ひと休み①〜大聖堂の見守る街で〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月15日


1ヶ月ぶりのベッド&布団の中で目が覚めた。
今日はもう歩かんのやな、サンティアゴについたんやなってぼんやり考える。

2人で、今日は何しようかねーなんて言いつつ、とりあえず昨日買っておいた朝ごはんを、せっかくだから外で食べることに。

旧市街にあった広場の階段に腰掛けて、のーんびり朝ごはん。
まだ人通りもほとんどなくとても静かな、大聖堂も見えるこの広場での朝食は、ちょっと贅沢な気分。


そして10時頃巡礼事務所の前を通りかかったところ、またまた嬉しい再会が!!

ピラーにキャリー親子にデイビッドに・・・次々とみんなが現れたのだ。
こんなことってあるんや!?
昨日に引き続き、なんだこの偶然は。

やったね~!おめでと~!!

それぞれと喜びを分かち合う。
ううぅぅぅ、、、嬉しすぎる!!

他にも言いたいこと、聞きたいことがいっぱいあるのに言葉にできない自分が情けない。
でもそれでもいいのかな、という気もした。


再会ラッシュの中でも、特にピラーは巡礼3日目のパンプローナからの仲間で、毎日といっていいほど顔を合わせていたのに、
最後の一週間くらいはまったく会えてなかったのだ。
ここで再会できたのは、まさに奇跡っっっ


朝の巡礼事務所はこのとおり、歩き終えた巡礼がどんどん吸い込まれていく。

そしてポンっと肩をたたいて登場したのは、オンタナス(巡礼14~15日目)前後で一緒だったベルギーの女性!
すでにあの時点で足を痛めて苦しそうだったのに、私たちとたった1日違いのゴール。

足は大丈夫なの!?かなり無理したんじゃない!?

女性は、もう大丈夫よ!だってここまで歩けたんだから、って。

達成感でいっぱいの彼女の笑顔はとっても爽やか。
歩いていたときはそんなに言葉も交わしてなかったのに、自分を覚えてくれてたことが嬉しかった。

あとでキャリーに聞いたところ、日本人(私)と超短髪のオーストリア人のアンドレアという2人組はわりと目立っていたらしい。
コンビで覚えていてくれたのかもしれないな。

その後、昨日の夜一緒に騒いだドイツの女の子ジェニがこれからフィステーラを目指して再び歩くというのでアンドレアとお見送り。
名残惜しいけど、ブエン・カミーノ!!


ジェニはいつもたばこを手作り。
葉を自分で包むと安上がりらしい。


そして、明日にはアンドレアもフィステーラの道をスタートさせる。
私はというと、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着した達成感が大きかったせいか、
さらに歩こうという気がどうしても湧いてこなかった。

アンドレアには、もう歩くモチベーションがないから、と話しここで彼女を見送ることに決めたことを伝えた。
ずっと誘ってくれてた彼女の残念そうな顔がツラい。


しばらくしてオブダロイド広場に行くと、何やら広場の大部分が柵で囲まれている。


なんじゃこりゃー。

昨日のように広場でゴロゴロできるような雰囲気ではなく、巡礼はみんな小さい範囲で大聖堂を見上げていた。


今日もステキね。


広場に面したホテルの前も、車がたくさん止まってたり、警官がいたりでなんだか物々しい。

どうしたどうしたと思いながら、今日は大聖堂の屋根の上を歩くツアーに参加するアンドレアと別れ、
私は正午からの巡礼者のミサへ。

大聖堂の屋根を歩くツアーにも相当惹かれたけど、明日この街を離れるなら、巡礼のためのミサ。
到着当日~翌日のミサでは到着した国別の人数とかも読み上げてくれるらしいし、ボタフメイロをもう一度良い位置で見たかった。


