巡礼19日目〜ひとり旅ふたり旅〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年6月1日

Calzadilla de los Hermanillos → Mansilla de las Mulas 23.3km

ついに6月!
気がつけば日本を出発してちょうど3週間経った。
本当に本当にここまであっという間だったな。
私はまだまだ歩きたい。


今朝もごそごそ活動開始。
暗闇の中で寝袋を畳むのもかなり早くなってきた。

リビングで朝ごはん、と思い昨日メルカドで買った食材を持ち込むと、
昨日道案内してくれたオスピタレロのおじちゃんが、これもどうぞ~とスライスしたパンやジャム、バターを出してくれていた。
こんな早朝からオスピタレロがみんなの世話を焼いていることに私はものすごく驚いた。


みたところ巡礼のほとんどはセンダの整った新しい巡礼路を選んでおり、このアルベルゲに宿泊しているのは10人もいない。(ちなみに前後20キロ宿なし)
全員が平均的な宿泊料くらいを払ったとしてもせいぜい1日5000円とか?
お金を払えない人が泊まったっておかしくない。
建物は確かに古いけど、全部キレイに掃除されてて全く気にならなかった。
お湯も出たしトイレットペーパーもあった。
完全に赤字だ。
本当にアルベルゲって善意で成り立ってるんだと改めて実感。
またここに泊まれるように願いを込めユーロをBOXに入れて7時、出発。


ありがとー!


あぁ、今日もいい天気になりそう。

今日はここから25キロ先まで村がひとつもない。
覚悟して歩かなくては!



昨日に引き続き赤い道。


赤い野原。


私は晴れというだけどパワーが沸いてくるタチだからもう、ドンドン歩く。
アンドレアも自国で太陽に飢えているためこんな天気のいい日はドンドン元気になっていく。
そして薄着になっていく。
途中から半そで、短パンやったからね。

それはさすがに寒いんじゃない!?笑
せっかく太陽が出てるのにもったいない。erikoはいっつも長袖で冬みたい~って。
いや、私にとってはここ冬とはいかんけど確実に夏じゃないけん。



平原にぽつりと佇む駅舎。
もう使ってないみたいでボロボロ。でもこの打ち捨てられた感がソソル。


きた!


どっちも長いなぁ。


なんの目印もないままアップダウンを繰り返す。
いまが地図のどの辺なのかも分からなくなってきた。


そしてスタートから4時間!!たったころ、巡礼路からそれる左に続く小道が現れた。
こういう道はたいてい地元の人しか通らない道であろうと思われ今まではスルーしてきたが、その道の向こうに村!?らしきものが見えた。

私はそろそろゆっくり休みたいしあの村に寄っていこうと思うってアンドレアに話した。
でもあの村私の地図には載ってないしこのまままっすぐ行きたい、と。
うーん、確かにかなり遠回りになりそうやしなぁ、でも面白そう・・・

こういうとき最初から2人組だったらどっちかにあわせるんだろうけど、1・1の私達はこういう選択をわりと各自でしている。
アンドレアはそのまま真っ直ぐ、私は左を選んだ。

じゃあまた後で~っと別れたあと、私は左折して村を目指した。


かすかに見えていただけの村は10分もしないうちについた。
とりあえずメルカドかバールを探そうと村をウロウロ。すると、なんと黄色い矢印が!!ん?ここもカミーノなの?

このまま村を出てしまっても困るので通りすがりのおじちゃんにお店の場所を聞いてそっちの方向に歩いていく。
真っ昼間の刺すような陽射しが日陰さえ作ってなくて、夢の中にいるみたいだった。


おじちゃんに教えてもらった方向にどんどん歩いても民家しかなくて店はない。
で、教会の前に差し掛かったとき、おばあちゃん2人組が。
ブエノスディアース!
スペイン語のおはよう、なんだけど午後2時くらいまではこれを使うらしい。

あらあらカミーノはこっちじゃないのよ、という風に今私が来た道を引き返すように示してくれたので、バールの場所を尋ねると、ポラキ~って。
こっちだよ~って風に使うみたいで地元の人のポラキ~!には何度も助けられている。

その言葉通り、巡礼が何人も休憩してるバールが!
賑わってる方のお店に入ると、なんとも迫力のある店内・笑


外の明るさとのギャップに一瞬たじろいた。

飲み物を受け取り明るいテラスへ。
時々前を通り過ぎる巡礼と挨拶を交わしたり手を振ったりしながらまったり。

重い腰をあげてお会計と一緒に巡礼手帳にスタンプを押してもらったら、そこには「RELIEGOS」とある。
これは私たちが昨日選ばなかった方の巡礼路の途中に示されてる村の名前。

どうやら私がひとり歩いた小道で古い巡礼路と新しい巡礼路がつながっていたみたいだ。

ってことは元の道に戻らなくても大丈夫やん♪
アンドレアとは次の街でまた会えるだろう。せっかくだからここからはもうひとつの道を楽しもうではないか。


レリエゴスの控えめな教会。


村から出てもうひとつの巡礼路へ。



今までの赤い道とはうって変わってひたすら続くセンダ。

また新鮮な気持ちで歩いていると、昨日分岐点で別れたおじさんに再会。オラー!


