掲示板の3行広告が運命を変える | 雷神トールのブログ

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田舎暮らしでネットワークビジネス成功-keijiban


掲示板の一枚の紙切れが運命を変えることがある。

パリに住む JUNZOU さんは20歳の時に、横浜から船に乗りシベリア鉄道経由でパリへ来た。

日本に学園紛争の嵐が吹き荒れていた頃で、学園生活に失望した
JUNZOU さんは大学へ行くのを止め、バイトをして金を貯め、当時ヨーロッパへ出る一番安いルート、シベリア鉄道でヨーロッパ、そして最後に落ち着く街にパリを選んだ。

高校でフランス語を学んだ 
JUNZOU さんは、パリへ出ればなんとかなる。最初はなんでもやって生き延び、やがて永住できるという自信があった。

当時オペラ界隈はまだ日本レストランは少なかった。3っつあったうちのひとつに頼みこんでなんとか調理場の皿洗いに雇って貰った。

給料は安い。しかも初めの内は潜り。つまりワークパーミットも滞在許可証も無い。見つかったら雇用者も罰金だし、へたをすると強制送還される。


12m2の狭いが安い屋根裏部屋が見つかった。調理場からアパートのある建物へまっすぐに帰り、8階の屋根裏部屋までらせん階段を歩いて昇り、鳥の巣のようなねぐらに帰ると息を殺しひっそりと寝た。ビザなしで滞在できる3か月の期限が切れようとしていた。

ふだんの食事は日本食の残りを貰って食べるから不自由はなかった。が、その日に限って、味噌汁が無く、ないとどうしても欲しくなった。近くの日本食品店へ行き味噌だけを買った。ふと入り口の脇の壁に掲示板が掛かっているのが目に留った。小さな紙切れが重なるように貼ってある。そのうちの一枚に目をやった。

「ミニコミの日本語新聞が翻訳者を募集しています」という3行広告だった。

日本語新聞なのに翻訳者?不思議に思ったけれど、だめもとと思ってアドレスを頼りにミニコミ新聞を訪ねた。

出てきたのはなんとフランス人だった。「ボクは日本語ができないからフランス語で記事を書く。それを日本語に訳してもらいたい。」

報酬を訊くと皿洗いとおなじほど安かった。前任者が辞める時に三行広告を書いて掲示板に貼ったとわかった。報酬は安いけど高校で始めたフランス語が役に立つ。面接したフランス人は若いが頼りになりそうだった。いつから?と訊くと「すぐにでも」という返事が返ってきた。

さっそく原稿を5枚ほど貰って下宿へ帰った。翌日、日本レストランに事情を話して辞めさせて貰った。主人は話の分かる人で、そっちの仕事の方が君のためになるだろうと喜んでくれた。

最初の一カ月はビザを持っていないことも内緒で通した。フランス人の年増の秘書が居て、ビザについて察している様子だったが、親切に、なんとかなるわよと励ましてくれた。

一ヶ月経ち、思いがけないことが起こった。ミニコミ新聞の経営者はフランスの現代史に出てくる大変な政治家の曾孫で、友達に実力者を沢山持っていた。そのうちの一人が大事な商用で日本に行くから君が通訳で付いて行ってくれと頼みに来た。

それが運命の分かれ目だった。日本へビジネスで行った男は政界とパリ警視庁にも顔が利いたからビザを簡単に取ってくれた。それどころかフランスの優良企業でこれから日本進出を計画している事業部へ紹介してくれ、それが縁でその会社に就職でき、それから30年間、
JUNZOUさんはパリと日本を往復しながら仕事に打ち込み充実した人生を送ることが出来た。

あの時、掲示板の一枚の紙切れに目を向けなかったら今の人生はなかったと 
JUNZOU さんは振り返って感慨深げに語った。