巡礼18日目〜迷って壊して失って〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年5月31日

Terradillos de los Templarios → Calzadilla de los Hermanillos 26.9km


昨日の夜は失態続き。

まずは期待していた夕食を食べ損ねた。
自炊のできないアルベルゲだったから併設のバールで食べようと思って夕食開始の時間にいくも席がいっぱい。
後でいっかーと思い1時間後くらいにいくとすでにセットメニューは全て終了。
ものすごく寂しい感じのボカディージョを食べるしかなかった。
私たちの後から来た何組かも、え!?ボカディージョしかないの!?とみんながっかり。。
まー何もないよりマシ(;^_^Aありがたく頂きました。


次は消灯後、毛布に包まって気持ちよく寝てたら深夜未明(?)、枕元においてたケータイを2段ベットの上から落としてしまった。

カシャーンって音で目を覚まし(°_°)(確実に他にも目を覚ましてしまった人がいると思う。ロシエンテ・・・)、そーーーっとベッドを下りて真っ暗な中手探りでケータイを探すが見つからない・・・なんてこったー!!


あんまりガサガサしてたら他の人の迷惑になると思いケータイの捜索を打ち切り寝ることに。
朝だれかに踏み潰されてたりしてな・・・ハハハ・・・


いつのまにか寝ついてて、他の人が出発の準備している音で目を覚ます。


寒い!と思ったら今度はいつの間にか毛布を下に落としていたようだ。
どんだけベットの上で暴れとんやろ。。
寝袋(というかチャックが全壊してただの布)のみで寒さをしのぎ明かりをつけても良さそうなタイミングをうかがう。


幸いにも同室のメンバーは早起きさんが多く、まだ窓の外が暗いうちからだれかが電気のスイッチを1つだけどオンにしてくれた。


待ってましたー!
急いでベットの下に降りて床の毛布を回収。ケータイは!?と見渡すと本体、電池、電池カバーと3つに分かれて飛び散っていた。
ギャーっ

慌てて元に戻すも液晶が一部死亡。
あーーー。。。。。


今日は村がちょこちょこあるみたいだから、少し歩いてから朝食にしようとアンドレアと出発。
まだ6時半だ。
どんどん出発が早くなっていく私たち。



日の出前。



私が今歩いているカミーノは東から西へ西へと歩いているから基本的に日の出は背中側なんだけど、ついつい振り返ってしまう。


春はあけぼの・・・なんとかかんとか・・・枕草子やっけ。
春は夜明けが一番よいってやつ。
学校で習ったときは、ふーんって感じやったけどね。
曙色ってこういう色かいね。

歩きはじめて1時間もしないうちに次の村に到着するも朝食がとれそうな場所はなし。
その上黄色の矢印を2人して見失いウロウロ・・・
こっち?あっち?っとやってるうちに道発見。ふーっ


そのまた次の村も手持ちの地図にはカフェマークがついてたけど村全体が眠ったままといった感じで朝食にありつけず・・・

昨晩のボカディージョくらいはとっくに消化済みなのでお菓子をつまみながら空腹をごまかして歩く。



8時すぎで太陽がまだこの位置。


頭の中は次の食事のことでいっぱい。
早くお腹いっぱい食べたいなー。卵のやつとー、野菜も摂ってー、できたら飲み物はスモデ・ナランハ・ナチュラル(その場で絞ってくれるオレンジジュース。激ウマ。)で♪


次はサアグーンっていう大きめの町。
間違いなく食いっぱぐれはない。
ウキウキしながら歩く。



かわいい橋を越えて、


中世風な門を通って、


川沿いのフワフワの植物に気をとられつつ


線路を超えると

SAHAGUN(サアグーン)の街だ!



街について最初にしたことは、もちろん食事。

具沢山のホットサンド(名前忘れた)と、通常の3倍はありそうなスモデ・ナランハ・ナチュラルであっという間にご満悦。

スペインで朝食っていうと甘い系のパンにコーヒーみたいな組み合わせで、周りもみんなそんな感じだったから私のボリュームたっぷりの朝ごはんはやたらと注目を浴びていた。


そんなでかいジュースどうやって頼んだの!?good!
あんたそんなにいっぱい食べれたの!?
やせすぎなんだからそれくらい食べなきゃ。
っていうかどこから来たの!?コリア?!


おばちゃん達のあたたかい?興味深々の態度に圧されながらもあっという間に完食。


美味しかったー!
しかもたったの3ユーロというありえない安さ。
写真を撮る前に食べきってしまったがパンとジュースのボリュームを考えると間違いなくここまでのバールで一番安かった。
いつものように巡礼手帳にスタンプを押してもらい出発。


街の中心にある小さなスーパーは買い物客でごった返していて商品を見て回るのもひと苦労。
そして店員さん、日本人目線で見るとすっごくのんびり仕事をしているように見える。
と、いうか間違いなくのんびりしてる。
どんなに行列ができようが決して慌てない。
そのために混雑が混雑を招いている。


恐ろしい・・・
これが日本なら列に並ぶお客からの痛いほどの視線とイライラを感じ店員には結構なストレスになるだろう。
しかしこのお店ではお客さんもそれがあたり前という具合であり(少なくとも私にはそう見えた)、店員さんも行列をなんとも思ってないようで普通にお客さんと会話しながらレジを通している。珍百景。



街を出るための橋を渡る。立派やねぇ。


しばらくはこんな気持ちいい並木道。


歩きながら左手には広い広い農場が広がってたんだけど、その散水風景が圧巻だった。

これ↓


端っこ見えませんけど・・・

これくらいしないと水分がいきわたらないんだね。
小さい虹が何度も出来ててキレイでした。


地図上ではサアグーンの街を出て5キロのところで、巡礼路は2つに分かれていた。
説明によると一方はセンダ(舗装されてない歩道というカンジの小道)が整備された新道、もう一方は元々の巡礼路、らしい。
私達はせっかくだから古い方の道を歩いてみたかった。


ところが分岐点らしきところにくると高速道路と国道と巡礼路が交錯していてどっちがどっちかわからない・・・
またもや2人でウロウロ・・・


うーん、と地図を広げていると顔馴染みのおじさんが追いついてきて、どうしたの?この道であってるよ、と。
できればこの道じゃなくて、古い方の道を歩きたくて、、と地図を見せてるとさらにもう1人女性が一緒に地図を覗き込んで、あー!それならこっち→って道を教えてくれた。
ムチャグラシアース!