さっきの村からこの道に合流したんです、向こうの道も素晴らしかったけどこっちの道も試してみることにしたんですって言うと、
おじさんは完全にぐったりした表情で そうなんだ、いいな~。。僕は昨日からずーーーーーーっとこの同じ風景を見続けてるんだよ。エンドレスだ、と。

そこから1時間、このおじさんの話を聞きながら進んだ。
彼はドイツで働いており、現在1年の休暇中だという。今おじさんの働いてる場所(国の機関の一部?)ではそういう長期休暇をとる制度を採用しようとしてておじさんはその実験台、とか??
私の英語力なので間違いだらけの理解をしてるかもしれないけど、おじさんの話はイチイチ、なにそれ!?と聞き返したくなる内容だらけだった。笑


そしてだんだん(私の頭の悪さにより)会話を続かなくなってきたところで街が見えてきた!よ、よかった・・・




マンシージャ・デ・ムーラス。


おじさんは街に入ってすぐの場所にあったアルベルゲに迷うことなく入ることを決めた。
周りにいた何組かの巡礼たちもどんどんそのアルベルゲに吸収されていったので思わず私も流されそうになったが、せっかくだから旧市街の方まで歩いてアルベルゲを探すことに。



恒例:お疲れ巡礼モニュメント1





この門を入ると旧市街。






アルベルゲの一部屋で荷物を下ろしていると、アンドレアがやってきた。
共用の靴箱に私のがあったからどこかにいると思って探してくれたらしい。
とりあえず先に到着してた彼女の部屋の方が広くて明るかったのでそっちに移動。


アルベルゲの窓より。

ここの公営アルベルゲも、ほんっとーに良かった。
適度に開放的で明るい。キッチンも広いし洗濯物もたーっぷり干せる。
ただシャワールームがみんながいる中庭に面しててその上男女別じゃなくてカーテン1枚で仕切られててお湯が出ないのに焦ったくらい。


お昼を食べたあと部屋に戻ると、私の2段ベットの上にいたのは2日前アルベルゲで一緒だった日本人tomoさん!
また会えた~!

このtomoさんも私と同世代なんだけど、会社に交渉(!)して獲得した長期休暇を利用してカミーノの巡礼に来たらしい。すごいですね~!っていうと、
すごくはないけど、いいんです、人生の夏休みなんですよって。
あ、なんかいいな、それ。
まぁ彼と違って帰る職場のない私は気をつけないと永遠の夏休みになってしまいかねないが(涙)


アンドレアと散歩に出ると街は恒例・シエスタ中。









私たちが泊まってる公営アルベルゲの前の通りはバールやスーパーも多くて他のアルベルゲの巡礼も集まってきていた。
顔見知りに会うたびに、あー!!って言いながら立ち止まる。

ここで3日目のスビリのアルベルゲで一緒になって以来の仲良し、ピーター達と会った。
eriko、日本のクレデンシャル(巡礼手帳)をみんなに見せて!って。
アメリカとカナダからやってきたメンバーだったんだけど、みんな一様にカラフルなクレデンシャルに驚いてくれた。

あ、これがあなたの名前?kanji!?そこはちょうど日本の連絡先を書く欄。
私じゃなくて夫の名前ですというと、絶対ウソ!あなたいくつなの!?学生かと思った!!若いね~!などと嬉しすぎて倒れるようなことを次々おっしゃっていただけた。
・・・残念ながらこのあと初対面のアジア組に「30歳くらいですか」と崩れ落ちるひと言を言われあっという間に夢から覚めるのですが。


さて今日の夕食は、となったところでアンドレアの提案は、なんと米!ライス!!
食べたいって言ってたでしょ?って。
しかも既に昼間のうちに購入済みという。
キッチンの鍋でつくる、と。鍋でごはん炊くなんて家庭科で一回やったきりだ。
スペインでごはん炊くとか思いつきもしなかった。
とにかく日本を出発して以来の白米。嬉しすぎるー!
シエスタ明けのスーパーでおかずの材料を買ってスタンバイ。
彼女が炊いてくれたごはんはもう美味しすぎた。五臓六腑に沁み渡る。。。
私の作った親子丼もどきのおかずも喜んでもらえたようでひと安心。
久しぶりに超・満腹になるくらい食べてあまったごはんはおにぎりに。はぁー幸せ。。

パスタもパンも美味しいけど、やっぱり米だな~としみじみ感じましたとさ。



なんだったか思い出せない温泉っぽいマーク。




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