さて、アーサー王伝説に戻ります。
アリエノールには最初の夫、ルイ VII 世との間に出来た娘が二人いました。長女がマリーで次女がアリックスでした。マリーはシャンパーニュ伯アンリ I 世に嫁ぎ、アリックスはアンリ I 世の弟のブロワ伯テイボー V 世と結婚しました。
シャンパーニュ伯妃となったマリーは母親アリエノールの性格を受け継いでいて、トロワ( TROYES)の宮廷で、音楽、文学のメッセナの役を果たします。マリーのパトロネージュを受けて宮廷に仕えた詩人のひとりがクレテイアン・ド・トロアでした。
マリー・ド・シャンパーニュの依頼を受けてクレテイアン・ド・トロアが韻文で「荷車のランスロット」と「ペルスヴァル、グラアル(聖杯)」を書いたことがアーサー王伝説に新たな展開を導入することになります。
シャンペンでおなじみのランスから南に130kmほど下ったところにトロアという町があります。
土の壁に木の柱(コロンバージュ)が剥き出しになったルネッサンス時代の民家がたくさん残っておりさながら時代劇映画のセットのような雰囲気を湛えた町です。
ランスロットというアーサー王に次ぐ豪胆な騎士と ペルスヴァルという敬虔な騎士を創りだした詩人は文字通りにとればトロアのクレテイアンでこの町と深い関係があったと推測されますが、彼の生涯に関しては、ほとんど分かっていません。
次回は、いよいよランスロットの登場です。
(つづく)

