母のつくった 最後のお茶の葉が
残り少なくなってきてしまった。
家の敷地内に お茶の木(チャノキ)があり、
10年くらい前から、
毎年4月か5月には
新芽を摘んで 干して お茶づくりをしていた母。
8月になったのに
《 また もう1回つくれそうやわ 》と、
亡くなる5日前に、
干して 仕上げた、最後のお茶。
5日後に あんなことになってしまうなんて....
本人も 私も 知る由もなかった。
私は 母のつくるお茶を
本当に おいしいと思っていた。
でも 市販のものとは ちょっと味がちがうから
好みは分かれるように思う。
家にお悔やみに来てくれた人に飲んでもらうとおいしいと言ってくれた人がいて、
じんわり、うれしかった。
去年に、お茶づくりのことを書いていました。
https://ameblo.jp/tsukiakarinokomichi/entry-12597142972.html
その時の文章を再利用。
↓
母が お茶づくりをするきっかけになったのは、
私が読ませた1冊の本。
椿野恵里子さんの
『風景のあとに カレンダーのくれたもの』
アノニマ・スタジオ
12年前に、神戸の古本屋さんで買った。
椿野恵里子さんは
植物写真や植物と古道具を合わせた
静謐な雰囲気の写真が素敵で、
カレンダーも製作・販売されていて、
インスタグラムも大人気の人。
https://instagram.com/tsubakino_eriko?utm_medium=copy_link
この本では 文章表現力も とても高く、
すごく豊かで。
私など足もとにも及ばない....。
どうしたらこんなふうに書けるんだろう?
という感じ。
椿野さんが この中で、
《お茶の木》からのお茶のつくり方を書いてくれている。
せっかくお茶の木があっても
摘まない家が増えてきたことを
とてもさびしがっておられる。
『...お茶を作り、誰かとそれを飲むこと。
私にとってお茶のある風景は
幸せを生む風景だ。
その幸せな風景をもう一度作り出してほしいと思う。
摘んでいないお茶の木があったら
摘んでみてほしい。
土があったら植えてみてほしい。
そして初夏の青々としたあの新芽の色を
見てほしい。
それには毎日飲むお茶の味を変えてくれる力があると思う。
お茶の葉がお茶になり、そして人々に飲まれ、茶の葉は命をつないでいる。
これからもずっと、そのゆくえを追い続けたい。』
椿野恵里子
『風景のあとに カレンダーのくれたもの』
より(アノニマ・スタジオ)
.....これを読み、母は素直に摘んでみたというわけだ。
それまでも、ずっと長年 お茶の木は在ったんだけど。
だから、やっぱり、本読んでみるって大事、と思う。
何か、生活が変わるかもしれない。
そして 本を買うことも大事だし、
他人にすすめてみるのも、大事。
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