雨漏りの原因 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

めのおがなぜ危険な高所作業を計画したか? というと……

物置の天井の修理が一段落着いたのでほっとしていたところ、雷を伴う集中豪雨が立て続けに襲来し、母屋の階段の壁と天井を伝って雨が屋内にまで漏り始めた。

今までなかったことなので、すわ一大事。屋根に穴が開いたか? 

屋根の葺き替え工事をやったのがちょうど10年前。

フランスの建設業を統制する法律に「10年保証」があります。建物、プラントも含まれますが、建築後10年間は業者が保証しなければいけない。その間、雨漏りとか壁が崩れたとか不具合が発生したら建設業者が責任もって直さねばならない。

台所の皿洗い機は、保証期間延長のエクストラ代金を払って買い、保証期間が過ぎた途端故障したので、今度は屋根もか? と唖然となる。10年前の4月に屋根の葺き替え工事をした時、工事が終わって資材を片付けた後、現場のシェフが、「雨漏りだとかなにかあったら連絡ください。10年保証付きですので」そう言って帰って行ったのだが、なんだか手品(マジック)に遇ったような気がした。

雨漏りする個所と原因には思い当たりがある。写真は10年前の屋根の工事の時に足場に登って撮ったもの。

 

 

 

 

家の東側の壁と屋根の境目あたりの壁に埋め込みになった梁が腐って穴が開いていた。
これを直すには、壁を壊してやり直さねばならない。追加工事の予算など取ってなかったし、第一屋根職人は、「ウチは屋根を葺くだけが専門なので」と樋が乗ってる壁の一部欠損もはじめはやりたがらなかったくらいだ。

 

親方が来て、「おれなら亜鉛の板で雨漏りを防ぐな。梁の傷みも隠せるし」と言い、現場のシェフはその通りをやった。それで10年間は雨漏りせず無事に済んだのだ。

集中豪雨に限って雨漏りがするのは樋が処理しきれず、溢れた水が梁の穴から壁の内部に侵入するのだろうと推理した。初めのうちは流れも良く、次第にゴミが詰まって溢れ始めたのだろう。

樋が詰まらせた最大の原因は、家の間近に立ってる杉の大木。

 

 

アトラス杉と呼ばれてるこの木は昔この庭に4本あったそうだ。ボルドーからある日突然、昔子供の頃住んでた家を見に立ち寄ってくれたプチ・ジャンさんが言った。「この木に登って遊んだもんじゃったよ。その頃はずっと細くて低かったけどね。」今も成長を続け根元に元の家主が造った囲いをぶち破り持ち上げてしまっている。

 

 

 

アトラス・シーダー(学名 C. atlantica Manett )マツ科ヒマラヤ杉属。ヒマラヤ杉は枝が垂れさがるがアトラス・シーダーの枝は上向きに伸びる。レバノン杉は水平に伸びるそうだ。

毎年秋に細長いネコのウンチみたいな実を落とし、同じころ大量の枯葉を散らす。それが今年は、天候異変のせいか、春先に黄色い花粉を大量にまき散らしたすぐ後に実が茶色になって落ち、葉が枯れて落ちた。雨ばかり降った春だったので掃除が大変。

 

 

家の正面の樋に落ちた杉の葉は屋根裏の窓から竹竿の先に結び付けた熊手で掻き寄せて掃除できるが、窓がない東と西の樋は見ることもできない。上の写真の左の隅、直角の角の後ろの方に針の葉が詰まってるのです。

 

足場を組んで登ろうと考えた。高い所に登るのは好きだ。もっともエッフェル塔くらい高いとおちんちんがちぢんですくむことになるが。

ネットで調べると8~9mの高さの足場は買うと30万円以上する。リースでも一日借りるだけで4万円する。最初リースを考えたが、樋に達する高さの足場は基礎部の幅(厚さ)が広すぎて壁際の通路に組立てられないと判った。

いろいろ探し、基礎部の厚みが薄くて通路に立てられるものを見つけたが、高さ7mと少し足りない。7mと表示してあっても、それは作業可能な最高位置、つまり板に立って手を伸ばし届く高さって意味で作業台の高さはそれより2mばかり低いのだ。やっと樋に手が届く程度じゃ掃除は出来そうもない。

 

妥協案として採用を決めたのがこれ。物置の屋根に足場を組み、その上に梯子を立てる。見つけた足場は階段など段違いの場所にも立てられ、作業台の高さが1.6m と低めだが天井の修理にも使え、高く茂り過ぎた垣根を刈るのにもってこいだ。

この足場を売ってる店は、ウチから80km離れたブルジュBourges の町はずれにある。

 

 

 

17(日曜)日にも行ったスコットランドのスチュアート家の城がある町、オービニーAubigny-sur-Néré を2日後も通って行った。日曜に撮った写真は次回に投稿の予定。

 

 

 

19日に、LeRoy Merlin という大規模ホームセンターの店へ行った。材料と資材を買いに行くだけで半日~1日仕事になってしまう。田舎に住んでると何をするにも時間が掛かるね。

 

 

 

東の壁は小さな窓が一つあるきりで、命綱を結ぼうにも突起や足掛かりが何もない。
これも計画実行の段階になって取り止めた理由の一つ。

むしろ正面の壁に足場を組んで、屋根裏の出窓から命綱を入れて中の木組みに結んだ方がずっと安全に作業が出来るだろう、と落下事故を起こした後の今となって反省する。

足場を買って帰ったすぐ後、ネットで、ハーネス、ザイル、カラビナ、それにフォッスフルシュと呼ばれる短いザイルの両端に径の違うリングが付いたザイル通しを購入した。

 

フランスの北の都市リール Lille にある会社からだ。梯子から落ちた原因の一つにその日直前に小包みが届き、ハーネスを着けて見て浮ついた気分で梯子に乗ったためだ。それと肝心のザイルが入ってなかった。だから命綱無しで登った。

 

またかよ。なんでフランスはこうもミスが多いんだ。一回で注文通り届けられた試しが無い。

電話すると「オーダー後2~6日中にデリバリーのお約束ですから」とミスしたとも、在庫がなかったとも、いつお届けしますとも言わない。「じゃ次の便で届けてくれるんですね。」こうなると信用して待つしかない。

怖がりのカミサンは危ないからやめろと止めるのだが、ガキの頃、公園と墓地の境の欅の大木に 登って蝉取りして遊んだめのおは木登りは大好きで誘惑に勝てないんだ。テンプテーションですよ。

 

そこでダイアナ・クラルの歌を一曲↓

 

 

 

膝の傷みが薄れ気力が回復したら、先ずは垣根の剪定、次にうっそうと茂って昼も薄暗いジャングルみたいになった下の庭のカエデとトネリコの枝を切り落とす。そしてアトラス杉の隣の家の庭まで長く伸びた枝を切り落とそうと思う。明日か来週初めにはザイルが届くだろうことを祈って。

雨漏りの原因はこの針葉樹にあるので、樋を網で保護しなかった屋根職人も気が利かないが、それは次の家主さんに委ねて、最低屋根に掛った枝を切り落とすぐらいはやっておこう、と思うのです。

 

 

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