田舎に住んでいて、いちばんの気がかりは、いざという時、病院に行けるだろうか? 間に合うだろうか?って問題ですね。やっぱり大きな病院がある大きな街、その近くに住んだ方が良くはないか? って問いが頭をかすめます。
近しい人から頼まれて今日は、この近くで一番大きな街、ヨンヌ県の県庁所在地、オーセール( Auxerre へ)あることを調査に行きました。
あることというのは、人工透析ができるか否かってことなんです。もちろんやってますが、外国人を受け入れてくれるか? の調査に行きました。もっと正確に言うと、フランスの医療保険(社会保障)に加入していない外国から旅行で来た人間の透析をやってくれるか? という調査です。
日本のドクターが透析を受けている患者は、世界中どこへいっても設備のある病院へ行けば、旅行中でも透析を続けられる、そういうシステムが世界中に出来上がっている、と話したため、週3回人工透析を受けている身だけども、できるのなら旅行がしたいと希望を持つようになったのです。
僕としても、できるなら1か月でも2か月でも、日本の夏の暑い時期に避暑を兼ねて受け入れてあげたいと思ったものですから、電話でアポを取って、情報を貰いに病院を訪ねました。
昨年、僕は同じオーセールの街のクリニックで背中の腫物の切除手術を受けたのでしたが、今度は病院です。クリニックは私立病院で、Hopital はフランスでは大体が国立の病院といえるようです。
さすがに大きいです。こんな高台に病院があるなんて知らなかった。
入り口わきのパーキングは一杯で、道路を隔てた丘の上に向かって広がるパーキングにやっと駐車スペースを見つけました。
見晴らしがいいですね。病室によっては窓からの景色もいいだろうな。
遠く下の方にカテドラルが見えます。
正面の入り口へ向かう道です。
聞き取り調査の結果、受け入れの体制としてはあるんだけれども、実際の問題として、ベッド数が足りない。今のところは、空きベッドが無い。
更に大きな問題は、やはり保険(社会保障)でした。フランスの社会保障のグリーン・カードを持っていない人は、入院費など実費を払わねばならない。
昨年、僕が軽い手術で半日入院した時は、850€掛かりました。ほとんどを、社会保障が負担してくれ、執刀外科医がエクストラに貰うよと言った100€だけが僕の負担でした。任意保険の契約によっては、これも払い戻ししてくれる場合もありますが、僕の契約は残念ながら、カバーしていませんでした。
人口透析は、手術じゃないよ、治療なんだから、そんなに掛かるわけがない、と僕の危惧を振り払うように、第一報に返事がきましたが、危惧した通り、透析は3時間なり4時間なり病室のベッドを占領し器械を使い医療・事務スタッフを働かせるわけで、病院の料金表には「入院」の枠内に載せてあり、入院費は一日1485€、19万3千円と書いてあります。
週3回、約60万円。一か月で280万円にもなってしまいます。
こんな金額を、退院時に払わねばならない。日本の保険がどこまで払い戻しをしてくれるか?
打ち込まれたテニスボールを打ち返さねばならないようです。
救急車が停めてありました。
料金表にはSAMURという救急車だと30分で683€。TMだと239.05€と出ています。
ヘリコプターで運ばれた場合の経費は1分につき49€=約6370円と出ています。
30分掛かったら19万1千百円、1時間なら訳40万円かかる計算です。
ゆめ、おろそかに救急車やヘリコプターのお世話にはなりたくないものです。
さて、病院の調査はこれくらいで切り上げて、モールなど大規模商店が並ぶ、商業地区へ買い物に行きました。中くらいの街の郊外は大体どこも同じような店が立ち並び、似たような風景を形作っています。
ここにも、「SUSHI」レストランがあります。
大人しく、ご主人の帰りを待つワンコ。運転席にもワンコがいました。写真は撮れなかったけれど。
雨は相変わらず降り続けて、ロワールは氾濫まであと僅かしかありません。これは2日前に撮った写真です。