お礼を言って歩きはじめたが、さっきまでいた新道の方は黄色い矢印がたくさんあったのに、教えてくれた道には1つも矢印がなく、さっきまで周りにちらほらいた巡礼もゼロ。ドキドキしながら進む。


もし間違ってても引き返すのはしんどいかも・・・と思い始めたころに古ぼけた矢印発見。
よかったー!


小さな村を通過したあとはこんな道。



赤いっ


休憩場所もダイナミック。

ここでアンドレアは靴ズレに耐えられなくなり、普通の運動靴にチェンジ。
ここ数日つらそうだったもんな。

私は幸いここまで足のトラブルは一切ない。
これも6年愛用してきたごつい登山靴のおかげ。
購入したときはいつか富士山にチャレンジしても大丈夫な靴ってことで店員さんに勧めてもらったけど、なぜか富士山には登らずここにいる。


ここまでの美しい緑の道とはガラっかわり、赤土と、同じく赤っぽい草が一面に生えた景色。



アフリカっぽい!!!行ったことないけど!!!




線路の前後だけキレイな道。




打ち捨てられた巡礼のための看板。
ほんの数年前までは活躍してたんやろうね。哀愁ハンパない。。


草生え放題の休憩所。


2時間くらいこんな道が続いた。いままで以上に人に会わない。車も。

昨日と同じく午後からはえらい強風が吹き始め、疲れた脚を必死に前に出しながら進む。

この風さえなかったらなぁ。さすがのアンドレアも苦しそうだった。


もう一切の会話なく(笑)お互いのペースで前後しつつ…


今日のゴールー!


村に入ってすぐのところにレストラン併設の真新しいアルベルゲが。
疲れたしもうここでいっかー!となったけどすぐ近くにある公営のアルベルゲも一応チェック。
するとこの旅で初の寄付制アルベルゲだった。
宿泊費はあなたの心次第、ということらしい。
ヨシ!ここに決定。


今日のアルベルゲ。

受付のおばちゃんはスペイン語しか話せなかったけど、日本のクレデンシャルは綺麗ねーって褒めてくれているようだった。
日本のクレデンシャルは他の国のシンプルなデザインに対してとってもカラフルでイラストも凝っているから、ここカミーノではよく注目されて会話のきっかけになったりしている。
面倒でもわざわざ日本で作ってきて良かった♪


かなり古いベッドルーム。


まだ昼食をとってなかった私たちはお店がシエスタに入る前に買出しをしておくことに。
オスピタレロのおっちゃんに場所をきくと、巡礼路を指す黄色い矢印とは別に、アスファルトに直接書かれた白い矢印を指差して、この通りにいけばいいから、と。
↑の写真に小さく写ってるやつです。

何度か角を曲がって歩いたところに小さなメルカドがあった。
この小さなお店に来るのに迷う巡礼のためにつけた白い矢印なんだね。
ありがたい。


昼食の材料、明日の朝食におやつをここで買って、今日の夜は手前のアルベルゲのレストランで食べることにした。
昨日のリベンジだd(^_^o)


シャワーと洗濯を終えるころ、大変なことに気がついた。
ここまで毎日愛用してきた手ぬぐいタオルがないのだ。
間違いなくサアグーンの街までは首にあったのに。
もしかして村の入口で荷物を下ろしたときに落としたのかも!と思って戻ってみたけどなかった。
途中の道のりで落としたとしたら、この強風だ。まず見つからないだろう。
松本の雑貨屋でひと目惚れしたやつだったのになぁ。
昨日の帽子みたいにだれか拾ってくれてないだろうか。


落ち込みつつアルベルゲの向かい側にあったベンチでお昼ごはん。
ポカポカして気持ちいいから食べ終わったあともついつい長居してしまった。
毎晩毎朝寒さにふるえているせいでどうも太陽の暖かさを貪欲に欲している気がする。


アルベルゲのリビング。暖炉!炊いてくれんかなぁ。

ここの本棚には驚いたことに日本語の小説が。しかも松本清張。
松本清張ってあんまり興味なかったけど、なんとなく読み出したら止まらなくなってしまった。


あっという間に夕方。
アンドレアと一緒にもうひとつのアルベルゲに出向き今日こそがっつりメヌー・ペリグリーノを。
野菜サラダにメインのチキン、パンにデザート、どれもなかなか♪10ユーロ也。



夕暮れ時の村。これで8時半くらい。


あら可愛らしい。


超開放的な公園。


夜寝袋に入っても松本清張を止めることが出来ず、めずらしく夜更かししてしまった。
物語自体は??だったけど、活字に飢えてたのが落ち着きました。

ここCalzadilla de los Hermanillos(カルサディージヤ・デ・ロス・エルマニージョス)の公営アルベルゲに松本清張の風紋を置いていってくださった方、ありがとうございました(*^^*)




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