
認知症の父に会いに、特養に行きました。
「今日は泊まっていくんだろう?」
と言い出す父。(いつものこと)
「いいね、ありがとう。でも、今日は泊まる準備をしてきていないから」
と答えると、父は
「出直すか?」
と言いました。
「おれは自炊をしているから、4〜5日くらい2人で食べられるだけの食材はいつも置いているのよ」
そう言って、父は満足そうに目を閉じました。
「お父さんもう眠いのかな?今日はもう帰るね」
と告げると、
「ええっ、帰るの?」
と驚く父。
「もっといてほしいけど、山は日の暮れるのが早いから帰るなら早く帰った方がいい」
と父は真剣な顔で言いました。
父の中では、ここは山の中らしい。
前も同じようなことを言っていました。
父の故郷は、結構な山の中なので、その記憶の中で生きているのかな。