裁判員制度の守秘義務違反規定、気になる運用 | 辻雅之のだいたい日刊オピニオン
言いたいことが言えないというのは辛いですね。みなさんもそういうことあると思います。私も最近そういうこと多いのです。

そこで頭に浮かんだのが裁判員制度のもとで市民から選ばれる裁判員に課せられる守秘義務違反。裁判員法第108条には、「裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」とあるのです。

しかし、裁判官と市民というかなり異質な人たちが一緒になるわけですから、友だちにも親にも言っちゃいけないというのはストレスたまるところです。特に裁判官に対するストレスはたまるんじゃあないでしょうか。いい人もいるでしょうけど、エリート然していけすかない裁判官もいるでしょうし。想像ですけど。

評議で、自分の意見を裁判官に遮られてしまったとか、そんなストレスのはけ口はどこにもっていくのか。そういうことをしっかり検討してほしいわけですが、とにもかくにもはけ口をどこかに作ったらあなた犯罪者ですよ、っていうのは困るなあと思ったわけです。

これくらいの罰則なら……と思いますが、それでもやろうとおもえば「証拠隠滅の恐れあり」とかいって逮捕もできるわけで、それで容疑者呼ばわりされたらかなわないと思います。

私は制度肯定派ですし、それなりの抑止効果は必要だとは思いますが、問題は運用。この条文に違反して逮捕される人がないようにしてほしいと思いますね。

あと、多分検討はされているのでしょうが、どこかに「はけ口」を用意してほしいと思います。裁判事務員やカウンセラーなどを配置して、この部屋でこの人に言うぶんには守秘義務違反になりませんよ、みたいなことをしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。準備しているのならいいのですが。