巡礼24日目〜スペインで感じる四国〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月6日

Foncebadon → Ponferada 26.9km


楽しい一夜を終えての朝。
山の中だけに冷えているけど確実に一日一日寒さは和らいでいるように感じる。
みんなが起きるのに合わせて今日も動き出した。




今朝も花の道をゆく。


一面のピンクの花。
昼間の真っ青な空の下でも見てみたかったな。


30分くらいで峠の頂上に到着。



『La Cruz de Ferro』

巡礼路の途中にはこういう大きい十字架は何度も見かけたけど、この十字架はどうやら特別らしい。
ほとんどの巡礼がここで記念写真をとって盛り上がっていた。

アンドレアによると、ここに自分の故郷から持ってきた石を置くことで願いが叶うらしい。
そういえば私もそんな話を聞いた。
出発前にはすっかり忘れていたけど・笑

私は写真だけとって軽くその場を通過しようとしたのだけど、アンドレアはこの場所に大変な思い入れがあるらしく、たくさんの巡礼がいなくなったときに静かにここに石を置きたい、と。
彼女なりの巡礼への思いがあるんだろう。



元々丘だったところに十字架がたったのか、それとも巡礼たちが積み上げた石で丘ができたのか。
十字架の 足元には巡礼たちが置いていったものがたくさん置いてあった。


今日は峠を超えたら長い長い下り坂。標高1500mから一気に500mまで。
私が登り以上に注意しているのがこの下り坂なのだ。
巡礼序盤に膝を痛めたのを思い出す。


アンドレアも私と同じく下り坂で膝を痛めた過去があるためお互い油断せずゆっくり歩こうと昨日話したところ。
なかなかひと気のなくならない十字架周辺で待機する彼女と別れ、ひとり先を行くことに。



ゆっくりゆっくり。


不思議な雰囲気。マンハリンのアルベルゲ。


ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら進む。



ようやく明るくなってきた!


絶景~!!

景色がいいと見とれてどんどん歩きだしてしまうから要注意。


足元はゴツゴツ道なのだ。


十字架から歩くこと2時間、小さな村が見えた!



やっと休憩できるぞ~。


村の入口のバールは巡礼で満員御礼。
ここでキャリー親子と合流して一緒に中へ。

今までのバールと違い店員さんが何人もいてものすごくテキパキと働いていた。
すごいな~!と見とれているとその分料金も高めだった。
いた仕方なし。


あったまったー。

そういえば、昨日から よく会うフランスおばちゃんチームから会うと必ずサパ~?ってご挨拶される。
よくわからなかったから、なんとなくサパ~!って返してた。
キャリーにそんな話をすると、サパーは英語で夕食のことだけど、、、たぶん違うよね~、聞いたことないな~って。
サパ~、って何なんだろう。

(その後、サパー?はフランス語でHow are you?みたいな使い方らしいことが判明。ほほー。)


村にポツンとあった機械じかけの人形。
どうやって動かすのかイマイチわからなかった。


村を出たところ。徒歩巡礼は左へー!


相変わらず開放的な良い道。


なかなかの美人。


ひとっこひとりいない小さな村を通過。
ほんっとーに誰もいなかった。


村を抜けるとすぐにまたこんな道。




キャリーと前後しながら進んでいると、なぜか途中で2人して巡礼路を外れて草ぼうぼうの道へ。2人であれ!?ってなってると他の巡礼も一緒についてきてしまってて慌てて元の道へ。
2人で超笑いました。

黙々と歩いているといつのまにか・・・



モリナセカー!!


モリナセカは私が巡礼前に見たテレビ番組で四国と親交のある村だと紹介されていた。
しかも四国の遍路博物館まであるとか。
興味をもった私は日本を出発する前にこの博物館のことをネットで検索しまくったが、この博物館について書かれたサイトどころか、立ち寄った人のブログすら見つけることができなかった。


村の入口で出迎えてくれた教会。

この辺でまたフランスおばちゃんグループと合流。
なんだか人数が増えてる!笑

その増えたうちのひとり、アニクが英語ぺらぺら!
そこでようやくこのチーム・フランスの詳細がわかるのでした。
みんなは同じ病院で働くメンバーで、看護婦、オペレーター、洗濯係、、などいろんな職種の人が集まってて、それぞれが好きなペースで歩いてて、ときどきこうやって合流しているらしい。
私も以前病院で働いてた時期があったから、その偶然に盛り上がる。


モリナセカには日本に関係する博物館があるみたいなんだけど、、と話して みたけど当然だれも知らず。
と、いうかここまでの聞き込 み(笑)でだれも知る人がいないその存在。



絵になるな~。


とりあえず村の中へ!



