巡礼30日目〜元気は天気しだい〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月12日

Hospital → Melide 28.7km


昨日の夜は疲れにまかせてベッドでダラダラ。

ふと向かいのベッドを見ると、ひとりの男性巡礼が分厚いノートに、小さい文字でびっしりと日記をつけていた。
おおぉ、こんなマッチョでいかにも遊び人風な(失礼)男子が真剣にっっ
巡礼中は周りと、そして何より自分と向き合う時間がたっぷりあるせいか、思いを書き留めておきたい気持ちにとらわれ普段3日坊主の私も日記だけは自然と習慣になってました。

そして私がアルベルゲに到着したときに、自分の気になる女子の隣に誘導してきた男の子はやはりあの女子を気にしている。
心配していた通り、女子の隣はイタリア男(超イケメン★)にキープされているからに違いない。
彼にとっては日記より彼女だな。

などというおせっかい極まりない人間ウォッチをしつつ、いつの間にか眠りについたのでした。


朝、まだカラダ重い。けれど今日も歩かねば。

ペースが数段落ちている分、早く出発しなければベッドにありつけない可能性もある。
気合いで6時半にはアルベルゲを出発だ。


静かでよい一夜でございました。

重くダルいカラダを引きづりながら歩き出したものの
待っていたのは何日ぶりかの、震えるような美しい朝。


こんなにすっきりとした朝は何日ぶりかな。


似たような風景の巡礼路も、空の色が違うだけで全然違う。


なんだかジーンとしてきた。
巡礼中は妙に感情が豊かになってる気がします。




日の出だ~。

あんなに重かったカラダがウソのようなスムーズに動き出す。

そうか!私に足りなかったのは朝日のパワーやったんやな!!
なんてゲンキンにもものすごい元気が出てきた。

こうなれば私に怖いものはない(笑)
どんどん進むのみだ。


この日はアスファルトの道からスタート。


そして牧場の中へ。
この道素敵だったなぁ。


爽快な気分で歩いていて、気がつくと男性2人組の巡礼と前後しながら進むカンジになっていた。
そのうち1人は私と同じくらい朝の風景に感動しているようで、私とほぼ同じ頻度で写真を撮っている。
うんうん、そうなるよねー。


人ひとりやっと通れるくらいの道。大丈夫かな??


いつのまにか真っ青な空。


太陽が視界から隠れる森の中に入ったときに、2人組の片方が先に行ってて~とトイレに行ったのでもう1人のガボウ(最後まで上手く発音できず。)と話しつつ歩くことに。

彼らはハンガリーから来ており、最初から2人だったわけじゃなくてこの巡礼路で仲良くなって一緒に歩いているらしい。

そして印象的だったのが、最初に私が(おきまりの)「日本から来ました」を言ったときの反応。
ものすごく嬉しそうな顔で、ハンガリー人と日本人はルーツが同じなんだよ!って。

ハンガリーはヨーロッパにあるけどアジアからやってきた民族だから他のヨーロッパ諸国とは根本的にルーツが違うんだとか。
モンゴル?あたりから東に移動したのが日本人、西に移動したのがハンガリー人なんだそうだ。
名前の表記も、日本と同じで苗字が先に来るらしい。
マジか!?知らんかった~っっ 

その後もこのガボウと一緒だったんだけど、お互いの距離感がちょうど良い具合。
(あ、言葉の壁はもちろんあります)

他愛無い内容ばっかりなんだけど、会話がずっと続く。
この2、3日歩くときはずっと1人が基本だったから、まぁ楽しかった(笑)




この並木道、感動的に美しかったです。

実は私、『ハンガリーの男性』にちょいと興味があった。(あ、変な意味ではなくて。)
なぜかというと、私が巡礼出発前に愛読していた数少ない巡礼ブログのうち、なんと2人(日本人女性)が巡礼中にハンガリー男性と恋に落ちている模様なのだ。
しかも1人は国際結婚に至っているという。奇跡的な確率じゃーないですか?
恋愛は国籍の問題ではなく個人同士の相性なんだろうけど。


あっという間にパレス・デ・レイの街に到着。まだ9時半だ。



彼らと一緒に教会を見学したり、写真をとったりしつつ。


パレス・デ・レイの街もポルトマリンと同様にこじんまりとした街ながら生活感と活気があり、いい雰囲気。

バールでの小休止を挟み、また歩き出す。



このときガボウから聞いたハンガリー料理がすごく美味しそうだったんだよなぁ。
でっかい肉と野菜を煮込んだもの、というくらいしか理解できなかったんだけど、
彼があまりにも美味しそうに話すもんだから、私までクチの中にヨダレがたまってきたくらい(笑)
なんていう料理だったけな、名前をメモっとけば良かったなぁ。



パレス・デ・レイの街を出てからは森の中の小道を進む。
気持ちいい~。

この日は珍しく暑い日だった。
冬のようだったカミーノも、ようやく夏ってところかな。


貝殻、かつ黄色い矢印。


残り55.5キロ!

森の中のベンチにはずらっと巡礼が並び靴を脱いで休憩。
全員、目指すはメリデ!!

