巡礼29日目〜道は続くよどこまでも〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月11日

Barbadelo → Hospital 31.3km

昨日の夜はあっという間に寝てしまった。
きっと朝まで爆睡!と思ってたのに、またやってしまった!!

夜中、ベットから携帯落下・・・
今回は下の段のベッドだったことが幸いし、音は控えめだったものの
間違いなく携帯は分解されたようだった。


もういいや・・・
あんなボロいガラケー盗る人とかおらんやろ・・・

もう回収するのもめんどくさくて、結局朝まで昏々と眠り続けましたとさ。


今朝はアルベルゲで最後のひとりになるまで寝てやる気マンマンだったけど、
この一ヶ月の習慣か、それでも7時前には朝食をとっていた。
なんて健康的なんでしょう。。



完全に夜も明けて、同じ部屋の親子巡礼と話しつつ準備。
ずっと夫婦だと思ってた2人が実は親子だったというサプライズ。
ほんっとーにカミーノに来て年齢当てができなくなった。

なんとなく腰が重くてやたらゆっくり靴紐を結んだり。


私営だけに1泊9ユーロとお高めだったけど、設備の新しさや部屋の広さ、清潔具合からすれば納得。
疲れ果てた身体にぴったりのお宿でした。



歩き始めてすぐに見かけたこの妙なキャラクター。
もう名前忘れたけど、カミーノ版ゆるキャラ!?的な位置づけだったような。


これはもしやガリシア地方特有の高床式の倉庫では。
食糧が保管されているらしい。


村を出てすぐくらいのところで、若い女性3人に囲まれた。
渡された紙には「ハンディキャップを持つ人々に寄付を」というような内容の言葉が
英語で書かれていた。

ひと言も言葉を発しない彼女たちは、耳が聞こえないので、、というしぐさで署名と寄付を求めている。私はとりあえずすぐ出せる場所に入れていたコインを渡した。
署名も求められたけれど、文面までは理解できず丁重にお断り。

(注※私は帰国してから知ったのですが、最近巡礼路ではこういう障がい者を装 った詐欺が頻発しているとか。マジかよ~。。ショック。。信じるか信じないかはあなた次第。。。)


そして歩き始めて2時間、ちょうど残り100キロ地点についた様子。

絶対ここで残り100キロのモホンと一緒に写真をとる~っっ
って張り切ってたけど、そのモホンを見て・・・


え!?


えぇぇ!?

これはないでしょ。。。
他の巡礼が一緒に写真とってあげるよ~って言ってくれたけど、なんか、ね・・・。

それでも残り100キロなんだ!と沈んだ気持ちを建て直す。



今日はどこまで歩けるかな。


とにかく、前へ!前へ!




少し小腹が減ってきたな~と思い、遠くにバールを見つけてルンルン歩いていると
アニクとアントワネットはじめチーム・フランスの皆さまが☆

一緒に休憩しよ~ってバールに到着したら、すごい人・人・人。

こ、これは・・・
今までこんなことあったか??

しばらくはアニク達とおしゃべりしてたんだけど、さすがに順番待ちの列が長すぎてリタイア。
先に進むことに。
また後でね~っ

その後も2.3バールを見かけたものの、イマイチ食指が働かず(笑)スルー。


そして10時頃、ペナという小さな村で見つけたのが、こちら。


CASAだけど、カフェもやってるみたい。中へ。
※CASA・・・日本でいう民宿みたいなカンジらしい。

そこでいつものようにトスターダを注文。


きたー!!

ここのトスターダ、これまで食べた中で一番美味しかった~っっ
パンがふわふわ・モチモチ。
ジャムはご主人の手作りらしく、とっても優しい味・・・

さらに、このCASAの女の子が天使のように可愛かった。
人懐っこくてキラキラした笑顔が眩しい。

気がついたら私の向かいに座って、ご満悦。
可愛い・・・!!

