赤いバラ=ヴィクトル・ユゴー | 雷神トールのブログ

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ヴィクトル・ユゴーが咲いた。
去年の秋、ブリヤールの青空市で見つけて植えた。
ビロードの肌触りの赤い花弁が豪華に開いてくれて嬉しい↓

フランスの田舎暮らし-ゆーご


長い間、探していたのだが見つからなかった。前の家はセーヌ河のほとりにあって小さな庭だったが土地が肥えていた。偶然見つけたバラを台所の出口の脇に植えたらたちまち大きくなって奇麗な赤い花をつけた。

通路なのでトゲがコワイとカミサンが言い、移植した。まだ小さかったニュードーンの横に植えた。ところがニュードーンは繁殖力が旺盛で、ヴィクトル・ユゴーを覆ってしまい枯らしてしまった。

去年植えた場所は朝2時間ほどしか陽が当らない場所なので咲いてくれるか気になっていた。夏には小さな花を一輪付けただけだった。やはり日当たりが悪いからダメかと思っていた。10月に入り蕾を5つつけ、3日前から開き始めた。

19世紀フランスのロマン派を代表する作家ヴィクトル・ユゴーは強壮な男だった。このバラも強靭らしい。

詩人で小説家のユゴーは絵もうまかった。パリのヴォージュ広場の一角にあるユゴー記念館には、この詩人のヴィジョンを伺わせる単色の水彩画が展示してある。

セーヌ河の下流、ルーアンの近くに別荘を持っていた。長女レオポルデインヌは19歳でシャルル・ヴァクリーと結婚したばかり、このヴィルキエの館から二人で小舟に乗りセーヌを遡る最中、突風で舟が転覆し、泳ぎの達者だったシャルルが泳げないレオポルデンヌが必死でしがみついてくるのを助けようとしたが、結局二人とも水流にのまれ水死してしまった。

次女にアデルの名を与えた。フランソワ・トリュフォー監督の「アデルの恋の物語(注)」という映画がある。イザベル・アジャンニが19歳のとき主役を演じている↓


アデルの報われない偏執的な片想いが最後に狂気へと導く様を描いている。
カナダのハリファックスという港町に若い女性が独り船を降りたつ。初恋の英国軍人ビンソンを追って、ガンジー島に政治亡命していたヴィクトル・ユゴー一家を捨て大西洋を渡って来た。

ビンソンはすっかり恋が冷めている。アデルは恋人の心を取り戻そうと執拗に付きまとう。皆から愛され死を惜しまれた姉のレオポルデインヌと偉大すぎる父親へのコンプレックス↓

フランスの田舎暮らし-イザベル


そんなアデルの心理をトリュフォーはひたすら描くアジャンニは淡々と演技を感じさせない地の表情かと思わせる真迫力で次第に狂気へ堕ち込んでゆく女性を演じた。父親にはビンソンと結婚しましたと「ウソ」の手紙を書く。

町の紙屋へ手紙の紙を買いに行く場面が忘れられない。アデルは父親の血をひいて文才があった。アデルが残した日記をもとにトリュフォーはこの映画を作った。トリュフォーの映画には必ず手紙が出てくる↓

フランスの田舎暮らし-Adel H



ヴィクトル・ユゴーの名声は、すでにカナダの下宿屋にまで轟いている。名を偽り乞食のような身なりで娼婦街をさ迷うアデル。アデルは一途な想いを死ぬまで貫き、精神病院で60歳近くで亡くなるまで、40年近く恋の炎を燃やし続けた

注:原題は < L'Histoire d"Adel H >で1975年の製作。邦題の「アデルの恋の物語」はカナダのbelmonnde さんにご教示いただいた。原題ともに正確でなかったことをお詫びし、投稿後になりますが訂正させて頂きます。