40分前には大聖堂に入り、昨日確認しておいた祭壇やボタフメイロがよく見える前方の位置に着席。
ちょっと早く着き過ぎたかな・・・と思いつつもその後どんどん人が増えてきたからちょうど良かったのかもしれない。

そしてミサが開始する12時には椅子はもちろん、脇の通路まで巡礼たちでいっぱい。

相変わらず言葉は一切わからないので、まわりに合わせて立ったり座ったり。
途中、ブルゴスとかロンセスバリュスとか地名が聞こえてきた。
たぶんこれが到着当日~翌日に発表されるスタート地別、国別の人数なのであろう。
しかしこれもいつの間にか始まっており、しかもあまりにも早口なので全く聞き取れず。

ミサの最中は巡礼中のことを思い出していた。
あんなことあったな、こんなことあったな、あの人どうしてるかな、、、
道中の思い出は尽きることがない。


ぼんやりしていると、ミサはあっという間に終盤に。

ぼんやりも、かなりのぼんやり。
あんなにもこのミサを心待ちにしていたのが嘘のように、その心は別の場所に飛んでいた。

この1時間はカミーノを歩いた1ヶ月を思う時間だった、ということで。。。

そんな私だけど、幸運にもボタフメイロを再度拝むことができた。

昨日の予行演習(?)を生かし、しっかり振り子の下。


大迫力のボタフメイロに昨日以上に圧倒され、感動。



ひとり言がうるさい動画。


大満足でミサ終了。


大聖堂の中はミサの開始時よりさらに増えた人でもう溢れ返っている。
のんびり流れにのって外に出ようとすると・・・

チーム・フランスのみんな!!
グループの6人のうち英語を話すのはアニク1人で、あとの5人は全然ダメなの~、ということだったが
それでも会うたびにみんなが、eriko!サヴァ?(How are you?)って声をかけてくれていた。

やったねー!って思わず日本語で声をかけると、
アントワネットがウルウルしてきて、私もまたちょっともらい泣き。
彼女たちともこの4.5日会えてなかったのに、ここで会える偶然に、感謝してもしきれない。


大聖堂からオブラドイロ広場に出ると、この人だかり!


なんだ?なんだ?

と思ってると近くにいたキャリーが、「今日は日本のプリンスがここに来るって聞いたよ!」って。
マジで!?

プリンス、ってことは皇太子殿下ということ!?
スペインに!?
しかもここ、サンティアゴ・デ・コンポステーラに来てるの!?

なんで!?
よくわからないまま、野次馬のごとく人だかりに紛れてみることに。


野次馬の向こう側はこんな感じ。
よく見るとスペイン国旗の横に日の丸が揺れているではないか!!


少しもたたないうちに、まわりの巡礼からは次々と、
日本のプリンスはどんな人?
プリンセスは来るの?
君は会ったことあるの?
何時頃来るの?

・・・私が日本人とみるや否や、質問攻め。
テレビでしか見たことない上に、今日この街にいることだってさっき知ったよ。

まぁ、ただ待っても待っても待ち人現れず。
野次馬も疲れたので、この場から離れることに。

少し離れて旧市街を歩いてみると、なんと日本の某テレビ局発見!
キャスターらしき女性が、本日はここ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに皇太子殿下が・・・なんとかかんとか・・・
とカメラに向って話している。

おおおおっっ
この街にいることは間違いなーーーい!!


※帰国後知ったのですが、2013年は日本スペイン交流400周年という記念すべき年。
皇太子殿下はスペイン各地を周られた最終日(6月15日)に巡礼路やオブダロイド広場を歩かれ、大聖堂にいらしたとか。

結局私は拝見することはできませんでしたが、同じ街(しかも超近距離)に皇太子殿下がいらっしゃる、という日本国内ですら有り得ない状況にドキドキ。笑
そしてオブラドイロ広場に日の丸が揺れている光景が嬉しいような、誇らしいような。


しばし喧騒を離れ、のんびり散歩とお買い物。

近くにあった巡礼博物館はなかなか面白かった。シエスタ前でじっくり見る時間がなかったのが残念。


大聖堂の模型など。


ひと休みするために広場へ。


昨日とはうってかわって騒がしいオブラドイロ広場にかわり、今日は反対側のキンターナ広場が人々の憩いの場所になっているようだった。


散歩中に買ったエンパナーダを。
店先で見たときから絶対美味しいと思ってたけど、間違いなかった!!


