巡礼15日目〜メセタは緑と花の道〜 | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

2013年5月28日

Hontanas → Boadilla del Camino 29.5km


昨夜は本当に寒かった。

私の寝袋は数日前からチャックが壊れ閉まらなくなっており防寒の役目が果たし切れていない。
この寝袋は8年前くらい前?にヤフオクで落札したやつだ。
北海道ではもちろん、その後の九州の旅でも自転車旅の必須アイテムだった。

小さくて軽くてお気に入り♪だったはずが10日あまりで完全にただの薄い布になってしまった。思えばたった1000円だったのだ。ここまで頑張ってくれたのだから文句は言えない。

が!!

私のカミーノはまだ半分以上残っている。

寝袋が使い物にならなくなってからは長袖Tシャツの上にパーカーをがっちり上まで閉じて首にはタオルを巻いてその上にダウンまで着込んで寝ている。

にも関わらず今朝はものすごく喉が痛い・・・まさかの風邪!?

寝袋新しくしようかなぁ。


アルベルゲに併設されてるバールで朝食をとり、まだ薄暗い7時に出発。


またこの村に泊まることがあればここに来たいな。




1時間くらい歩いたところで何やら立派な門?が。なにあれ。

近くで見ると・・・


なんかすごい!!

あとから調べたら修道院の建物だったんだそうだ。

そんな小さな興奮の余韻にひたりながらいつものように心が癒されるような道を進む。




アップダウンがない道のせいかペースも速くなってきたみたいだ。

地図が正しければ1時間に6キロ近く歩いてることになる。ホントか?


また1時間くらいすると絵本みたいなカストロヘリスの村が。

ここメセタは一度村を通過すると建物どころか車や人の気配すら感じないから、ふと人の生活している場所があるだけで落ち着いてくる。


十字架の脇を通って村に入る。





巡礼路沿いの村っぽく、村のいたるところに教会や十字架があった。
しかし小さな村にもかかわらず大きな教会がどーんとあるのにはびっくりする。
村民たちだけで維持できるんだろうか。
村の端から端までつっきたにも関わらず20分くらいで村を出た。


そしてまた野原の巡礼路へ・・・

少し歩いたところで妙な光景が。


こんな場所ですよ?笑


立ち話!!

どうみても巡礼者じゃない地元のおばちゃん。

村を出てここまで30分以上。この先10キロくらいは村もないはず。
散歩のレベル半端ない。


面白い光景を見せてもらったあとはなだらかな坂道を登っていく。



朝の寒さが嘘のようにカラダが火照ってくるのがわかる。冷たい空気が心地良い。

前に前に進まなくてはいけないと分かっているけど、振りかると後ろの景色がすごすぎた。


何回も


何回も




立ち止まって振り向いて写真を撮りながら進んだ。


上りきって休憩スポットに到着。

顔なじみのメンバーとお菓子を交換したり写真を撮り合ったりしながらしばし休憩。
こういう時間が大好き!

ひと休みしたあと、また自分のペースで歩きだす。


歩いても、歩いても道は続く。

想定外の寒い日が続いていたけどこの日は本当に気持ちよかった。


緑が続く道に赤や黄色な花が咲いてるとすっごく映えてきれい。


もう全力で太陽浴びてますって感じ。

自然の中にある花ってプレゼントやお裾分けでもらうブーケのお花とは格段に違うパワーがある。
綺麗で強くてたくましい、そして可愛らしさもある。

なんかそれって私の理想の女性像だわ。ほど遠いけど!!泣



やわらかい土の道はこういう路肩?を歩きます。


さっきの休憩場所からまた1時間くらいの場所にベンチがたくさんあるポイントを発見。
やったー!

ここまでちょっと腰を下ろせる所も少ないから本当に助かる。

ベンチと道を挟んで反対側に人が集まっているので覗いてみると・・・


おじちゃんが寄付制で飲み物や果物を配ってくれていた。

私もコーヒーをいただいて、気持ちのコインを籠に。

何にもないはずの道でこういうお接待(っていうのかな?)があると本当に嬉しい。

アンドレアがオレンジをもらってたので一緒に食べる。
ほんと、スペインのオレンジってなんでこんなに美味しいの!?
愛媛県民も納得のレベルやと思うよ。
しかも安いからビタミン補給も兼ねて毎日2個は食べてました。


その後もまた黙々と歩く。


最初何かの建物かと思ったら、干草を積み上げてるやつだった。


空が近い!


