老人ホームの本質を見る(12) | 有料老人ホーム入居支援センター 代表理事 上岡榮信のブログ 「終の棲家通信」

有料老人ホーム入居支援センター 代表理事 上岡榮信のブログ 「終の棲家通信」

国内外合わせて1400箇所以上の施設を自分の目で確かめてきた「老人ホームの目利き」上岡榮信(うえおかしげのぶ)が、老人ホームのことはもちろん、国内や海外で出会った企業・組織・人などの印象深いお話を中心にお届けします。

老人ホームを選ぶ50の法則を書いたあと、追加したい法則が幾つかある。

その1つは、散歩の外出があるか否か、またその頻度である。


実は、介護保険報酬の対象に散歩というサービス、メニューはないそうだ。

敢えて、提供しても料金を請求してはいけないという。 ある高額な料金のホームで、人員配置も

2:1とかで毎月、手厚い人員配置を理由に6万円も取られながら、屋上の庭園の散歩も家族が

車椅子を押しているというホームに驚いたが、規定ではこれが普通なのだとのこと。

正に介護保険は介護のニーズを完璧に満たすものではなく、補助するものという説明がされる

実態がわかったのである。


当センターでA-ランクのホームでは、介護報酬対象のサービス、介護のレベルを遥かに超える

もの、ことが提供されているが、Bーランク以下のホームでは基準を超えるサービスはほとんど

期待出来ないのが現状である。


結論は、無いもの、出来ない事を要求したり、交渉することは無駄であり、ストレスである。

介護保険のレベルを超えるサービスを、心を込めて提供してくれる経営者、理念、組織、職員の

ホームを賢く選ぶ以外に満足できるホームは望めない。


今後の老人ホームは、入居者、ご家族に選ばれるだけでなく、そこで働く施設長、職員からも

選ばれる経営者、理念、組織、待遇、福利厚生が鍵である。

空き室よりも、職員不足で入居受け入れ中止、閉鎖、身売りのホームが増える傾向が見える。

理想のホームは最小の宣伝広告で入居者が集まり、空き室がない状態、職員のモチベーションが

高く、離職者がほとんどでないホームである。

但し、選ぶ場合は相性と人間関係の好き嫌いは、入居者次第で、そこは自己責任であることを

お忘れなく。