巡礼32日目②〜巡礼はここに集う〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月14日~到着後~


サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂の前で体操座りのまま、しばらく何をするでもなくぼんやり。



でっかいなぁ。


少しして、オーストラリアから来たという夫婦に話しかけられた。
どこの国から!?
どこから歩いてるの!?
ここまでどれくらいかかった!?

次々とインタビューのように答えながら、まわりを見ると、私の他に巡礼はそんなにいなかった。
みんな12時からのミサに参加しているんだろう。

この場にいる数少ない巡礼に興味をもってくれたようで、最後には
あなたの写真を撮ってもいい!?って、一緒に写真撮影まで。
なんとなく撮られてると、他の観光客の人にもいつの間にか写真をとられててちょっと恥ずかしくなった。

でも便乗して自分のカメラでも撮ってもらいました★


とりあえず気持ちも落ち着き、大聖堂の中に入ってみようかと歩き出すと、
メリデで一緒に歩いたスペイン女子2人組とバッタリ!!

やったねー!!ってひとしきり盛り上がり、一緒に写真も撮って。
マドリードから来ている大学生の2人は明日には家に帰ってしまうんだとか。
寂しいけど、メリデのことを思い出すときは絶対この仲良し2人組のことを思い出すと思う。
ありがとね。


2人と別れて大聖堂に入ると、もうすごい人・人・人。
なんだこりゃ~っっ

なんとか中に入る。
大聖堂の中は巡礼のためのミサの真っ最中。

すると・・・

あの天井からぶら下がっているやつはもしかして・・・


ボタフメイロ!!!

大聖堂の後ろ~の方からだから小さくしか写ってないけど、わかるでしょうか。。。

ボタフメイロ・・・大香炉。昔は旅の間に頻繁に髪や身体を洗うことができなかったため、長旅を終えて大聖堂に集まった巡礼の群衆からはすごい異臭がしていたらしい。その匂いを消すために大きな香炉を天井から吊るしてミサの時に振っていたのだとか。

数年に一回やってくる聖年以外は、祝日か一定額(たしかまぁまぁ高かった)以上の献金があったときしかボタフメイロは登場しないと聞いていた。
見れたらラッキー!くらいに思ってたのに。まさか。


ミサの途中でふいにボタフメイロが視界から消えたと思うと、まわりにいた巡礼たちが一気にカメラを取り出して構えた。
すると、静かに、ゆった りとボタフメイロが教会の中を振られだした。

周りと一緒にカメラを構えつつも、目はボタフメイロに釘付け。


全くカメラに気が回っておらず動画もグラグラ・・・。
でもせっかくなので。



あぁ、ここまで辿り着いたんだなって、改めて実感が沸いてきた。


静かにボタフメイロの振り子は止まり、ミサも終わった。


近くで見ると、より素敵。


とても満たされた気分で大聖堂を出ようと歩いていると

目の前に現れたのは、

エレアーナ!!!

eriko!!

向こうも気付いてくれた。!急いで駆け寄る。

ブルゴスの手前でアドレス交換したときにはこの先絶対会えないと思ってたのに!!

もう嬉しくて嬉しくて。
思わず泣きそうになると、エレアーナもちょっとウルっとしてるのがわかって、どうしようもなくなってきた。

彼女は昨日到着し、今日のミサに参加したらしい。
私が一緒だったとき(~12日目くらい)はまっさらだったパーカーも、今は何人ものサインで埋まっていた。

「ほら!ここにサインをくれた子なのよ!」ってまわりにいた友達に私が書き込みした箇所を見せてくれてて、それを見てまた嬉しくなった。

巡礼に観光客に、溢れかえるように人がいる中で大切な友人に会えたことが奇跡みたいだった。

アンドレアだって間違いなくこの大聖堂にいるはずで、しかもあんなに目立つ(笑)のに見つけられないらいなのだ。


大聖堂を出るとすでに1時半。
ミサに私が間に合わないことを想定して2時にツーリストオフィスの前で待ち合わせすることにしていた。


オブラドイロ広場の裏側に出た。

あっという間にツーリストオフィスに到着して中をウロウロしていると、ひとりの日本人女性に会った。
巡礼でも観光でもなく、サンティアゴで結婚、暮らしているという。

スペイン語が堂に入っている彼女、おすすめの日帰りツアーの情報の他に、旧市街を見てまわるときに便利なマップまで持ってきてくれた。ありがたや~。
単なる地図じゃなくて、旧市街の道沿いに建物が精巧に描かれており、自分の現在地がとてもわかりやすい。