いつの間にかちょっと昼寝(!)して、アンドレアと合流後は旧市街から少し歩いたところにあるアラメダ公園へ。

昨日観光列車から見たように、大聖堂を丘の上からもう一度見たくなったのだ。


到着~。

アラメダ公園は、緑溢れる癒しの場所。


広々~。


ゆっくり2人で散歩しつつ、写真を撮ったりアイスを食べたり。


何かの巣??


だれだっけな(笑)




ここから見える大聖堂はやっぱり素晴らしい。


大聖堂と、周りを取り囲む旧市街。

結構な時間をこの公園に費やし、街に戻る。


すると警官は増えてるし、旧市街中に耳が痛くなるほどの騒音。
今度はなに!?


これ。

なんかのデモ!?
意味はさっぱりわからんけど、とにかくうるさい。


人も増えすぎ。

昨日までの落ち着いた街はどこへやら…

もう旧市街のどこにいてもデモ隊が発するガンガンピーピードンドンが鳴り響く。
全然、全然落ち着かない。

それでも負けずに歩く(笑)
2人ともこの街は今日が最後なんだしね。



写真だけみると、(喧騒がないから)映画の中みたい。


こんな場所でウエディグ・フォトなんて羨ましい!!


どこの教会だっけな。西日がまぶしい。。


昨日のドキドキが蘇る大聖堂につながるトンネル。


古本市も絵になる。


ふたりで宿に戻り、アンドレアはフィステーラの道への準備、
私はその隣で彼女へのお礼のつもりで買ったプレゼントをいつ渡そうかなぁとそわそわ。。

彼女がフィステーラの道を歩いた後はまたこの街に戻ってくるから、、と不要な荷物を巡礼事務所に預けにいくという。

チャンス!

これ、あなたに!カミーノを歩くには荷物になるし、一緒にロッカーに入れておいて、帰ってきたら見て?ok?
って渡す。

彼女が、!?っていう、なんともいえない表情で私とプレゼントを見ていて、
私は「お別れだからお礼に」、っていおうと思ったら泣きそうになってしまって上手くいえなかった。
もう、この街に来てからというもの涙腺がゆるみっぱなしだ。。。
すると彼女までウルウルしてきてしまい、
「この袋、昼間からずっと持ってたよね?私がツアーに参加してる間に探してくれてたの?私もerikoに何か贈りたい・・・」と。

やってしもたー!!
もっと軽い感じで渡すつもりだったのに!!
気を遣わせてどうするっっ

「これはね、すごく小さくて軽いものなんだけど、私がプレゼントなんだって言うと店員さんが、壊れないように!!って
やたらと頑丈に包装しちやってさ、こんなになっちゃったんだよー!笑
開けたらびっくりするよ。これの4分の1の大きさなんだから!」

なんとか空気を和まそうと頑張り、なんやかんやしているうちにいつもの雰囲気の彼女に。
よ、よかった・・・

一緒に夕食をとって、おやつを買って、またちょっと大聖堂を眺めて。



マジで本物の人かと目を疑った。こんなTシャツ着た巡礼、結構いる。


明日は早起きだという彼女に合わせて、私も早めの就寝。
グッデナフト!
(ドイツ語で『おやすみ』。)

これを言うのも最後なんやなぁ。



ここスペイン北部が名産だという「Orujo」オルーホというお酒。
バールで少しだけ飲んでみたいっていうと、1ユーロでお試しさせてくれました。
とってもいい香りなんだけど、超キツイ!





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