すっかり骨抜きにされた私。

奥さんにお願いして女の子の写真を撮らせてほしいとお願いしてパシャリ。


可愛いのぅ。。。

ここはスペイン人の旦那さんとフィリピン人の奥さんが最近開いたばかりの宿らしい。
建物もまだ新しそうだ。
トイレなんて日本以上にキレイでピカピカ。

まだあんまり宿泊する人もいないみたいで、良かったらみんなに話して~って
宿のカードをもらった。が、どっかにやってしもた~っっ

サリアから約10キロ、Penaの村にある『CASA DE PEGO』
巡礼路沿いにあるこの宿、私に2回目のカミーノがあるとしたらここに泊りたいな。
そして朝食にはあのトスターダを♪

かわいいニーニャのお見送りに癒され、CASAを出発。



天気は悪いけど、気分は軽い。

CASAから1時間後、景色が開けた。


気持ちい~っ


七夕っぽーい。笑


12時頃、なんだかでかい橋が見えた。


あれを渡るのか??


そのとおり!!

これまで、街の入口に架かる橋といえば、いかにもおとぎの国風のレンガの橋だったのに、これはやたらと現代的で、逆に新鮮。

何よりも新しい街に入るときの高揚感はイイ。



到着!ポルトマリン。

長い橋を渡りきった後は目の前のこれまた長い階段を登る。


こんなカンジ。

登りきって、下を見ると、なかなかの景色。


川の水ってあんなに青くなるもんなの!?

そして、ベンチに座っているのはリリーとハーワード夫妻ではないか!?

リリー!



昨日も道中おしゃべりできたし、また会えるよね~って思ってたけど、
これが2人に会えた最後になってしまった。
でも、間違いなく2人は仲良くサンティアゴまで歩ききったと確信している。

おしどり夫婦って言葉がぴったりな2人だったな。


そして私はひとり旧市街を目指す。

その途中でアニク達と合流してスーパーへ。
あれはいい、これはダメだったとおすすめを聞きつつ買い物。

今日はポルトマリンでストップするというチーム・フランスと別れ、私はATMを探すことに。

ここで事件!?が起きる。

いつものようにカードを入れて金額を入力して、、と操作していったものの、
お金が出てこない!

なぜ!? 困る困る困る~っっっ
念のためクレジットカードはもう1枚もってきている、けど同じ機械では怖くて使えない。

次のATMを探そう、と思いたった途端、私の頭に思い浮かんだのは・・・

「さっきの、お金出てこんかったけど、引き出したことになってないよ、ね?」ってこと。

100ユーロ単位で金額指定していた私にそれはキツい。
意を決して、銀行の窓口の列に並んだ。

私は3人目。だけど、、、、、

もうそれは予想通り、窓口のお姉さんはひとりひとり、丁寧に丁寧に世間話(と思われる)も挟みつつ対応するためなかなか私の順番は回ってこない。

足がしびれてきた頃、ようやく私の番。

スペイン語はみじんも話せず、英語もさっぱりな私は、待ち時間の間に自分の状況をメモに書いておき、それをお姉さんに見せつつ説明。

こんな単語の羅列で伝わるだろうか、、という私の心配をよそにお姉さんはテキパキ私のカードとATMをチェックして、引き出しされてないことを教えてくれた。

セーフ!!

そして、あっちのATMなら使えるから!と別のATMの場所を教えてくれた。
ん?
何がいけなかったんだろう。。
理由も説明してくれたけど、理解できず。

私とお姉さんのやり取りを見ていた別のお客さんに同情されたのか、次のATMまで連れて行ってもらいとりあえず無事に現金をゲット!
ふーっっっ。

お金を引き出すだけでえらい時間をくってしまった・・・!!


せっかくだから街中を少しウロウロ。



中心地と思われる場所にはレストランやファストフード店が軒を連ねており
食事には全く困ることを無さそう。

そしてアルベルゲもいくつも発見。
なかでも公営アルベルゲはまだ13時前にも関わらずものすごい人だかり。


旧市街から川側に下ると、まるで河川敷がビーチに見えてくるくらい、
サングラス+飲み物片手にくつろぐ人・人・人。
久しぶりに見る顔見知りたちもチラホラ。


なにここ、めっちゃ楽しそうやんー!!

ここでストップしようかな・・・
でもこんな手前で切り上げたら、相棒との合流の約束が果たせない。

昨日の今日で身体も疲れてるしな。
ここいらで休憩してもいいかな・・・。


あーーーー、ひとりなら絶対ここでストップなのに。
こうなってくると励みのはずの約束がずっしりと重荷になってくる。

いや、逆に快楽(笑)に負けず疲労したカラダに鞭打って先に進むのもまた巡礼のひとつの姿なのか?
本来の巡礼者ってそういうものかも?

