『かぜはどこへいくの』シャーロット・ゾロトウの絵本と落合恵子さんの文章 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

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富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。



みどりの日は もう終わりましたけれど


これも緑の小道の

《みどりの日セレクション》の1つでした。






とてもシンプルで

ひかえめな存在感でありながら

とてもスケールの大きな絵本。


『かぜは どこへいくの』

シャーロット・ゾロトウ 作

ハワード・ノッツ 絵 まつおかきょうこ 訳

偕成社(700円にしてます)



6年前にも

ブログに書いてました。


https://ameblo.jp/tsukiakarinokomichi/entry-12039182746.html 




この文章を参考にして 

あらためて書きます。



~~~~~~~~~~~~~~~



楽しい一日を過ごした男の子が


お母さんに質問します。


『どうして ひるはおしまいになってしまうの?』


お母さんは答えます。


『よるが はじめられるようによ。

...(略)...


お月さまや おほしさまが でて、

くらく しずかになって、

おまえが たのしい ゆめをみて

ねむれるようにね。』



男の子は


『ひるが おしまいになったら

お日さまは どこへいっちゃうの?』


などと、次々と質問を続けます。


『かぜは やんだら どこへいくの?』


『みちは、ずっといって、みえなくなったら、どこへいくの?』


『山は、てっぺんまでいったら、どこへいくの?』


『あめがやんだとき、ふったみずは 

どこへいくの?』


他にもいろいろ質問します。


木の葉が 秋になって 

落ちたら どうなるの?


冬の終わりは?


などなど...。



お母さんは その度に

とてもシンプルで 的確な返事をします。


(実際に 子供から これらの質問をされて

すぐにこんなふうに答えられるお母さんがいたら、すばらしいと思います。)



作者からの大切なメッセージが込められています。



″ おしまいになってしまうものは何もない。


別のばしょで 別のかたちで


はじまるだけのこと ″ ─



ゾロトウの死生観のつまった、


静かに、深く 感動する、モノクロ(白黒)絵本。



大切なものを失った喪失感で


悲しみの中にいる時にも....


どうぞ この本を 開いてみてください。



この世界は 不思議だらけ。


そして いのちはすべて、姿を変え、


めぐりめぐっているのでしょうね。



...『』内 『かぜはどこへいくの』より




先日ご紹介した『森にめぐるいのち』とも共通するようなテーマです。


https://ameblo.jp/tsukiakarinokomichi/entry-12671420568.html 



そして─

こちらは

※ インスタに書いたものを 
ほぼそのまま載せます。




17年前の 新聞の切り抜き。
(毎日新聞)

私はやっぱり、文章表現というものに
静かな 静かな パッションを感じるらしい。


先日紹介した絵本
『かぜはどこへいくの』と出会ったきっかけは
落合恵子さんの この連載だった。

「絵本屋の日曜日」。

このエッセイ、やっぱり好きだな...。

タクシーの運転手さんとの会話から始まり、
読んでいて たまらなく懐かしさを感じる。

文の中に よもぎ、タケノコ、山椒も出てきて
私の家の春の日常とも重なる。

落合恵子さんは この絵本のことを

《 子どもにもいいが、これはむしろ、
大人が自分に読んでやりたい本 》

だと書かれている。
もちろん 私もそう思う。

この連載「絵本屋の日曜日」は
後に 本にまとめられ出版されている。



新聞をとっていた頃は こんなふうに
心に響いた記事などを切り抜いて
ノートに貼っていた。
私には そんな大切なノートが何冊かある。

このエッセイ、気になる方は
5月中だけ このノートを
店に置いておきますので
ご来店時に お声かけ下さい。




私も そうして昔から、
誰かが本を紹介してる記事から
素敵な本に いろいろ出会うことができて─

今では こうして紹介する側の人にもなり、
誰かが 自分にとって大切な本に出会うきっかけになれているのなら
うれしいです。


5月7日(金)は
店舗は休みです。
連休中、7日間連続で開けてましたので
振替休日のような感じです。
どうぞよろしくお願いいたします。