和秋は黄色の開襟シャツに焦茶の半ズボン、グレーのジョギング・シューズを穿いてきた。
ケバウはGパンに黒いTシャツ、白い登山帽を被りサングラスを掛けていた。
ムホクは黒のカーボン製の釣竿にリールを付け、和秋は銀色のグラスファイバーの初心者向きの竿を持って来た。ケバウもリール付きの緑の竿をもって来た。
石油積み下ろしターミナルは石炭陸揚げ埠頭の向こう側、巾百メートル程の水路を挟んで海上を埠頭と平行に走っている。
海中に足場を持ったП型の支柱の上にパイプラインが走り、タンカー接岸地点に五本のローデイングアームが立っているだけの、細長いスチールの構造物で、もともとその上を人や車が行き来するようには設計されていない。
足場があるにしても人ひとりがやっと歩ける程度の簾の子鉄板がパイプラインに沿って渡してある程度だろう。
ムホクはタンカーに乗り込む必要が生じた場合どんなアクセスが可能か調べた。ローデイングアームが立っている石油積み下ろしターミナルはタンカーが接岸する部分だけ海に突出して作られており、その根元には円筒形の石油タンクが海と空に浮かぶように並んでいた。
ローデイングアームに達するにはまずあの石油タンクの並ぶ突堤に入るか、それともゴムボートで水路を横切りパイプラインに攀じ登るか、どちらかしかない。
タンクが並ぶ突堤の入口には監視所があり守衛が出入りをチェックしているだろう。突堤の入口からこのローデイングアームまで距離は数キロ。車でなければ時間が掛かる。小船かゴムボートを調達した方が早いかもしれない。
(つづく)
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