巡礼26日目〜女心と秋の空〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月8日

Villafranca del Bierzo → La Faba 25.2km


しとしと雨が降る音を聞きつつ、今日も歩きだす準備。

昨日の大雨ほどじゃないけど、朝からの雨なんて一体何日ぶりだろう。

アルベルゲの朝食に定番パンとコーヒーの他に、この宿はなんと目玉焼きがあった!!
しかもパンも何種類かあって、焼いてくれてるやつも。飲み物もコーヒーだけじゃなくてジュースまで。
美味しかったー!
夕食もここで頼めばよかったかな。


ゆっくり準備をしているうちに、雨はやんでいた。
地面もそこまでぐちゃぐちゃしてない。
念のため裾カバーをつけてしゅっぱーつ 。



朝7時。天気悪い。


昨日の夕方歩ききれなかった街中を通っていく。




これは、橋?じゃないな。なんだろう。


そしてまたもや私とアンドレア2人は王道の巡礼路を離れて、あえて山を超えて進むオールド・カミーノへ。



いきなりの激坂にさっそく不安を覚えつつ登り始める。


街を見下ろす。ふーっ。


ここ、かなりの急勾配でありました。

すごい登りだね!
私の街じゃこのくらいの坂普通よ~
マジか!
オーストリアのアンドレアが生活している街は坂道だらけらしい。


まるで平地のごとく歩く彼女。


のぼり初めて30分もしないうちにビジャフランカ・ビエルソの街はすっかり小さくなってしまった。

それにしても天気が悪い。今にもひと雨きそうだ。



すっかり潰れてしまった指標を通り過ぎる。


ちょっと道がひらけた。


天気が良かったらすごくいい景色に違いない。



どちらかというと周りの人に比べてゆっくりペースの私たち。
普段だったら山道を2時間近くもあるけば何人もの人に追いつかれるけど、今日はほんっとーに誰にも会わない。
みんなもう1本の国道沿いのルートを選んだんだろう。

たしか少し前にもこんなこと会ったね~。
あのときは黄色い矢印がなかなか見当たらなくてドキドキしたんだっけ。
今日は1本道だから心配ないわ~、、、

なんて話してると、私たちはこんな場所にいた。


ん!?

道なーーいっっ

アンドレアと、道間違えたかな?いや、さっきの矢印はこっちを指してた…といいながらキョロキョロ…

すると1本の木に小さく黄色い矢印が。
いけー!

ときどき道っぽくなったりもするけど、基本的 にはこの木々の中をジグザグ進む。
遠くにある木の矢印を見つけてそれ目掛けてどんどん下る。
フカフカの道が気持ちいい~っ


それにしても何の木なんだろう。。


と、思ったら早速答えが。




15分くらいで道なき道から緑の道へ。
むせ返るような土と新緑の匂い。


とろーん、と気持ちよさそうに眠るワンコの村を通り過ぎる。


そろそろ休憩したいな~。



いつのまにか国道に出た。

この国道沿いのドライブイン(?)的な場所にあるカフェで休憩。

ここで小さな不穏の種が。

ここでの支払いは前でも後でもどちらでもよかったみたいなんだけど、私はアンドレアがトイレに行った間にちょうど店員さんの手が空いていたので支払いを済ませていた。

で、アンドレアが戻ってきて少し休憩、、そろそろ行こうかという頃になるとやたらとカフェが込みだしてなかなかアンドレアの支払いができない。

erikoはもう払ったの? 
払ったよ~。
こんなに人が多いんだから、払えるタイミングがあったなら一緒に払ってくれておいてもいいのに!

