みどりの日は もう終わりましたけれど
これも緑の小道の
《みどりの日セレクション》の1つでした。
とてもシンプルで
ひかえめな存在感でありながら
とてもスケールの大きな絵本。
『かぜは どこへいくの』
シャーロット・ゾロトウ 作
ハワード・ノッツ 絵 まつおかきょうこ 訳
偕成社(700円にしてます)
6年前にも
ブログに書いてました。
https://ameblo.jp/tsukiakarinokomichi/entry-12039182746.html
この文章を参考にして
あらためて書きます。
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楽しい一日を過ごした男の子が
お母さんに質問します。
『どうして ひるはおしまいになってしまうの?』
お母さんは答えます。
『よるが はじめられるようによ。
...(略)...
お月さまや おほしさまが でて、
くらく しずかになって、
おまえが たのしい ゆめをみて
ねむれるようにね。』
男の子は
『ひるが おしまいになったら
お日さまは どこへいっちゃうの?』
などと、次々と質問を続けます。
『かぜは やんだら どこへいくの?』
『みちは、ずっといって、みえなくなったら、どこへいくの?』
『山は、てっぺんまでいったら、どこへいくの?』
『あめがやんだとき、ふったみずは
どこへいくの?』
他にもいろいろ質問します。
木の葉が 秋になって
落ちたら どうなるの?
冬の終わりは?
などなど...。
お母さんは その度に
とてもシンプルで 的確な返事をします。
(実際に 子供から これらの質問をされて
すぐにこんなふうに答えられるお母さんがいたら、すばらしいと思います。)
作者からの大切なメッセージが込められています。
″ おしまいになってしまうものは何もない。
別のばしょで 別のかたちで
はじまるだけのこと ″ ─
ゾロトウの死生観のつまった、
静かに、深く 感動する、モノクロ(白黒)絵本。
大切なものを失った喪失感で
悲しみの中にいる時にも....
どうぞ この本を 開いてみてください。
この世界は 不思議だらけ。
そして いのちはすべて、姿を変え、
めぐりめぐっているのでしょうね。
...『』内 『かぜはどこへいくの』より
先日ご紹介した『森にめぐるいのち』とも共通するようなテーマです。
https://ameblo.jp/tsukiakarinokomichi/entry-12671420568.html