大相撲の無観客試合の音が意外と迫力があって凄くいい

この記事は1625文字です。（読破予想時間：約3分52秒）

新型コロナウイルス・COVID-19（コビット19）の世界的流行で、いろいろなスポーツの試合が中止になったり延期になったり無観客での試合になったりしている中、大相撲春場所（大阪場所）も、今現在、無観客で興行中だ。

初めて、無観客の場内をテレビの大相撲中継で目にした時には、何と殺風景で寂しい光景なのだろうと正直思った。

でも、取組前から取り組み、そして取り組み後の力士達を見ていると、普段とは比べ物にならないくらいの物凄い緊迫感と迫力が伝わってくるのである。

その最大の理由は音にある。

四股を踏む瞬間に「バチッ！」と土俵を踏みしめる音があんなに大きく鳴っている事を初めて知った。

横綱の土俵入りや弓取り式でも、普段なら、四股を踏む瞬間に観客の「よいしょ！」と言う声が聞こえてくるので、その声にかき消されて四股を踏む音はそこまで聞こえてはこない。

勿論、「よいしょ！」と言う観客の掛け声がいらないだとかダメだとか言ってる訳ではない。

あれはあれで今は伝統と呼べる応援の一つの形であり、何の文句もあろう筈がない。

しかし、無観客になってしまった事で普段聞く事が出来ない、四股を踏む音や、力士同士がぶつかり合った時の音、力士が自分の顔や体をバチバチと叩いて気合を入れる音、弓取り式の弓が力士の身体に当たる度に大きな音を立てる事など、この全てが新鮮で予想外の緊迫感と迫力を観ている僕に与えてくれたのだ。

そして、他に音がないせいなのか、各力士から気迫・この一番に賭ける思い・緊張・気合・様々な様子や心理など、いろいろなものが伝わってくるのだ。

こんな時にこんな言い方は不謹慎だと言う方もいらっしゃるかも知れないが、僕はそうは思わないので言わせて貰うと、この普段と違った迫力と緊張感は今しか味わえないので、観ておかないと損だと僕は正直、素直にそう思えたのだ。

ベースボールの本場アメリカでは、ベースボールの試合の応援での鳴り物は禁止だと聞いた事がある。

ピッチャーが投げたボールがキャッチャーのミットに心地よく収まる音や、バッターがボールを捉えた瞬間に響くバットの音までも、野球の醍醐味としてアメリカの熱烈なベースボールファンは楽しむのだそうだ。

確かに日本の野球は鳴り物だらけで投手が投げた球が捕手のキッチャーミットに収まる音は、鳴り物にかき消されて半減し、メジャーリーグの試合程響いたりしないので、この話を聞いた時、「そりゃ、そうだろうな」と、アメリカ流の楽しみ方を瞬時に理解する事が出来た。

ゴルフの試合だとか他いくつかのスポーツでも、観客が静かにしないくてはいけない瞬間が存在するスポーツはいくつかある。

日本の野球でも、せめて、投手が投げる時から打者が打つまでの間くらいは静かにするのがマナーとして定着すれば、日本の伝統的な野球の応援の仕方である鳴り物もアリで、アメリカ人の様に音までも野球の醍醐味として楽しめる様になるのではないかと、ふと思ったりもした。

また、応援マナーを国際的に統一する事で、国際試合の際も、お互い応援マナーの違いで不快な思いをしなくてもすむ様になるのかも知れない。

知らんけど。σ(･･￣　) ﾎｼﾞﾎｼﾞ

再び、相撲に話を戻すと、とにかく無観客試合での思わぬ副産物であるこの迫力・緊迫感・緊張感は、従来の大相撲観戦とは違った楽しみ方を味あわせてくれる。

「観客がいないと稽古場を見せられてるみたいでつまらないから観てない」と僕に言った人物がいたが、その人物は言葉の通り本当に全く観ていないと言っていた。

「観てないのに、何で分かるの？」と言う疑問も沸いたが口にはせずにそのまま話は流れて今に至っている。

もし、「きっとつまらない」と決めつけて観ていない人が他にもいるのなら、相撲中継を観る事をお勧めしたい。

きっと、普段とは違う楽しみ方が出来る筈だ。

スポーツニュースなどで切り取られた映像では、あの空気感は何も伝わらない。

やっぱ、リアルタイムでノーカットで観なくちゃね。

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