シリアという国 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

シリアについて、あまりにも知らないので、手短にウイキで歴史を調べてみた。

シリアとフランスには、第一次世界大戦後の1920年、セーヴル条約によりシリアがフランスの委任統治領となり、第二次大戦後の1946年に「シリア共和国」としてフランスより独立するという歴史的経緯があり、他よりも深い関係にある。現バッシャール・アル=アサド大統領はフランス語を話し、内乱が表面化するまではシリアはフランスの友好国として親しまれていた。

シリアは民族的宗教的に複雑な国で、フランスの委任統治時代にも、ダマスカス国、アレッポ国、大レバノン、アラウイ自治区、シャバル・ドウールズ地区、アレキサンドレック地区などが分離・分割している。

1958年にはエジプトと「アラブ連合共和国」として連合するが、1961年には連合を解消、「シリア・アラブ共和国」として再独立した。

1963年にはバアス党が政権を樹立したが、1970年にはバアス党内に急進派と穏健・現実主義派の対立が起き、ハーフィズ・アル=アサドをリーダーとする穏健派がクーデターで実権を握った。

1971年に、ハーフィズ・アル=アサドは大統領に選出され、76年にはレバノンに駐留を開始した(レバノン内戦)。

2000年、ハーフィズ・アル=アサド大統領が死去、息子のバッシャール・アル=アサドが大統領に就任。

イラクのサダム・フセインは同じバアス党(アラブ社会主義復興党)であり、2003年のイラク戦争の時に、アメリカの軍事介入によりサダム・フセインが短期間で逮捕・処刑されたことにバッシャール・アル=アサドは危機感を覚え、以来体制の引き締め、デモや集会の禁止、民主活動家の逮捕、禁固刑判決、言論統制を強化しはじめた。

バアス党は「国家を指導する政党」と規定されヘゲモニー政党制、実際は自由な選挙のない一党独裁制を敷いている。

1973年の憲法では、シリアは国家を「社会主義、人民民主主義」国家と規定している。

「レバノン」問題から、シリアは欧米との対決姿勢を鮮明にした。ゴラン高原奪還をはじめ、「パレスチナを含む、イスラエルによる全アラブ占領地区の解放」をスローガンに掲げている。

2011年から内戦状態が激しくなり、2012年にはシリアの各地に生まれた反体制勢力を統合する「シリア国民連合」が結成された。それ以前から二つの反体制勢力の全国組織がある。「シリア国民評議会(SNC)」と「民主的変革のための全国調整委員会(NCC)」で、反体制派の武装組織「自由シリア軍(FSA)」を持っている。

世界で最も人権が抑圧されている国として、シリアとの外交関係を断絶した国が12か国以上にのぼる。
英国、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ、チュニジア、エジプト、リビア、米国、ベルギー、スペイン、湾岸諸国。

アメリカはシリアを「テロ支援国家」に指定している。

これに対し、シリアを支援ないし緊密な関係を維持している国々は、ロシア、イラン、レバノン(ヒスボラ。ロシアは、アサド政権の最大支援国で財政支援と武器を供給している。さらにロシアはシリア国内に軍事施設を持つ。

北朝鮮、中国、パレスチナ自治政府、イエメン、スーダン、イラクはアサド政権のシリアと緊密な関係を維持している。特に北朝鮮は、ハーフィズ・アル=アサド政権の時代から伝統的友好国で、軍事交流や弾道ミサイルなど北朝鮮製兵器の買い手であり、共同の核開発計画も行っているとされる。

アサド家は、シーア派のうちでも少数派のアラウイー派で、この宗派はシリア人口の6~12%しか占めていない。人口の4分の3を占めるのは「スンナ派」で、アサド政権の治安機関による「厳密な統制」により政権を維持していることに対し、スンナ派内部には深い憎悪が生じているという。少数派のクルド人からも不満と抗議があがっている。

この治安機関とは、アル=アサド家に資金提供を受けた3000人以上の構成員からなる暴力団「シャッビーハ Shabah (幽霊を意味する)」のことだとばかりにツイッターやFacebook に映像が投稿されているが、ねつ造だという説もあり真意のほどはわからない。


5日と6日にサンクトペテルブルグで開かれたG20は、終始シリア問題が議題となったが、結果は武力介入に賛否はまっ二つに割れた。

オバマ大統領は、化学兵器使用に対する倫理的な観点から、放置しては置けない、何もしなければ、大量殺戮兵器の使用を容認した前歴が出来てしまい、他のテロリスト国家に核兵器の使用をも許してしまう結果になりかねない、と説得に努めたが、ロシアを始め、懲罰のための空爆に反対の国々の意志を翻すに至らなかった。

フランスも慎重を選んで、国連調査団の報告結果を待ち、空爆への態度を決めるとオランド大統領は、一歩引いた声明を発表した。


昨夜のテレビのデベートでは、アメリカの空爆への、反対意見の中は、部分的、期限付きの爆撃では効果が期待できないとアサド政権の退陣を視野に入れた政治的調停を考えるべきだというものもあり、「なにもしないことはいちばん悪い」という点で、政治的、外交的にEU、シリアの周辺諸国をひとつのテーブルに集め、調停を進めた上で、アサド大統領を呼んだらどうかとの意見も出た。

軍事介入はいかにも安易だ。部分的空爆をしたところでなにも変わらない。軍事的介入は混乱を拡大し、情勢悪化を招くばかりだから、一時的な効果を狙う空爆よりも、時間がかかり、粘り強い努力を要求されるが、外交的、政治的解決をどうして目指さないのか? という意見が説得力を持っていた。

イラクとアフガンの失敗は誰の眼にも明らかなので、反対意見の底には、「同じ愚を犯してはならない」との理性的判断があり、アメリカに化学兵器が「人道に反する罪」だとして懲罰する資格があるのか? という意見さえ出た。

ヴェトナム戦争で大量の枯葉剤を散き、その後遺症でたくさんの奇形児が生まれた責任をアメリカは取るつもりがあるのか? という批判は当たっているではないか。

「国連安全保障委員会の合意は得られないのだから、国連総会で議決を図る」とか「ハーグ国際裁判所に提訴する」とか、安易な軍事介入を避け、あくまで政治・外交的解決を探り続けるべきだとの意見が説得力を発揮した。


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