11 - 5 象の記憶 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

 和秋は時子が買い物へ行って留守の間に武彦のコンピューターの前に座り、トランスファー・プレスの入札情報を探した。パスワードでしかアクセスできない個人ファイルの中にあるに違いない。

 武彦はパスワードに自分が良く使う言葉を使っているに違いない。和秋は武彦が口にしたことのあるもので記憶に関する言葉がなかったか必死で思いだそうとした。

 そうだ!いつぞやルーアンのカテドラルを見ながら、時子が抜群の記憶を持っていると誉めて武彦が口にした言葉がある。「象の記憶」。象。エレファント。ELEPHANT。英語の大文字で入力すると、画面が動いた。

 入札情報はあった。競合三社の入札金額と評価項目が記された表を見つけ、プリント・アウトすると和秋はファイルを閉じ、セッション終了のコマンドをクリックし、コンピューターを元の状態に戻した。

 和秋は情報をその日のうちにケバウに渡した。

 (つづく)

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