養父に泊まる ルーツ探索の旅 その⑤ | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

フランスはやっと暖かくなりました。昨日は雲り時々晴れで日中気温は14~5℃。今日は全国五月晴れの陽気で20℃近くに上がる予報です。

庭のボタンの蕾が開き始めました。ミツバチが寄ってきます。


ボタン

さて、「ルーツ探索の旅」と名づけましたが、幼少期を過ごした場所にもう一度立ってみたい、アイデンティティーを確認したい、と自分なりにこんどの旅を位置づけましが、ほんとうは旅へと駆り立てた元のところに、なにか違うものがあったように思い至りました。

なぜ、両親は子供に向かって自分たちの生立ちを積極的に語って聴かせてくれなかったのか? という疑問があり、自分なりにその理由を探ってみたかった。

子供に語って聴かせることが難しい、沈黙を余儀なくされるような何かがあったのではないか? 子供なりにうすうすと感じていたことが、こんど、そこへ行ってみて確認できたように思います。それは、明日にでも書きたいと思います。


養父の景色
   雨上がりに撮った養父市大杉地区の風景

河辺さんが「はい。着きました」と車を砂利を敷き詰めた中庭に停めた家は大きな造りの農家で、格子戸を開けると中は広い土間。


土間


障子を開けて見える十畳ほどの部屋には炬燵が置いてある。「これ全部、ひとりで使わせて頂けるんですか?」驚きの声を挙げてしまう。

夜は寒いので炬燵を使ってください。みなさん、炬燵に脚を入れて眠ってます。と言われたが、福島第一以来節電を心掛けてるので、寝る前に脚を温めるだけにして、布団は隣の部屋に敷いて寝た。背中と腰の肉が落ちて痛いので、敷布団を二枚重ねにして寝た。



こたつ



明け方、強い風と雨の音で目が覚めた。旅に出かける前から予報で、この日は雨と知っていたので雨具を用意してきていた。

最初、一泊の予約を後で一泊追加した。二泊にしておいてよかった。

地図を見ると、私が4~5歳を過ごした場所は、八鹿村でも一頭鹿が多い「九鹿(くろく)」という村外れなのだ。宿泊した養父市の大杉地区からでは30キロはあるだろう。八鹿の駅を出て突き当りを、昨日は左に曲がったが、九鹿へ行くには右へ曲がり、支流の川に沿って進まねばならない。


大杉地区


この雨と風では、自転車では無理。無理に車を借りて行き、その場所が見つかったとしても、この雨の中で、甦る記憶と目の前の景色とをゆっくり照らし合わせ、味わってる余裕は無い。晴れていれば、その場に小一時間、じっと座って、できればスケッチなどしたいと思っていたのだ。

地図によりおおよその場所の特定が出来た。この村の風景を見て推測すれば、訪ねたい場所も昔とそんなに変わってはいない筈と安心できた。

今回は、想い出の場所に立つことは諦めて、市役所へ行き、戸籍謄本があれば頼んで出してもらおうと方針を決めた。

河辺さんの住まわれてるお宅の前にカフェ・ギャラリーがあるので、そこへお邪魔して暖かいコーヒーを求め、自転車が見えたので貸してくれますか? 頼んでみた。快諾を得て、傘はさせないがフード付きの雨合羽を着て、雨の中をこぎだした。

  (つづく)