バールで休憩するというアニク達と別れ、私はモリナセカの観光案内所を探すことに。
とにかくできることはやってみよう。

ところが、人づてに聞いてみつけた観光案内所は閉まってた。ガーン。。。
マジかー。

その後もキョロキョロしながら歩いていると、道沿いにあったレストランの店員さんに話しかけられた。
日本から来ててお遍路の博物館を探してるんだけどね、、と言うと、そうか!日本人か!俺は日本人が大好きなんだー!!さあこっ ち!と雨の中にも関わらず私を案内してくれだした。
おおっ!もしや!?


これは!!


博物館じゃないけど、すごいっ
カミーノに日本語の石碑があるー!!

驚く私に、店員さんも満足げな表情で、ブエン・カミーノ!と爽やかに去っていった。
ムチャグラシアース!

たまたま通りかかったひとりの巡礼も、この石碑をみて、日本の道とカミーノで関係があるなんて知らなかったと石碑に興味深々になってくれていた。

嬉しい気持ちになっているといつのまにかモリナセカの村を出ていることに気付いた私。
博物館は無理でもせめて記念にモリナセカのスタンプは欲しいと思い、村の中心から20分くらい歩いたところにあるアルベルゲに入った。

泊まる?って聞かれて、モリナセカのスタンプだけくださいと受付の人にお願いするとちょっと残念そうな顔をされたけど、押してもらえた。
ついでにちょっと休憩させてもらうことにして荷物を下ろすと目に入ってきたのは・・・


ん!?


ん!?


んーーー!?
『遍路展示室』の文字があるではないか!!

もしかして!と思い受付の人にお遍路の博物館しってる?!と聞くと、
彼に聞きなさい、とひとりのおじさんを呼んできてくれた。
ここのオスピタレロらしい。

記事のことを聞くと、オオー!私は四国を歩いたんだよ!全部じゃないけどねって。
この記事の左に写ってるのは私だ!と自慢げに話してくれた。
マジか。
お遍路の博物館は午前はクローズだけど、午後の5時には開く、と。

なんで5時!?笑

ここに泊まることにして夕方博物館にいこうかとも考えたけど、今日は夕方アンドレアとポンフェラーダのお城を見に行こうと話していたのだ。うーん。。

他の巡礼が飾ってあった遍路てぬぐいを見て、あれは何?と次々と説明を求められ、カタコト英語で一生懸命説明。
私の地元がこの四国でこの寺とこの寺の間に家がある、、、 なんて話しているうちに、1時間近くこのアルベルゲに居座っていた。

なんだか博物館(というほど大きなものでもないらしい)に行くまでもなく、すっかり満足してしまった私は、当初の予定どおりポンフェラーダを目指すことにしてアルベルゲを出発。




気がついたらまわりには誰もいなかった。
私はいつのまにか巡礼路を外れて他の道を歩いていたようだ。


モリナセカから1時間半、今日の目的地のポンフェラーダに到着。
寄り道のおかけですでに3時をまわっている。



なんとか見つけたアルベルゲ。


ポンフェラーダのアルベルゲは受付を待つ人で長い行列が 。
前の方にはモリナセカで分かれていたアニク達が!おーいっ

しばらく並んでいると後ろからアンドレアが!
タイミングばっちりやん!


案内してもらった部屋は30人は余裕で入る大部屋。
こりゃきつそーだな。

シャワーにいこうと準備をしていると、ひとりの女の子に声をかけられた。
久しぶりのコリアン!!
なぜだかブルゴスを出て以降あんなに沢山いた韓国の皆さんにほとんど会っておらず、ものすごく不思議に思っていたのだ。

このミヨン(ハタチ!)によると、まわりの韓国人はブルゴスとかレオンのあたりをバスでスキップしてたから、erikoの知り合った人たちもバスに乗ってし まったんだと思う、って。
そうやったんかー!