と、いっても男衆についていく根性もなく、先に進んでもらうようお願いを重ねて再びのひとり旅。
だれかと楽しく歩いていても、ひとりになるとどこかホッとしてしまうのは根が自分勝手なんだろうな。

メリデに着いたら美味しいタコ料理の店に連れて行ってあげるよ~という言葉に励まされてラストスパート。


この橋を越えたら…


メリデー!!

と思ったら違うんです。

まだひとつ手前の村だったのです。マジか。。。
そんな村(私の)地図には載ってないっつーの。


本当に本当に小さな集落。


このおばちゃん、すごい荷物だったなぁ。

あんまり疲れていたから、大丈夫?って声かけたら

ありがとう、ここでしばらく休んでいくからOKよ、って。

うん、無理はせんといてよ。今日は暑いし。


名もなき(ホントはあるはず)の村の一角。

村で休憩していると、メリデかと思ったら違ってたよ~と
私と同様のことを話しているグループも。わかるよ、わかる。


村を抜けて気持ちのよい道をぐんぐん歩くと…


今度こそメリデー!!


まさかの都会っぷりっっっっ

ポルトマリンとか、パレス・デ・レイくらいの規模を想像してたから本当に驚いた。

とりあえず公営アルベルゲを目指す。

ところが、黄色い矢印どおりに行ってもどーしても見つからない。
別の私営アルベルゲに辿り着いてしまうのだ。
公営と私営では倍半分料金が違うことを学んだ以上、できれば公営の方に泊りたい。


こんな都会でもシエスタ中はこんな具合。

ウロウロしていると、同じように迷ってしまっているらしい女の子2人組と一緒に。
午後2時を過ぎた路地は人通りもほとんどなかったけど、そこはスペイン女子。
任せて~と、誰もいそうにない建物の奥にどんどん入っていき、人を連れ出して来て道の説明をしてもらっている。
ありがたや~。。。

オチとしては、公共アルベルゲを示す矢印の上に私営アルベルゲ行きのでっかい矢印があり、でかい方だけ見てしまっていたようだった。

それでも最後まで正面の玄関には辿り着けず(なんでやぁ)
3人で裏庭の洗濯物干し場から突入して受付をしてもらうという有様でしたが
ようやく受付を済ませることができたのでした。ふーっ。


時計はまだ2時半。
今日はまわりに巡礼が沢山いたおかげで随分いいペースで歩くことができた。

少し先に到着していたアンドレアも私の想像以上の速い到着を喜んでくれた。
ほらっ!erikoは歩けるって言ったでしょ!?って。
このドSが(笑)

彼女いわく、近くに良いスーパーがあるから、というので昼食がてら外出。
といってもメリデは思った以上に都会でスーパーやバール、レストランも豊富。


記念撮影する巡礼があちこちに。
サリアを通過してからというもの、街という街が大きく活気があるのは間違いない。


雰囲気のある町並み。
広場で遊んでる子どもに癒されたなぁ。


そして、何より楽しみにしていたのがこのプルポ(=タコ)!!!


旨すぎ警報発令ー!!!!

何コレ何コレ何コレー!!タコってこんなに美味しいの!??
ゆでたタコにオリーブオイルベースの何かを少しかけ、上に七味みたいなのを振ってるだけ、っていうものすごく単純な料理なんだけど、コレ最高。

昼間に何度も「プルポには赤ワインだからね!」って言われてたけど、
私は迷わずビールを注文♪
いやー、これはビールでしょ。


あっという間に完食。
残ったソースをパンにつけてもまた美味しく、キレイに平らげました。

ベジタリアンのアンドレアはタコも食さないという。
もったいな~いっっ
と、私は単純に思いますが、個人の信条というのは難しいものです。

私が立ち寄ったお店では巡礼用のスタンプまで用意してくれており、大満足。
(もちろんタコの絵柄)


夕方は街をブラブラ散歩したり、昼間のスペイン女子たちとおしゃべりしたり。


我々が見つけられなかったアルベルゲ正面玄関。

そして数時間後、ベッドに戻ってきてビックリ。

アンドレア!
髪切っとる!!

このブログにも何度か写真を掲載させてもらっている彼女だが、出会った時から既に坊主頭みたいなモンだった。
それがさらに短くなってるのだ。

ええええええぇぇぇぇぇ!!

この前後で写真を撮ってなかったことが本気で悔やまれる。

驚く私に、

巡礼中に伸びたしさ、と思ったらそこの店でたった○ユーロだったし。(覚えてないけど確かに激安だった)
オーストリアで切ったらこの3倍はするんだから!
スッキリしたでしょ?
erikoも切ればいいっ

と、なぜか必死に話す彼女とそのクリクリ頭が思いっきりツボにハマって、爆笑。
あー面白かった。


大きな部屋がいくつもあるメリデの公営アルベルゲも、私たちが寝る前にはだいぶベッドが埋まったようだった。
歩いているときはわからなかったけど、相当な人数。

サンティアゴに近づいてるんだなぁ、と実感する。

昨日まではのんびりしたいモードだったけど、ここまで来たら一気にサンティアゴまでいこう。

明日どんなに無理しても大丈夫。
カミーノは残り2日。


気合いだー!!





にほんブログ村 旅行ブログ スペイン旅行へ
にほんブログ村