なんだかアンドレアが異常にイラつきだした。

私はなんで彼女がこれくらいのことで怒るのかわからなかった。

待てばいいやん、私たち時間だけはたっぷりあるじゃーないの。


とりあえず無事支払いは済んだものの、引き続きイライラをぶつけてくる彼女と歩くのがしんどくなり、私は少し距離をあけて1人で歩くことに。


とりあえず彼女のことは気にせずいこう。
次会うときには元どおりかもしれんし。



面白みのない国道の歩道から。
高速の下をくぐった先にあるパンデリア(パン屋さん)でバゲットを買ってリュックに詰める。




ここからは転々とする小さな村を通り過ぎながら進む。




おおっ馬が服をっ


30分もしないうちに次の村が現れ、アルベルゲもあるみたいで誘惑 にかられるけど、今日はアンドレアとこの先のラ・ファバを目的地と決めている。
そこまでは頑張ろう。

途中の薄暗いバールでの休憩を挟みつつ、、


いつの間にか山道に!!


し、しんどい…



自転車組も相当しんどそうだ。


しとしと小雨が降る中ひとり登り続ける。


少しずつ、少しずつ進むとようやく目的のLa fabaの文字が。
やったー!

看板にそって進むと、その後いきなり道がT字に分かれた。
右にも、左にも、進む先には何も見えない。

うーん、どうしよう…
雨も強くなってきたし適当にどっちかに進んでみるか?

すると私の後から3人グループが。
私がどっちにアルベルゲがあるのかわからなくて、というと、私たちもアルベルゲを探してるから、、とすごく詳しそうな地図付きガイドブックを開いてくれた。
助かったー!


どうやら左右どちらに進んでもアルベルゲはあるが左は定員10人の小さいアルベルゲ、もう一方は40人は入る、と。
この雨だし 、確実に入れそうな右側に進むのがいいと思うけど、どうかな?って。

なんてありがたい情報!
私も右にする!ありがとう!!


雨の中、黙々と4人で歩き、アルベルゲに到着。
みんなで顔を見合わせてにっこり。よかった。。

アルベルゲの入口では冷たいジュースが振舞われており、ようやくひと息つけたカンジがした。


ありがたや~。ごちそうさまでした。



そして受付をしていると、オスピタレロのおじちゃんが、あれ、日本人?eriko??
なんで知ってるん・笑

友達から聞いたよ、必ず来るからベッドをとっておいてほしいって。
マジですか!

そんなやり取りをしてるとアンドレアが出てきた。
雰囲気から、いつもの彼女に戻っているのがわかる。よかったー!

ここにはアルベルゲが2つあったし、いつまでも来ないからどうなってるのかと思った、と。
私も今日はこれ以上は歩けない、ベッドが確保されているのは本当に助かる。ありがと~!


ちょっとログハウス風??清潔感があっていい感じのベッドルーム。

とりあえず荷物をベッドにおろしシャワーへ。
ところが男女別に1つずつしかないシャワーはすでに何人か並んでいる。
私もとにかく雨と汗でじっとりした服を脱いでしまいたくて並んだ。
3、40分くらい待って私の番*\(^o^)/*


疲れたカラダに熱いシャワーがもう最高に気持ちよかったー。
もうこれだけで幸せ。。。。


あとに続く人のために素早く終わらせ、次は洗濯。
絶対明日までに乾かんやろなー。


いろいろやってたらもう4時過ぎ。
アルベルゲ近くのメルカドが4時に開くという情報をゲットしてアンドレアと買い物に出発。
昼抜きだから腹ペコだ~。


ここで食材と一緒に石鹸を購入。
スペインにきて、髪も顔も身体も洗濯も全部石鹸1コで済ませてる。
小さなメルカドに2種類だけあった石鹸であえて高い方を買う。


そしてここでまた ア ンドレアがイライラしだした。
今度は何!?

どうやら昨日私が買ってた夕食用の材料を今朝アルベルゲに置き去りにしてきたことが腹立たしいらしい。
他の巡礼たちが料理を始めるまでにアルベルゲに帰らないとキッチンが混む、と。

ちょっと待てー!パスタだけで500g、他のもの合わせたらもっとあったやんっっ
この峠越えでそんな荷物もてるかっつーの。
っていうか買ったの私やし!!

