暗闇で動いていたので、パチっと電気をつけてあげる。

天気予報では今日の空模様はイマイチらしく、天気が持ちそうな午前のうちにアルベルゲに到着しようという算段。
彼女のアストルガで一度シューズを買い換えてるのだけど、防水仕様じゃないから雨は大敵だ。

15分たらずで荷物をまとめ上げた相棒を、宿の外までお見送り。


言葉が足りないことも多く衝突することもあったけど、それ以上の感謝の気持ちは疑いようもない。

ありがとう,thank you,danke!
昨日のようにメソメソ(笑)せず、いつも通りの調子で。
旧市街の暗闇の中で私達らしくなく少々改まってしまいはしたけれども、最後は巡礼らしくハグでお別れ。

本当に行かないの?ってもう一度聞かれた時は、グラついたけど
それで歩くっていうのも違うな、と。
ウチらは2人組のようで、やっぱり1・1なんやな。

Buen Camino!
彼女が無事にフィニステラまで歩けますように。
巡礼を楽しめますように。


ひとりになってから、明るくなるまではベッドでごろごろして、8時くらいにお散歩へ。


まだほとんど人のいないオブラドイロ広場。


ひとり大聖堂を見上げるのはとても贅沢な気分。




早起きして歩く旧市街。

たまたま開いていたバールで朝ごはんに。


チュロス・コン・ショコラーテ。

このチュロスをカップのチョコレートに浸しながら食べる。
私が一番手のお客さんだったのか、チュロスが揚げたてサクサク!!
ナニコレ美味し過ぎ。
チョコいらないくらい。(でもチョコも濃厚で美味)

あまりの美味しさにどんどん食べ進めて、コーヒーをもう一杯頼むかどうしようか悩んだところで、今日以降の自分の予定を(ようやく)真剣に考えることに。

私が帰国の飛行機を予約しているのは6月28日。
今日が16日だから、フリー日があと10日もある。
35日~38日間くらいの巡礼予定を32日で終えたのは想定外のスピードだ。


日本にいるときには、もし早く巡礼が終わったらフィステーラの道を歩くか、興味のあるポルトガルにいこうと考えていた。
ところが終わってみると、全然違うこの状況。
風景に食事に人に、気がつけばスペインの魅力にどっぷりハマってしまっていたようで、全くこの国を離れる気になれない。

さーて、どうしよう。
スペインの西端に近いこの街からなら、まずマドリードに移動して観光?
思い切ってバルセロナまで行ってみる?でもだいぶ遠いなぁ。
あー、やっぱりポルトガルも捨てがたい。日本からめったに行けない国に違いはないし。

予定以上に時間はあるし、巡礼が思ったより安上がりだったから懐にもまだ余裕がある。

とりあえずオープンを待ってツーリスト・オフィスで情報収集することに。
スペインやポルトガル各地への電車やパスの料金&時刻表をもらい、お勧めを聞いてみる。
お姉さんいわく、近郊の海辺の街がお勧めだけど今日以降天気が崩れるからねぇ、、と。
パソコンで天気予報を見せてもらったら、ガリシア地方は連日雨模様。
マジか。

とりあえず不要になった登山靴やストック、寝袋類を日本に送り返して身軽になろうと国際便を送れる場所をきくと、今日は日曜で休み、明日もなんかで休み、次オープンするのがあさっての火曜日とか。さすがに待てない。
移動した先で送ろ。

その後、大聖堂併設の博物館の受付でアンドレアオススメの屋根の上を歩くツアーの空きを聞いてみると、日曜は終日予約でいっぱいだとか。平日以外は早めに予約した方がいいみたい。


11時頃、3日間お世話にな った宿をチェックアウト。


villa通りの42番、『HOSPEDAJE SANTA CRUZ』



建物は古いけど、キレイに掃除されてて清潔。
何より大聖堂に近く、早朝から深夜まで旧市街を思う存分堪能できました。
1部屋が2泊で60ユーロ。2人で泊ったので1人あたり1泊15ユーロ。
アルベルゲでも高いところは1泊10ユーロはしたから立地を考えるとかなり、かなり安い。オススメです。


せっかくだからオブラドイロ広場を通ってバスターミナルへ。


お土産でパンパンになったザック、ストック、そして頑張ったシューズ。

なんて写真撮影していると、、、おじいちゃんズ登場!!