※あとで、この地図を気に入ったア ンドレアがツーリストオフィスで同じものを探すと見当たらなくて、職員さんにきくとカウンターの中から取り出してくれ、かつ有料でした。
あのときプレゼントしてくれた日本人女性の方、ありがとうございました!!


そんなことをしているうちに、アンドレア登場。
絶対大丈夫だと確信はしていたけれど、お互い無事にここまで来れたんだと思うと安心した。
そして彼女も同じことを言っていた。

朝の10時過ぎにはここに到着していたという彼女、あっという間に今日の宿までゲットしていてくれた。
しかも、昨夜話し合ってた予算よりだいぶ安い!
すごくいい場所だよ~って連れていってくれる。

その宿は大聖堂から歩いて5分もかからないような旧市外の中心部にあり、近くにスーパーまであった。
2人部屋に、シャワーとトイレは共同だけど広くて清潔。2泊で30ユーロ。

完璧~!ダンケ!
アルベルゲからも離れて、とりあえず完全オフ。


宿に荷物を置いて落ち着いたら、2人で改めて大聖堂前の広場へ。



やっぱいい!

オブラドイロ広場は次々到着する巡礼と観光客とで人がたくさんいるのだけど、
誰もが立ち止まって大聖堂を見上げたり、座り込んでのんびりしたりしているせいか観光地にありがちな慌しさがない。

2人で座り込んで、大聖堂をぼんやり眺めて日向ぼっこ。
毎日といっていいほど昼下がりは彼女とアルベルゲの中庭でダラダラ過ごしていたけれど、今日のダラダラは最高の場所だ。
何をするでもなかったけど、またしぱらくこの広場から動けず。



この親子、超微笑ましかった。

そんな私達の前に現れたのは、


コレ!


かわいぃ~っ

どうやらコレに乗ると旧市街をぐるっと一周してくれるらしい。
ブルゴスでも似たのを見かけて、ちょっと気になってたんだよな。

さっそく車掌さんに料金を払って乗り込む。
5ユーロくらい。

列車はお姉さんのスペイン語ガイドでのんびりと旧市街を進む。
ここ でツーリストオフィスでもらった地図が大いに役立ち、アンドレアと今はこの辺かな~っなんていいながら楽しめた。

そういえば、乗り物にお世話になるのも1ヶ月ぶりだな~。
こんなこと今までの人生でなかったかも!
愛媛で1ヶ月車ナシとかありえん。


途中で見えた大聖堂に感動。

旧市街に見とれながら、40分くらいで元のオブダロイド広場に戻ってきた。


その後も2人で旧市街をブラブラ。




裏通りはのんびり。


いろんな建物をみたり、お土産屋をひやかしたり。

そして大聖堂の地下礼拝堂に入るために(入れない時間帯が結構ある)
オブラドイロ広場に向う途中で、前からきた男の子が、あ!って感じで立ち止まった。


・・・バラ王子!!

巡礼4日目のプエンテ・ラ・レイナで一緒だった男の子だ。
バラがあまりに似合う綺麗な子だったからずっと覚えてた。

いつ到着したの!?あれから一回も会えなかったね~!
ここまで来れて本当に良かった!!