ここで昼間以上に険悪な雰囲気に陥り、それでも材料を2人分そろえてしまったので一緒に夕食は作ることに。

あー、、めんどくさい日。。


さらにこんな(めんどくさい)出来事が。

この巡礼を始めて初日からここまでほ ぼ同じペースで歩いているスペイン女子がいるのだが、 私はこの女の子がどうも苦手だった。
とてもアグレッシブというか、物言いがキツイのだ。
そしていつも何人かの男の子に囲まれている女王様のような女の子。
でも美人で英語も得意で、言いたいことをはっきり言う。
自分にないものをもってる彼女がとても羨ましくもある。


そんな彼女は昨日も同じアルベルゲに泊っていたのだけど今日宿についたのは夕方6時を過ぎていた。
どうやらグループで歩いてたみたいなんだけど、すごい山道を選んだここまで来たようで、散々だったわ…とのこと。
いつも元気な彼女らしくなく、疲れて苛立っているのが分かる。
(地図を見ると私たちが選んだ道以上に険しいルートもあるようだった。)


空いているベッド以上の人数で到着した彼女たちは、オスピタレロと交渉してスペースを 使わせてもらう必 要があったのだけど、既にオスピタレロの姿は見当たらなかったようで。

たまたま近くにいた私に、何やらすごい勢いで話しかけてきた。
あまりのスピードにえ!え!?となっていると次に違う夫婦に同じ勢いで話しかけだした。
そのご夫婦も彼女の勢いに固まっている。
どうやら彼女はその夫婦をオスピタレロと勘違いしたようだ。

夫婦が違うよというそぶりをすると、あらごめんなさい!彼女がそういったの!って私の方を見た。


言ってないやろー!!
と、大きく反撃できない自分が情けない。
ポカーン、とするばかり。


いつのまにか彼女のグループに入ってたデイビ ットがすぐに私の元に来て代わりに謝ってくれたが、私はなんだかどっと疲れてしまった。


こんな日は別のことをして気分転換しよう。



アルベルゲの横には小さい教会が併設されていた。
(あ、教会の横にアルベルゲが併設されてるのか。)


教会で行われていたのはペリグリーノ達(巡礼)のためのミサ。
小さな教会の中に巡礼たちがぎっしり。


私はキリスト教徒ではないけれど、巡礼路には毎日のミサをかかさないというような敬虔なクリスチャンもいる。
彼らが跪いて十字架をきっている様子は映画のワンシーンでも見ているような気分になってしまう。


ひざまずく、といえば私はスペインに来るまで知らなかったのが、教会の椅子の前に敷いてある板 の役割。
これがあると椅子の間を通るときすごい邪魔、、なんて思ってた。
違うんですね!
これはお祈りを捧げるとき に膝を置く場所だったんだ。石造りの教会の床は驚くほど冷たいから。
今まで足をのっけたりしててゴメンナサイ。。深く反省。


牧師さんの言っている言葉はわからないものの、まわりに合わせて立ったり座ったり、まわりと握手したりハグしたりする時も。
ときどき聞こえる『ペリグリーノ』とか『カミーノ』『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』という言葉から巡礼の 無事を祈ってくれているのかな、、と思われる。


ミサの最後には小さいお菓子を牧師さんのところに行って受けとるのだけど、これを受け取れるのは本当のクリスチャンだけらしい。


ミサ終了後、希望すればクレデンシャルにスタンプを押してもらうこともできる。


静かな場所でちょっと気分が落ち着き、ベッドに戻るとアンドレアもイライラが収まったようで、明日はどこまで歩こうか?なんて話してた。

ついでにあの女王様もいつの間にかすっかりご機嫌だ。
一体夕方のあれは何だったんだ??

まー、こんな日もある、か?
とりあえず、良かったとするか。
女子の気分が変わりやすいのも世界共通であろう。

それに私だって人のこと全く言えない気分屋だ。
今日の彼女たちなんて目じゃないかもな(-_-)


なかなか乾かない洗濯物をヒーターの上に干して寝ることに。
6月に入ってもヒーターが活躍してるってすごい。


明日は晴れますよう に!!
気分も晴れますように!!







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