メセタの大地を一緒に歩いた、ボルドーの仲良し3人組!!うそうそうそ~!
フランスのル・ピュイからなんと2ヶ月、1500キロを歩き切ったのだ。
凄いよ凄すぎる!!!

またもやの仲間との再会。
そして昨日も会えたチーム・フランスのおばちゃん達もいるではないか!
昨夜もブルゴスで同室だったラトビアの男の子とここで会えたし、巡礼事務所前かオブダロイド広場に来れば必ず仲間に再会できると言ってももはや過言ではない。

今日でサンティアゴを離れるという私との別れを本気で悲しんでくれているのがわかる。
なんて優しい人達なんだ・・・。
メルシー!!何度も、何度もお礼を言ってお別れ。


旧市街を出てバスターミナルまで、迷ったり遠回りしたりで結局歩いて30分近くかかった。

バスターミナルは思った以上に立派で広々としている。
ここに到着してもまだ、どこに行こうか悩んでいると「カミーノを歩いたんですか?」って話しかけられた。私と同じ巡礼みたい。

「そうなんです、でもこの後どこに行こうか迷ってて。バルセロナかマドリード、ポルトガルのポルトか、、」

と、自己紹介もほとんどしないまま会話開始。
巡礼だというだけで驚くほどお互いの垣根が低くなるところが、恐るべきカミーノマジック。

そしてバスのチケットは、やはりというか、バルセロナ行きを買うことに。
出発まで2時間近く時間があるので迷ったけれど、巡礼中にあれだけ感動したガウディ作品の真骨頂が見られる場所、かつ北部スペインとはまた違ったスペインらしさを満喫できそうな街。
うん!いいんじゃないでしょうか。

この話しかけてくれた韓国人の青年は日本語が堪能だったこともあり、どんどん会話が弾む。
彼は韓国にいるときは悩んでばかりで暗い毎日だったけど、巡礼中にたくさんの仲間に恵まれて、しかも彼女までできて今はハッピーな気持ちしか自分の中にないんだ、と。ムシアの海に悩みは全部捨ててきたんです、とスッキリした表情で語る姿はとても爽やか。
※ムシア・・・フィステーラの道にある海辺の街。


カミーノで恋人同士になる巡礼は多い。

面白かったのは、私が巡礼7~8日目で一緒だった日本人のリョースケくんと、この青年も知り合っていたことだ。
デジカメの中でみたその後のリョースケくんは髭が伸びたくらいで、あとは変わらずとっても元気そう!
一方的にだけど、再会を果たしたような気分になれて嬉しかった。


そんなこんなで話に夢中になっていたら、あっという間にバスの出発時刻に。
出発ターミナルは待合室から結構離れた場所になり、猛ダッシュ!ヤバイっ
2時間も前に着いておいて、これじゃあ先が思いやられる。

無事に乗車はできたものの、バスが走り出した瞬間、「あ、マズイ」って思った。
酔いそう・・・


予感は的中(°_°)


10分もしないうちに気分が悪くなってきて、とても普通に座っていられなくなった。
横になることもできず、むりやり寝ようとしても事態は全く好転しない。
・・・どうした私!!

普段なら夜行バスなんて余裕だけど、これ以上車内にいたら大変なことになりそう、、
どうしよう、このバスはバルセロナまで直行で到着は16時間後だって聞いたけど・・・
もう数メートル先の運転手のところまで歩くのも辛い。

不安な気持ちでいっぱいになっていると、30分くらい耐えたところでバスが薄暗い場所に停車した。
窓の外をみると、どこかのバスターミナルのようだ。

チャンス!!

