芸術家とメッセナの関係 - その2 | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

この国では外国人のめのおは政治スキャンダルの詳細を根掘り葉掘り詮索する趣味はないが、住まわせてもらっている国がどんな仕組みでどんな風に動いているかには興味がある。

ミッテラン治世下の石油会社エルフ・アキテンヌの疑獄事件はもっと規模が大きかったが今回も一富豪の遺産相続問題が国の政治にかかわる事件に発展した。こういう時こそ普段見えないこの国の実体が見えてくるのだ。

ベタンクール夫妻の元会計士の証言によると、2007年に50万ユーロを現金でリリアンヌの口座から引き出そうとしたが、銀行に断わられ、10万ユーロだけが現金で引き出された。この10万ユーロは使途不明金で、その一部が政治資金としてUMPに渡された疑いが濃くなった。

2007年は大統領選挙の年であり、UMPの財務担当のエリック・ヴォルスが当然絡んでると野党は矛先を現労働大臣とサルコジ大統領に向けた。


現在、調査中で確証は取れていないが、ル・モンド紙が発表した元会計士クレール・チブーの証言によれば、ヌイイのベタンクール家のお屋敷に、大統領選挙が始まる数ヶ月前から、普段と違った顔ぶれが訪れるようになった。

お屋敷には防犯ビデオが設置してあり玄関を通る人をすべて会計士と秘書の部屋から見ることが出来る。この期間、ベタンクール夫妻が迎えた人物として、バール
(元首相)夫妻、ルルーシュ、ヴォルス、アルバン・シャランドン(元法務大臣)、ベルナール・アンリ・レヴィー(売れっ子の哲学者)、ベルナデット・シラク(元大統領夫人)、クロード・ポンピドウが挙がっている。

いわゆる Tout Paris ・パリというやつである。パリには各界の名士が集まる社交界がある。共和国フランスが万人平等というのは「タテマエ」の話で、実体はごく少数のエリートに牛耳られている。四民平等でないからこそ「平等」のスローガンが出てくるのだ。フランスの政治・経済・文化は人口の3%に過ぎないエリートに操られている。

元会計士は、アンドレ・ベタンクールは書斎に金庫を持っていて、常に大そうな額の現金を入れていた。足りなくなると秘書を銀行に走らせた、と証言している。

同じくル・モンド紙によれば、ベタンクール家の執事長は、夫妻が政治家を招いてレセプションを開くことが頻繁にあったが、一度だけニコラ・サルコジが招かれ夫妻はとても礼儀正しくしていたのを覚えていると証言した。これに関して、サルコジ大統領はテレビF2のインタヴユーで否定している。

執事長はさらに、エリック・ヴォルス夫妻、ド・メストル、クシュナー
(現外務大臣)マダム・オックラン(テレビ・キャスター)が招かれ、ヴオルス夫妻はベタンクール家の財産管理会社社長のド・メストルが呼んだと証言した。

7月18日、ベタンクールの財産管理人パトリス・ド・メストル Patrice de Maistre と写真家バニエ警察監置(Garde a vue)で勾留された。



フランスの田舎暮らし-banier1
写真家バニエは、燃えるような才能と人を魅了する口説きの才能を持った男らしい。

シュールレアリズムの画家サルバドール・ダリに16歳で才能を認めさせ、詩人でコムニスト作家ルイ・アラゴンを感嘆せしめ、女流作家のフランソワーズ・サガンをしてヒト(女性?)の心を魅了する最も才能に富んだアーチストと讃嘆せしめ、フランソワ・ミッテランにも近づき、数々の有名人の肖像写真をものし、現在はニューヨーカー誌と契約してUSAとパリを往き来している。


だが、彼の芸術は、たとえばピカソに匹敵するほど価値のあるものだろうか?何枚かの写真を見たがなるほど変わっていてオモシロく はある。が、それだけで、芸術の歴史を変革するなんて偉大さとはほど遠い。

芸術家が創作活動を続けるにはメッセナが必要だ。が、芸術家が多才過ぎて、作品の制作に飽き足らず、人心を魅了する味を覚えてしまうと、金持ち、権力者にとり入 り、金をせしめる道に走りはしないか?

芸術家は貧乏でもいいから描かざるを得ない、書かざるを得ない、作らずにおれないという状態であってこそ人を感動させる作品を作ることが出来る・・・!とめのおは信じています。


メッセナが与える額が膨らみ、政治が絡んでくると、脱税に利用され、ロクデモナイ結果に陥るのではと危ぶまれる。


(つづく)