12 - 1 ウズラが頭に | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 金髪の背の高い青年は、黒衣の貴公子の催眠術に掛かり、アブドラにジャベル水入りのビールを飲ませ、両腕両脚を掴んで海に投げ入れるシーンを再現した後、椅子に戻った。

 黒衣の貴公子が「アブドラを殺したのはオマエだ」と指さした時、衝立の上に止まっていた鳥が飛び立ち、青年の金髪の頭の上に短い脚を立てて止った。

 「こいつ、オレを酷い目にあわせやがって」

 ウズラは金髪を嘴で芝生のみみずをついばむように首を左右に激しく振りながらy突っついた。すると青年の頭から金髪が剥がれ落ちて、青々と剃ったスキンヘッドが現れた。

 観客はみな腹を抱えて笑った。

 「やっぱり、おまえはスキンヘッドだったんだ」貴公子の脇に居た和秋が叫んだ。

フランスの田舎暮らし-tete rasee


 ウズラは金髪のカツラが落ちて露出したハゲ頭の上になおも留まっていたが、やおら尻尾を上げるとベチャリと糞を垂れた。

 生温かいものが頭に落ち、それが次第に冷えてゆくのを感じたのかスキンヘッドは頭に手をやった。掌にべたりと付着したのは濃い緑色に白い液体が混じった鳥の糞だった。

 頭に乗った糞の冷たさでスキンヘッドは目を醒ました。

 「オレは・・・オレはナニもやってない」

 舞台の上の全員と観客の視線が自分に注がれているのを感じてスキンヘッドは立ちあがって叫ぶと舞台を降りようと前へ踏み出した。

 「ギャア・・・」

 ウズラが鋭い叫びを咽から発して飛び立ち、バタバタと羽音を立てて、スキンヘッドの顔めがけて突進し嘴で顔を攻撃した。両腕を顔の前で交差させ、鋭い嘴の攻撃から守ろうと青年は必死だった。

 「どうやらこの鳥は、アブドラの生れ代わりのようだね」

 ムホクが太い良く通る声で言った。

 (つづく)

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