フラつきつつも運転手のところまで歩き、気分が悪いからここで 下りたいと伝える。
まだバルセロナじゃないよ?みたいなことをおじさんは話してたけど、そんなことはどうでもいい。
一刻も早くこのバスを降りたい。

OKだから!とバゲージルームに入れてたザックを受け取り、バスを降りた。

良かった・・・


しばらくバスターミナルのベンチで横になり、落ち着いたらもうまわりは薄暗くなっていた。
とりあえず今日の宿を探さなくては。

ここは、A Coruna(ア・コルーニャ)っていう街らしい。
マジでどこ?って感じ。

日曜日だからかバスターミナル内はもうほとんど人もおらず、店もしまっている。
ポツっと明かりのついてたツーリスト・オフィスらしき場所でホテルが集まっている場所の地図をもらって移動開始。

乗り物はもう嫌だったので歩いていこうとするにも、ターミナルの外に出たら右も左もわからない。
情けなさすぎてヘコむわー。。

雨も降ってきて、凹んだ気持ちにますます拍車がかかる。
乗り物にためらいはあったけど、意を決してタクシーを使うことに。
運転手に地図を渡してホテルが集まっている通りまで連れて行ってもらった。

あちこち探すような余裕はないので、タクシーを降りた場所にあったホテルへ。

受付で料金を 聞くとシングル30ユーロ/泊とお手ごろ。
部屋を見せてほしいと頼むと快く見せてもらえた。

部屋は広々としていて、シャワーとトイレが別。
しかも最近改装されたのか?ってくらいピカピカ。
朝食がついてwifiもフリーよ!ってことで即決。


こんな感じ。かなり広い。

受付のおばちゃんは、いくつもこの街のパンフレットを見せてくれておすすめの場所を教えてくれた。そして、今夜は旧市街の教会でコンサートが行われるらしく、おばちゃんの超・超おすすめだという。
8時からだからね!と3回くらい念を押されて部屋へ。


ベッドに倒れこんだら少し寝てしまってて、もう7時過ぎ。
ちょっとダルいと思いつつも、せっかくなのでさっき教えてもらった教会に行ってみることに。

ホテルで傘を貸してもらって、地図を片手に出発!

ホテルから旧市街まではほど近く、良さそうなレストランやバールもちょこちょこ。
海沿いの街だから海の幸も楽しめるのかな♪


雨のPraza de Maria Pita(マリア・ピタ広場)

本当に静か。
広場のまわりにもレストランやバールがあるけど、あんまり人はいない。

スペインの日曜日は本当にわかりやすい。
なんか今日静かだな、と思ったら大体日曜日。


迷いながらようやく教会へ。


椅子に座って、ほっとひと息。

8時が近づくと人がどんどん集まり、座れない人もたくさんいる程の大盛況。

みんなジャケットをはおってたり、パリっとした服装の人が多くていまだ巡礼スタイルの私はちょっと気後れ。
街中に可愛いお店もあったし、服買ってしまおうかな(^。^)

8時過ぎ、挨拶もそこそこに女性グループの歌が始まった。
十数人で歌う聖歌から、ひとりが歌うオペラ調のものまで、全部で10曲以上。


曲の合間にパシャリ。

隣のおばちゃんが、今はこの曲よ~みたいなカンジでプログラムを見せてくれる。

もちろんプログラムは読めず、挨拶等もひとっこともわからなかったけど、
音楽は世界共通?!
のほほんと聞いてただけだけど、教会の中に響く歌声は迫力満点。

なに、こんな辺鄙な場所にある街の片隅で(←失礼)無料のライブがこんなレベル高いん!?

思っていた以上に良かった。
本当にタダでいいんかな(^_^;)


たっぷり1時間は楽しませてもらい、教会を出るとさらに大降りになっていた。
日本の梅雨のような降り方。

サンティアゴで見た天気予報の通りやな。
アンドレアにキャリーにピラー、今日フィステーラへ出発したみんなは大丈夫だったかな。





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