レイモンは小切手を渡しながら、いっぽうの手で時子の腰を抱いた。逃げようとして踏み出した足が絨毯にひっかかり、時子はバランスを失った。レイモンが抱きとめようとする。
時子は避けようとしてさらに空中を泳ぎソファーに脇腹から倒れこんだ。スカートが割れ、膝からももにかけてのまるっこい輪郭の白い肌が露わになった。見つけない悩ましげな線に魅惑されたレイモンの手がももの内側へ伸びた。仰向けに寝かされた時子に厚い胸がかぶさってきた。
抗ういとまもなく、時子はレイモンの体重を受け、胸に抱かれていた。
武彦の植物的ななめらかな肌と違って、動物の腹のような手応えと抵抗感のある頬の肉が渋い香水の臭いの中に温もっている。あえいで逃れようとする時子の口をレイモンが塞ぎ、力のある舌が入ってきた。
心臓が動悸を打ち、子宮が縮みあがり、下腹部を甘味な熱いものが潤してゆくのがわかった。抗う意志を失った時子のからだをレイモンは掬い上げ軽々と寝室のベッドに運んだ。
(つづく)
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