ぐるぐる考えをめぐらせながら、先に進むことに。
楽しげな巡礼達の姿を背に、出発!!


あ~ここでやめたい。。。


少し道に迷いつつも、なんとか巡礼路に合流。


あの魅力的なポルトマリンの誘惑を断ち切る巡礼はいなかったと見える。
静かな巡礼ひとり旅。。





疲れた、
しんどい、
もうストップしたい、、

考えることといえばそんなこと。あとは

キレイだなぁ、
あ、カメラカメラ。。


パシャリ。

この繰り返し。

おまけにポルトマリンからは地味~に登りが続く。
しんどいよ~。。。



ふと、登ってきた道を振り返る。


なんか、感動した。

目的地、HOSPITALまでのラスト1時間はひたすら国道沿いのセンダ。

きっつ~!

普段のペースなら40分もあれば軽く歩ききれるけど、今は地獄のようだ。

自転車巡礼の少年2人組と挨拶を交わした意外はひたすら無言、無心で歩き続けた。


なんとかHOSPITALの村に到着し、巡礼達が集まっているバールでアルベルゲの場所を聞くと、幸い近くに公営アルベルゲがあるようだった。

た、助かった~。。。
時間は4時半を過ぎてる。


ここを宿泊に選ぶ人が少ないせいか、アルベルゲのベッドにはまだ余裕があった。
しかしここの寝床はお隣さんと密着、ダブルベッド状態のアレだ。

うーん、と思いつつベッドを選び始めると顔見知りの男の子が
「ここ空いてるからどう?」って。
おっ、隣は女子っぽい!じゃあありがたく、、と荷物を運ぼうとしたところで「eriko~!」アンドレア登場。
自分の隣のベッドをポンポンたたきながら「こことってるよ~」って。

窓際で端っこ。めっちゃいい場所じゃぁないの。
男の子にお礼を言ってそっちへ。

彼はすごく残念そうだ。
せっかく気を遣って女子の隣を教えてくれたのに申し訳ない。
どうやら勧めてくれたベッドの隣の女子は彼が気にしてるあの女の子。
カミーノでは巡礼同士が恋に落ちることも珍しくない。

フフーン、他の男の人が彼女の隣にいくのが嫌なんだろうな~ガンバレよ~
と、思いっきり上から目線(笑)で応援しつつシャワー、洗濯とルーティンワークをこなす。
この村にスーパーはないので近くのバールに買い物にいく。

バールのテラスでひと息ついてると、急にカラダが冷えてきて、即・撤収。


帰り道にたまたま一緒になった女の子に

「今日は随分遅かったね。どこかケガをしたの?」って聞かれた。
やっぱりそう見えるか。
昨日同じ村に泊まってたのに、彼女は昼2時にはここについてたらしい。

「ケガも、何の問題もないんだけど、もうパワーが全然ないんだよ」

「確かに昨日も今日もこんな時間まで歩いてたらそうなるわ。ベッドがあって本当に良かった」
「でもここまで来たらサンティアゴまで行かないと!」

なんて励まされつつ。


アルベルゲはまだ新しいのかピカピカ。


料理のできないのキッチン。


シャワールーム。
ここも個別に仕切りがなかったせいか、使用率低し。


洗面所もなかなか良し。ゴミ箱がイマイチ。


明日はメリデまで行って夜はタコ料理かしら♪なんて思ってたけど、
今日のペースじゃあちょいと不安。
アンドレアにも行けるとこまで行くとだけ告げておき、念のためサンティアゴでの合流ポイントも設定。


そして数日前から、彼女からはサンティアゴについた後のことをよく聞かれるようになった。フィステーラまで歩かないか?と。

※フィステーラ・・・聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラの更に西へ約100キロ進んだところにある。
中世の時代からサンティアゴへの巡礼を終えたものが旅の最後に訪れ生まれ変わる場所とされており今でも人気の場所。


そりゃあね。
私だって日本にいるときは、時間があればフィステーラまで歩けたらな~♪なんて”ついで”くらいには 考えてた。

でも今はサンティアゴまで辿り着くところまでしか考えられない。
既にゴールを確信して、更に次の目的地まで定めている彼女が私には眩しすぎる。



西日も眩しい午後の9時。

とりあえず一晩寝て、明日のことは明日決めましょうかね。





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