世界のキッチンからシリーズを好んで飲んでる女は、◯◯◯の毛が濃いです。
停電になったその時だった。
さびしんぼパーマから無事かと連絡が来た。
さすが兄貴分だ。
無事を知らせる鐘を鳴らし、近況を伝える。
モタモタしていられない。
荷造りをしなくては。
まずはiPhoneの電池を確認したが、30数パーセントだった。
こんな時、心底バッテリーを買ってて良かったと思った。
あと1、2回はフルで充電できるはずだ。
こないだ市電の窓から落としてバキバキに壊れたiPhoneの蜜壷に、バッテリーの猛々しいソレをぶち込み、デイパックに必要物品を詰め込んだ。
タオル、爪切り、耳かき、目薬、財布、デオドラントスプレー、グラサン、Tシャツ、制服…。
ん?制服?
無意識に詰め込んだのだが、俺はそうだ。
今日は仕事に行くのだ!
地下鉄と徒歩で1時間以上通勤に費やしてる俺だが、果たして地下鉄は動くのか?
ともかく、地下鉄が動かなくても職場に行かなくてはいけない。
責任感といういかんともしがたい誇りを胸に、俺はウンコをする為にまたもやトイレに向かった。
充電しながらのiPhoneをいじくりまわしながら踏ん張っていると、意外な人物から安否確認の連絡が来た。
ミスターソーリーオンパレードこと、カニミ・ウエスト先輩だった。
勇気と肛門を振り絞り、なんとか無事です!みたいなノリの返信をしたんだった。
しかし、現実は無事ではなかった。
ウンコが流れない。
水が止まっておる。
水が止まっておるのだバカヤロー。
最近、胃腸の働きを促進するサプリなんぞを飲んでいた為に、信じられない量のウンコがお出ましだった。
こんな奴、普段の俺ならお目にかかれないほどのバハムート級の上級召喚魔法だった。
こいつを時空の彼方に見送るほどの推進力を持った水はタンクに残されておらず、便槽に腰を据えたバハムートは、一杯やろうや、みたいな面構えでその日の晩まで居座るとこになる。
ウンコとは長い付き合いの人生である。
ブチャラティ!
