入院中の母に面会した時の話です
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父の写真を見せながら、母に話をしました。
「この写真、お父さんメガネしてないね。お父さんのメガネ、なくなっちゃったんだよ」
母は残念そうな顔をしました
母はたぶん、むかしのことを思い出したのではないでしょうか。
〜むかしのこと〜
これは、まだ母が元気いっぱいだった頃のこと。
父はいつもメガネをどこかに置いては、メガネを探していました
認知症になる前からメガネは行方不明になりがちでしたが、認知症になってから行方不明率が増加
「おれはメガネをどこに置いたんだろう?」
という父のセリフを聞かない日はありませんでした。
「置く場所が決まってないから、どこにやったのかわからなくなるんだよ!」
怒鳴る母
母は怒りながらも、父がメガネをなくさないようにあれこれ工夫をしました。
綺麗な和紙を貼り付けたお手製のメガネスタンドを作り父の枕元に置いたのです。
「いい?寝る時はメガネをここに入れるんだよ」
繰り返し言い聞かせて、父がメガネを定位置に置くよう習慣づけました。
父のメガネにチェーンをつけたのも母です。
メガネ屋さんに頼んでつけたのだと言っていました。
チェーンがついているので、メガネを外した時に首から下げられる
母は、父がメガネをなくさないようにあれこれ気を回した日々を思い出し、
(だからチェーンをつけてやったのに…)
と心の中でつぶやいているかもしれません。

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