高齢者の受ける介護は、在宅、施設を問わずケアプランと契約関係に基づいたものであるが、
それ以上に人間関係、さらに信頼関係を優先したものでなければ、良い結果は望めない。
週2回の入浴、1日1600Kcalでバランスの取れた食事などがどれほど快適で、満足できるもの
かはサービスを提供する企業、団体、また彼らの考え方、及び、現場の職員の姿勢、気持ち次第
と言っても過言ではない。
サービス、介護を利用する入居者は、それらの質や、状況をうまく職員や、家族に伝えたり、表現
出来ない心身の状態にある場合も多い、別の見方をすると、入居者は、放置、軽視、無視され
やすく、手抜き、ごまかし、虐待などにも一方的に受け身であり、脆弱である。
同時にこれらのサービスや、介護、看護は誰も見ていない時間帯、証拠の残らない環境など介護
サービスが提供される環境は特殊でもある。
これに対抗する術は殆ど無く、頼みは経営者、施設長、現場職員の人間性である誠実さ、良心
思いやりである。
これらが感じられない介護、サービスの施設とはすみやかに距離を置き、別の別のホームか、
事業者を探すのが上策である。
時々、『これこれのサービスは料金に含まれているはずだ。』 『 私は規定の料金を払っているの
だから、これらのサービスを受ける権利がある。』 『 もう少し、丁寧に、思いやりを持って、ゆった
りとサービスしすべきだ。』 などの要望、苦情、口論を聞くことがあるが、此のような事を主張
しなければいけない施設、経営者は最初から避ける、あるいは入居後気づいた場合は、一度
伝えて改善されない場合は、速やかに別のホームを探して、転居することをお薦めする。
経験上、これらの要望を声に出さなければいけないホームは、全体の体質とサービスが見直され
改善されたケースを筆者は知らない。
1人、個人の被害、犠牲、死亡は悲劇であり、同情もあり、ニュースにもなるが、多数になると統計
として取り上げられるだけである。 老人ホームも大きさの安心よりも、小規模で目の届く見守りの
ほうが有り難いのではなかろうか。