この子もお父さんも昨日無事にゴールしたらしい。
ちょっと顔が赤く日焼けしてたけど、可愛い笑顔はそのまま。癒される。。。

道端で盛り上がりつつ、もうすぐここを離れるというこの子とお別れ。

王子の名前をどうしても思い出せないのが心残り。
でも懐かしい顔に会えて嬉しかったなぁ。


そして夕方、巡礼証明書をもらうために巡礼事務所へ。


大聖堂脇のこの通り。

長~い行列に30分は並び、カウンターのお姉さんに2冊分のクレデンシャルを見せて、聞かれたことを答える。
職業だったり、巡礼の理由だったり。
私がうまく話せなくても「大丈夫よ!」って優しくフォローしてもらい、無事証明書 をゲット!

証明書を入れる筒(1ユーロ)も買ってアンドレアを待っている間に証明書を眺めていると・・・

日付、違ってないですか??!
明らかに「月」のところにMani・・なんとかってなってる。
何語で書かれてるかはわからんけど、6月ならやっぱり「J」から始まる単語なのでは??

ちょっと迷ったけど案内係りの人に「これは今日の日付ですか?」って聞いてみると、
あらあら!ちょっと待っててね!
みたいな感じで私の証明書を持ってどこかに行き、すぐに書き換えた新しいものを持ってきてくれた。

よかったよかった。


「→」のところに名前が入ります。

それにしても、巡礼事務所の人はみんな笑顔で感じがイイ。


そして、夜。
大聖堂もライトアップされてるだろうからと2人でお出かけ。


おおぉっっ

夜はまた違った雰囲気でいい~っ


昼とは違う顔の、オブラドイロ広場。

うっとり~って感じで眺めたり、写真を撮ったりしていると、途中でまた知った顔がっっ

ニキー!!!

フォンセバドンの手前で別れて以来会えてなかったのにー!!
きゃ~って駆け寄ってまたワイワイ。
嬉しい嬉しい嬉しすぎる~っっ
ちょうど何度か話したことがあったドイツの男の子もニキの近くにいて、また嬉しかった。

彼女はなんと3日前にはここに到着していたんだとか。
道中出会った仲間と歩いて歩いて、1日40キロペースとか。
この細身美女のどこにそんなパワーが!?
いろいろと境遇が似ている彼女とカミーノで出会って話せたことは、私にとってすごく重要な出来事だった。
私はわりとすぐに物事を悲観的に考えるクセがあるけど、同じように悩みつつも背筋がピンと伸びてて颯爽としている彼女はかっこよく、見習わなければと思う。


すっかり満足して、アンドレアと宿に戻ることに。
すると、その途中でまた巡礼仲間と再会。

最近みんなに会えないな 、寂しいなと思っていたことがウソのようにどんどん会える。
聖地の奇跡か!!?

行こうぜ~!ってノリに流され、また広場に引き返す(笑)


大聖堂の反対側には人だかりができており、なんだか盛り上がっていた。



みんなでその輪に入ってみるとマントを着た男の人たちが音楽を奏でており、
まわりで見物する人が多数、また途中踊り出す人、音楽に関係なはしゃぐ人、、、
私たちも彼らの演奏を楽しんだり、お互いに記念撮影したり、ちょっと輪を離れて巡礼の話をしたり。


こんな音楽。またもブレブレ・・・

何より嬉しかったのはその中でまた仲間に会えたこと!
彼、ハブロは大の親日家で、私にもすごく親切にしてくれていた。

スペイン人の彼はスペインの良いところを知ってもらいたいと自分の住んでいるマドリードやここサンティアゴのことについてたくさん話してくれた。
しかも私が演奏とあの服が気に入ったと言うと、演奏の合間に奏者を呼んでくれて話すきっかけを作ってくれた。(私の英語がダメすぎて会話にならんかったけど・涙)
この奏者の方もまたフレンドリーで、自分の着ていたマントを私に羽織らせてくれて一緒に写真撮影まで。
ハブロもうんうんと満足げだ。

くぅ~、、、みんないい人すぎる~!!


再会した巡礼たちと繰り返されるハグと、テンションの高い人の中でもみくちゃになりつつ、夜は更けていくのでした。


素敵カップル★