ミヨンは気合いで歩いているらしいが、豆で足の裏が大変なことになっていた。
この針と糸使いな~まだ新品だからって渡すと、ものすごく驚いて一体これでどうするの??って。

針に糸通して豆に通してしばらくしたら水がきれいに抜けるからって教えると、そんな怖いことできない~って。
本気でこわがってるのが可愛くて面白くて。


今日は洗濯もアルベルゲでやってもらうことにして、昨日から楽しみにしていたお城を見学しにいくことに!


受付の列もなくなり,寛ぐ巡礼たち。



街を歩きつつ、とりあえずアイス。
どれにするかめっちゃ悩む。。


アイスというよりジェラートかな。美味しかったー★



ポンフェラーダの街中にどーんっとあるお城。
『Castillo de los Templarios』

テンプラリオスの城、ってこと?

テンプラリオスって数日前に宿泊したアルベルゲの名前にもついてた。
どうやら昔この辺で名を馳せてた騎士団の名前?とのこと。

王侯貴族じゃなくてひとつの騎士団が城持ってるってすごいな。





入るぞー。

お城、正確には城跡。




兵どもが、夢のあと・・・


かつての姿を想像しながらのんびり散策するにはうってつけ。

入場料に含まれてた博物館にも入ってみた。

その中でバカうけしたのがこれ!!


通路から覗き込めるな んにもない四角い空間、ここをのぞきこむと
赤く薄気味悪い光の中にこのおじさんが浮かび上がって何やら解説を始めた。

スペイン語だったと思う。
もちろんひと言も理解できなかったけど、たぶんこの城の歴史なんかを語ってくれてたんだと思う。たぶん。



昔はこの川がお堀のような役目だったのかな。




高台にあるにで眺めもなかなかのもの。


なんだかんだと1時間をこの城跡で過ごし、街歩きへ。



城壁のまわり。


巡礼路沿いの街には必ずこんな巡礼用品店がある。


立派な教会に立ち寄ってみたり。


この街で一番気に入った場所がこの時計台を兼ねている門。
なんか魔女の宅急便に出てくる門みたい~っ


下をくぐるだけでテンション上がったー!

この門をくぐった先の広場でひと休み。


ヨーロッパの街中にあるこういう広場、ホント好き。

ひとの流れをボーっと見ながらのんびり。

800キロあった巡礼路も残り200キロ。
あと1週間、長くても10日はかからないだろう。
終わっちゃうね、、とアンドレアとちょっとしんみり。早いか(笑)



人生初・ケバブ!ヨーロッパではポピュラーなファストフードらしい。

食べ方をアンドレアにレクチャーしてもらいぺろっと完食。美味しかったー( ´ ▽ ` )ノ
日本でも食べれたらいいのに!
それにしても最近マジで食欲旺盛。
お酒をほとんど飲めない私はバールでちょいとつまむくらいじゃ足りん・笑



食べ終わる頃には青空が。
これで夕方7時半とは思えません。


のんびりアルベルゲへ帰る。



気持ちよさそ~っ でも寒くない?


部屋に戻るとコリアンチームで買い物していたミヨンも戻ってきていた。

針試したー!?笑

ううん、無理! どうすればいいの~!?erikoは針で刺した後どうなったの!?
とりあえずこれどーぞ!とばかりに
カップケーキにヨーグルトに・・・と買いすぎたからと沢山いただいてしまった。


私がお裾分けしてもらった食糧のお返しを探していると、先にアンドレアが豆ができた上に貼る専用テープをミヨンに渡した。
ただ上から貼るだ けだからと説明すると彼女は安堵の表情で針をご返却。
100%いじられ体質のミヨン、面白すぎたー(*^^*)




広いキッチンで夕食をとりつつ(食べ過ぎ!)ポストカードを書く。
スペインから愛媛に手紙を出すとだいたい1週間で到着しているらしいことがわかった。
1週間後私はどこまで歩けているんだろう。





峠越えに、モリナセカの村にポンフェラーダの街歩きに…
いつも以上に盛り沢山だった今日1日。

最近どんだけ動いてもまだまだ動ける気がする。
このにぎやかな30人部屋でも寝れる心配だ。

耳栓だけは忘れず、おやすみなさい。





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