何の花だろ、きれー。


大きな川、それにかかる立派な橋。

次の村に到着したみたい。


ずっと、緑と茶色の中を歩いていると水辺ってだけでなんだかすごく落ち着く。

これまた静かな川沿いの村を通過して歩く。


前にはイタリア人グループがにぎやかに歩いている。

歌ったり、バカやったり(笑)、ときどき奇声をあげてみたり、日本の学生と変わらんな~と微笑ましい気持ちに。


緑に囲まれてたのに、ここはもう刈り取られて丸裸。


再び緑の中に・・・

ん!?


散水の規模も半端ないっす。


その後も見渡す限りまっすぐな道が続いた。

そして14時半頃、そろそろ落ち着こうと足を止めた村がボアディージャ・デル・カミーノ。

この村はアルベルゲも沢山あるみたいだし丁度いい。

村の入口でアンドレアを待っているとスペイン人の男性に声を掛けられ、あれやこれやと質問攻めに。
英語を話してくれている?でも正直全く聞き取れず困惑しているとアンドレア到着。
彼女もほとんど聞き取れないようで3人で困る。

なんとか同じスペイン人の巡礼がやってきて彼と話し、どこかへ立ち去っていった。
結局彼が何を言いたいのか1ミリも分からなかった。


一瞬、桜!?と目を見張った。


よく見たら違う。

そして本日のアルベルゲに到着。


ベルギーの女性とアンドレア、私の3人でチェックイン。

この女性、両足テーピングでグルグルになっており特に左足を引きづるように歩いている。
昨日メセタで会ったときに大丈夫!?って声をかけたら、かなり弱ってるようだったのに、今日また私達と同じ距離(29キロ)を歩ききったのだ。

すごい根性だけど、この先大丈夫か心配だ。無理しないで~っっ



『オズの魔法使い』のブリキの木こりを思い出した。


おー!大盛況!

今日の受付はいつもみたいに記名して巡礼手帳にポンっとスタンプ押して終わりじゃなくて全員からパスポートまで回収していてびっくり。

そして盗難もよく起こるのか?室内には注意書きがいたる所にある。

居心地の良さそうな中庭とは裏腹にベッドルームは薄暗くやや陰気な雰囲気が漂っている。
しかも隣とベッドとは完全に密着しておりダブルベッド状態・・・!!
大丈夫かしら。。。。

とりあえずシャワーを浴びて屋外の洗濯場でゴシゴシ洗濯。
今日も空気が冷たいせいで冷水で手が痛いくらいかじかむ。
もうTシャツを絞る手が千切れそう。

でもこの日課が終わったあとは中庭でダラダラしゃべってお菓子食べて・・・といつも通りの昼下がり。

ちょっと店でもないかと村をぶらつくも、シエスタ(スペイン人の昼寝の時間、だいたい2時~4,5時くらい)が終わってないみたいでなーんにもない。




村の広場にある教会にて。すっかり日向ぼっこが板についた。

日本からもってきたシューズは6年間愛用の登山靴に加え、この偽クロックス。


フジで買った安物だけど、巡礼中以外の観光や街歩きは全部これ。
アルベルゲのシャワールームも裸足は抵抗がある場所が多いので履きっぱなしで。
楽だし濡れてもすぐに乾くので本当に助かっている。


静かな広場をひとり占め。

しばらくしてアルベルゲに戻ると私のベッドにお隣さんが。
これまで何度か会ったことのあるカナダの女の子だ。やった!

一泊6ユーロという料金のアルベルゲに対して感謝の気持ちは当然として隣がだれであろうと文句などつけられないが、やっぱり安心の気持ちは否定できない。

すると一緒にチェックインしたベルギー女性が近くにきて不安そうに、「パスポート返してもらった?私まだなんだけど・・・」と。

そういえば!!すっかり忘れとった。

オスピタレロのところに行くと、グッドダイミング!でパスポートと巡礼手帳の返却が始まっていた。

夕食後、気がつくとベッドのない土間のような場所にもマットと寝袋が敷詰められ、中庭にはテントを張って寝る巡礼の姿も。

これまで、ベットがなくなったら full!のひと言でそれ以上受け入れないところばっかりだったけど、このアルベルゲはそうではないようだ。
懐広いな~。

今日も手持ちの防寒着を全部重ねて寝る。

明日は喉痛くなりませんよーにσ(^_^;)



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