12 - 3 宦官になれ | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 つぎにムホクはセバスチャンに向かうとその股間に手を伸ばしいきなり睾丸をつかみ、力まかせに捻りながら引っ張りあげた。ぎゃあという青年の胸からほとばしり出る悲鳴が倉庫の屋根に響いた。

 「いいか、今日から一ヶ月以内にこいつとアブドラ殺害の状況を調べて、おれに報告しろ。お前は中国の宦官になるんだ。知ってるだろ男根を切られ宮廷に仕える男たちを。お前は性器を失うだけじゃすまない」

 そう言うとムホクはセバスチャンの顎と鼻を両手で押さえ、口を開けさせ、大きな黒い丸薬を二三粒放りこんだ。上下の顎を押しつけ顔全体を勢いよく手前に引っ張った。うっとうなり声を挙げた青年は眼をつぶり苦しまぎれに丸薬を呑みこんだ。

 「いいか、一ヶ月だぞ。一ヶ月以内に調査を終えて報告書を送れ。さもないと、お前は癩病に犯される。今のませてやったのはな、中国に昔から伝わる秘薬なんだ。男性器を腐らせ苦しまずにポロリと落として宦官にしてしまうんだ。

 お前はもうじき男根を失い、鼻や耳が落ち、盲になり、ふた目とみられない醜い顔になるんだぞ。そこから逃れられるのは中国の医者、ここに居る李先生の療法を受け、いまお前の体にぶちこんだ薬の効果を打ち消す別の秘薬を飲むしかないんだ。西洋の医術はお前を救うことはできない。

 李先生の療法を受けたかったら。いいな。一ヶ月以内にふたりで協力して、アブドラ殺害の状況を詳しくレポートするんだ。報告書はおれんところへ送れ。おれが満足する報告書が届けば、許してやる。李先生がお前を救って下さるんだ」

 セバスチャンは蒼ざめた顔で上目づかいにムホクを睨んだ。

 (つづく)

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