黄色いベスト その後 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

昨年11月半ばに始まった黄色いベスト運動は依然として続いています。先週の土曜日は11回目のデモ。さすがに「壊し屋」のデモに便乗した破壊盗難活動は影を潜めていますが、クリスマスと正月の休暇中デモ参加者が減少し、そのまま自然消滅か?に見えた運動は新年に入って盛り返し、11回目のデモはフランス全土で8万人の参加者があったと発表されました。

ただ、これだけ毎週末にデモが続くと、個人商店の売り上げに大きな影響が出るわけで、最大のかき入れ時のクリスマス、正月の商機が黄色いベストのデモのため消し飛び経営破綻の店が続出。雇用解雇せざるを得ない状況に追い込まれています。黄色いベストの中には失業者も沢山いる筈で、彼らの運動がさらに失業と景気下降を勢いづけるというジレンマに陥っています。いい加減にしてくれ、と苦情が出てくるのも当然で、特にデモによる破壊と暴力に反対し「平静」を求め、政府主導の大デベートに参加しようと呼び掛ける「赤いマフラー」運動がこの日曜ついに姿を現わしました。

 

 


 

 

先週土曜、パリのレピュブリック広場に集まり仲間と静かに談話中の黄色いベストのグループにフラッシュ・ボール(集団を蹴散らすためのガス弾)が撃ち込まれ一人の男性が眼に弾を受け失明の危険に晒されています。男性はカスタネ―ル内務相とマクロン大統領を訴えると発表しました。

エジプト出張中だったマクロン大統領はこの事件に言及し「黄色いベスト運動が始まって以来11人の方が亡くなった。しかし治安部隊の活動が原因で起きた死亡事故は一件もない」と記者会見の際コメントしました。死亡事故はすべて高速道路の料金所やランナーアバウトなどの封鎖をしていた黄色いベスト自身が原因だ、と大統領は表明したわけです。

さらに、カスタネ―ル内相はじめ政府は「壊し屋」casseurs のデモ参加を禁止する法案を下院に提出しました。がこれを巡っては「表現の自由の圧殺 ( Liberticide )」に繋がりかねない危険な法案だと反対の意見が盛り上がっています。

政府や権威に従順な国民性を受け継いだ日本人のめのおの眼から見ると、フランス人はなんという我儘な民族なんだろうと呆れることたびたびであります。「自由、平等、人権」といった「民主主義」の原則を現実に貫こうとすると、なんと時間と労力、お金の掛かることだろうと苛立たしい気持ちにすらなります。そこがお隣の北さんとか中国とかイランとか全体主義国家とは違う体制なんだな、と改めて共和政、自由主義、民主主義というものを見直しさせられることになってる日々であります。

デモを危険から保護するのも治安部隊の任務ですが、早朝から夜遅くまで、昨年の11月半ばに
始まった黄色いベストの土曜日デモのため全国的には最大8万人の機動隊、治安部隊が出動要請を受け、各地で任務に就くわけですが、彼らはみな疲れ切っている。普通は長くて一日8時間労働のところ、12時間、18時間勤務があたりまえになってしまっている。問題は機動隊はじめ警察官への残業代が支払えなくて、その累積額が数百万€に達しているといいます。

自然発生的に組織が無く、いや既存の組織に反対する人々が立ち上がって始まった黄色いベスト運動ですが、ここへきて内部に考えの違い、方針の違いが明らかになってきました。数人の人が政党を結成すると公表しました。いやそもそも政党政治や代議制に反対し「直接民主主義」を目指すのが黄色いベスト運動なのだから、「国民投票」実現に向けて運動を続けるという人々。第五共和政の制度を利用して、高所から次々と改革案を打ち出したマクロン大統領と現政権に反対なのだし、政府が主導する「大デベート」にもだから参加を拒む、という「草の根・黄色いベスト」人がなお沢山頑張ってるのが実情です。

 

 

   照れ