周明ひできをはたき | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える


ゼノンの逆説と少しだけ関係はあるのですが、わき道へのはみ出し方が大きな脱線をお許しください。

最近、満州事変についてある本を読んでいたら、大川周明が幾何の公理の「点と線」について若い頃疑問を抱いて先生に質問を繰り返したという記述が眼に止まり、あっと声を挙げるほど驚きました。

めのおは孤独じゃなかった。同じような疑問を抱いた人がいた。それも北一輝の二二六と並んで五一五事件で禁固5年有罪判決を受け服役、東京裁判では民間人でただ一人A級戦犯を求刑された、かの東洋思想の大家、大川周明とは!

まず、東京裁判の有名な瞬間をご覧ください。被告席の雛段の東条英機の後ろに座っていた大川周明が、大きな禿頭をぴしゃりと平手ではたく場面です↓



英機の頭をはたいただけでなく、この日の周明は次々と、英語やドイツ語で地口や冗談を奇声で発し、ついに休憩時間中、裁判長は周明を精神に異常をきたしたとみなし以後、裁判から外してしまいます。医師の診断は梅毒による精神障害でした。後の松沢病院に2年半収容された周明は、しかし、コーランの全訳を入院中に完成させます。

大川が1918年、東亜経済調査局、満鉄調査部に勤務している間に収集したイスラーム文献は、後のイスラム学者、井筒俊彦などの研究の素地を作りました。

大川周明は満州国の建国を支持しましたが、日中連携を不可欠のものとし、太平洋戦争には反対。開戦前夜まで日米戦回避のため奔走したということです。

東京裁判終了後、退院しますが東京裁判で起訴された被告人の中で、ただ一人、裁判終了時に存命し有罪にならなかった人です。裁判中、かれは精神異常を演じていたという説もあります。

めのおは高校に入学して、いきなり算数が数学になり、幾何の公理として「点とは位置だけあって大きさが無い」、直線とは「長さだけあって幅が無い」と定義されてることに悩んだのです。

「大きさがない」とは空であり位置を持ちえないではないか?
「幅が無い線なんて在り得ない」

数学の特に幾何学は概念による定義を積み重ねて論理能力を養う学であり、現実の、つまり物理学が扱う大きさや長さとは違うもんですね。概念とは人間の頭の中にしかありえない。

ここで「ゼノンの逆説」が大川の思想と繋がるのですが、ゼノンは「真はひとつ、分解できない」という師のパルメニデスの説を弁護し、直線は点の集まりとするピュタゴラス学派の非を証明するために、「物事を分解して行くと現実とは違う結果に陥るよ」と「飛んでいる矢は止っている」とか、「アキレスは亀を追い越せない」などの逆説を考えたのでした。

大川周明は宗教学者であり、インド・イスラム思想の研究家です。ギリシャのデモクリトスから始まって物質を分解し、現代物理学、量子力学にまで発展した(西洋の)分析思考を東洋思想に対立するものと捉えていたようです。めのおもこの辺の研究を今後の課題に据えたいです。

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