11日(火曜)ストラスブールのクリスマス・マーケットで銃を乱射し観光客とジャーナリスト3人を射殺し3人に重傷を負わせ他にも多数の負傷者を出して逃走した容疑者シェリフ・シェカットの行方を警察は12日、13日と必死に追っていたが容易に発見できなかった。
昨夜13日21時にストラスブールに飛んだカスタネ―ル内務相が声明を発表し、「死者が3人、軽傷者のうち3人は退院したが重傷の3人は今も生死の境をさまよっている。一刻も早く犯人を逮捕し、安全を確保した後、クリスマスマーケットを再開する。このマーケットは由緒あるものでテロの脅威に屈しないわれわれの姿勢を示すためにも厳重な警戒の下に明日から再開します」と語った。
その20分後、テレビは市電の線路がある広い通りを警察の白いワゴン車が数十台、青いランプを回転させながら埋め尽くし、重装備に身を固めた特殊部隊が十人くらいずつ固まって移動する光景を映した。数時間前に同じ場所で行ったオペレーションを再度展開してる様子とテレビは伝えた。
場所はストラスブールの南の郊外、ヌードルフ Neudorf 地区でクリスマスマーケットから2kmの位置。治安部隊はどうやらテロリストの居場所を確定できたようだ。いや、カスタネ―ル内相が明日からのマーケット再開を発表した時点ですでに居場所を突き止めていたのだろう。
その直後、こんどは「シェリフ・シェカット容疑者は警官と銃撃戦の末、射殺されました」と伝えた。
犯人がどこに潜んでいるか? 推定が容易ではなかったのだが、カギとなったのはマーケットから逃走する際乗ったタクシーの運転手の証言。この運転手はイスラム教徒で、なにか信仰を示す印を身につけていてシェリフ・シェカットは自分からテロをやったところだと話し、運転手がニュースでシェカットの自宅が家宅捜索され手榴弾など武器が押収され、両親や友人が警察留置されたと聞いたと伝えるとシェカットは怒りを発したという。イスラム教徒なので危害は加えずヌードルフの入り口でシェカットを降ろした。その後、運転手は警察に届け出て降ろした場所と左腕に怪我をしていることを伝えたのだった。
当局はドイツ警察にも協力要請をしていたが、ドイツからはシェカットが入国したらしい様子はなにひとつ見つからないと連絡があり、ストラスブールの街に多数設置してある監視カメラにもシェカットの姿がまったく映っていないことから、タクシーを降りたヌードルフ地区に潜伏して外には出ていないと推定し大規模なオペレーションをこの地区に集中したのだった。家族友人の証言で、シェリフ・シェカットがこの地区で育ち隅々までよく知った場所だという情報も捜索範囲を絞るのに役立った。
警官との銃撃戦は、シェカットの写真を見ていたこの地区に住む婦人が腕に怪我をした男が歩いてるのを目撃したと警察に通報したことがきっかけだった。通報を受けた警察官3人がラザレ通り rue du Lazaret へ駆けつけ男を見つけて職務質問したところいきなり銃を発射したので反撃し射殺したのだった。銃撃戦の訓練を積んだ特殊部隊の隊員ではなく普通の巡査が駆けつけ銃射撃を交わしたすえ射殺した。こうした市民の身近な警察が数年前から役に立たないとか経費の無駄だとか批判され縮小傾向にあるので、昨夜の巡査の素早く正確な対応が評価され現場近くで様子を見守っていた住人から拍手のオベーションを受けていた。
シェカットが使用した銃は1892年型といわれる当時の警官が持っていた拳銃で、30万丁製造されたが、現在では収集家が買い集める骨董品。8ミリの小口径らしいが殺傷能力は高い銃なんだね。
対応した巡査が所属する部署の正式名は BST Brigade Surveillance Terrain 。現場監視班、好い訳じゃないけど、まあ巡査、パトロール隊です。
ストラスブール市長もインタヴューに、「住民の協力のお蔭でテロの危険を防止できたことに、ほっとし誇りに思っています。明日から安心してクリスマスマーケットを再開できるので嬉しいです」と答えていた。
![]()


